「ゴットファーザー/マフィア映画脚本の書き方」
原作小説と映画脚本比較により脚本の書き方・成り立ちを探ります。ハリウッド脚本の極意、世界名作の秘密に迫ります。全体に「ねたばれ」の要素がありますので、要注意。

「ゴッドファーザー」原作小説 原作小説 「ゴットファーザー」
マリオ・プーゾ著 一ノ瀬直二 訳
ハヤカワ文庫 1982年刊

    
「ゴッド・ファーザー」映画チラシ 映画「ゴットファーザー」
72年 アメリカ映画
脚本:フランシス・F.コッポラ 、マリオ・プーゾ
監督:フランシス・F.コッポラ
出演者:マーロン・ブランド 、アル・パチーノ

  本作原作文庫
  本作映画チラシ





■脚本の書き方■
原作小説と映画脚本比較レビュー・インディスク


「ライラの冒険 黄金の羅針盤原作=フィリップ・プルマン

「陰日向に咲く」原作=劇団ひとり
「ミッドナイトイーグル」原作=高嶋哲夫
「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」原作=J・K・ローリング

「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」原作=リリー・フランキー
「墨攻」原作=酒見賢一
「暗いところで待ち合わせ」原作=乙一
「プラダを着た悪魔」
原作=ローレン・ワイズバーガー
「夜のピクニック」原作=恩田陸
「ゲド戦記」原作ル=グウィン
「ダ・ヴィンチ・コード」原作ダン・ブラウン
「ナルニア国物語/第1章ライオンと魔女」原作C・S・ルイス
「博士の愛した数式」原作小川洋子
「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」原作J.K.ローリング
「亡国のイージス」原作福井晴敏
「宇宙戦争」原作H.G.ウェルズ
「四日間の奇蹟」原作浅倉卓弥
「アビエイター」原作ジョン・キーツ
「オペラ座の怪人」原作ガストン・ルルー
「ハウルの動く城」原作ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「ターンレフト・ターンライト」主演:金城武
「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」 主演:ダニエル・ラドクリフ
「下妻物語」原作嶽本野ばら
「世界の中心で、愛を叫ぶ」原作片山恭一
「ジョゼと虎と魚たち」原作田辺聖子
「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」
原作J.R.R.トールキン

「アイデン&ティティ」
原作みうらじゅん

「精霊流し」
原作さだまさし

「マッチスティック・メン」
監督リドリー・スコット
「コンフェッション」
原作チャック・バリス
「ソラリス」
監督スティーブン・ソダーバーグ
「魔界転生」
原作山田風太郎
「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」
原作フランク・w・アバグネイル
「ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔」
原作J.R.R.トールキン
「黄泉がえり」
原作梶尾真治
「レッドドラゴン」
原作トマス・ハリス
「マイノリティ・リポート」
原作F・K・ディック
「ハリーポッターと秘密の部屋」
J.K.ローリング著
「ザ・リング the ring」
主演ナオミ・ワッツ
「アバウト・ア・ボーイ」
原作ニック・ホーンディ
「タイムマシン」
原作小説H・G・ウェルズ

「GO」
脚本:宮藤官九郎
「ロード・オブ・ザ・リング」脚本ピーター・ジャクソン
「ハリー・ポッターと賢者の石」
脚本スティーブ・クローブス
「PLANET OF THE APES/猿の惑星」

監督ティム・バートン

「陰陽師」
脚本福田靖
「ブリジット・ジョーンズの日記」

脚本アンドリュー・デイヴィス

「バトル・ロワイヤル」

脚本深作健太

「クロスファイア」
脚本山田耕大
「ファイト・クラブ」
監督デビット・フィンチャー
「共同警備区域JSA」
原作小説パク サンヨン
「ナインスゲート」
脚本:ジョン ブラウンジョン
「ハンニバル」
脚本デビット・マメット
「ホワイトアウト」
原作小説真保裕一
「リプリー」
原作パトリシア・ハイスミス
「黒い家」
脚本大森寿美男
「ISOLA多重人格少女」
脚本水谷俊之
「シン・レッド・ライン」
脚本テレンス・マリック
「魔女の宅急便」
監督宮崎駿
「リング」
脚本高橋洋
「コンタクト」
監督:ロバート・ゼメキス
「L.A.コンフィデンシャル」
脚本カーティス・ハンソン
「セブン・イヤーズ・イン・チベット」
原作小説:ハインリヒ・ハラー
「さらば、わが愛 覇王別姫」
監督チェン・カイコー
「バラサイト・イブ」
脚本君塚良一
「アポロ13号」
監督ロン・ハワード
「マディソン郡の橋」
脚本リチャード ラグラベニーズ
「ショーシャンクの空に」
脚本フランク・ダラボン
「フォレスト・ガンプ」
脚本エリック・ロス
「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」
原作小説アン・ライス
「ジュラシック・パーク」
原作小説マイケル・クライトン
「シンドラーのリスト」
脚本スティーブン・ザイリアン
「イヤー・オブ・ザ・ガン」
原作マイケル・ミューショー
「ダンス・ウィズ・ウルブズ」脚本マイケル・ブレイク
「レナードの朝」
主演ロビン・ウィリアム
「トータルリコール」
原作小説フィリップ・K・ディック
「レッドオクトーバーを追え!」
脚本ラリー・ファーガソン
「ワイルド・アット・ハート」
脚本デイヴィッド・リンチ
「ミザリー」
原作小説スティーブン・キング
「ダイ・ハード」
監督ジョン・マクティアナン
「仕立て屋の恋」
原作小説ジョルジュ・シムノ
「時をかける少女」
脚本剣持亘
「ブレード・ランナー」
原作小説フィリップ・K・ディック
「惑星ソラリス」
監督アンドレイ・タルコフスキー
「犬神家の一族」
原作小説横溝正史
「ゴッドファーザー」

監督フランシス・F・コッポラ


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映画「ゴットファーザー」については、
RART2とあわせて未公開分を再編集した「ゴットファーザー・サーガ」等の
バリエーションもありますが、ここでは72年初期公開版と原作との比較レビューを
試みます。

第2次世界大戦が終わったばかりの1945年、
ニューヨーク・ロングビーチにある
ドン・ヴィトー・コルレオーネの自宅では
娘のコニー(タリア・シャイア)とカルロ・リッツィ(ジアンニ・ルッソ)の
結婚披露宴が行われていました。
ドン・ヴィトー・コルレオーネ(マーロン・ブランド)は、
ニューヨーク・マフィアの五大ファミリーで最も強力な
コルレオーネ・ファミリーを率いる頭目です。
カルロはソニー(ジェームズ・カーン)の友人です。
シチリア人の伝統として、
結婚式では花嫁の父親は出席者の頼み事を
きかなければならぬこととなっています。
権力者であるドン・コルレオーネのもとには
たくさんの嘆願者が訪れていました。

そのひとりが葬儀屋のアメリゴ・ボナセーラ
(サルバトーレ・コルシット)でした。
かれの娘は、数人の男から暴行を受けて重傷を負ったのですが、
犯人たちは裁判で執行猶予になってしまいました。
この判決に打ちのめされたボナセーラは
ドンに復讐を頼みにやってきたのです。
しかしボナセーラは、それまでドンを怖れ、敬遠してきました。
ドンはそのことを詰り、娘の結婚式に金で殺しを頼むなんて無礼ではないか、
と非難します。しかし、最後にドンはボナセーラの「忠誠」と引き替えに
犯人達に重傷を負わせることを約束し、
ドンはコンシリアーリ代行のトム・ハーゲン(ロバート・デュバル)に、
幹部のピート・クレメンザにこの仕事をやらせろと命じます。

コンシリアーリは、ファミリーの中で最も重要なポジションで、
ドンのあらゆる問題に関する相談役であり、腹心です。
このとき、コンシリアーリのゲンコ・アバンダントは癌で死の床にありました。
トムはドンの長男、ソニーの幼友達で、
両親と死別したためコルレオーネ・ファミリーに引き取られました。
大学で法律を専攻し司法試験に合格、ドンのすすめで数年間、
弁護士として活動した後、ドンの懐刀となったのでした。
映画では単純に、
親をなくしたトムをソニーが自分の家に連れてきた、とのみ
セリフで説明されているだけですが、
原作では、彼がアイルランド系ドイツ移民の子でシシリー出身でない事。
故にコンシリアーリに就任することにファミリー内部の反対があったこと。
彼が幼い頃失った親は盲目で、
トムは今でも気落ちした時に、自分自身が盲目で宿無しの少年に返ってしまって、
白い杖をついて、
あてどなくスラム街をさ迷い歩く悪夢に悩まされる事がある、
といった描写があります。
そんな時、目覚めたトムは、自分を拾ってくれ、
養子ではなく旧姓のまま、
家族として向かい入れ、
教育を受けさせてくれたドンに深い恩義を感ずるのでした。
ドンは若い頃時折トムにいったそうです。
「ご両親の事を忘れてはいかん」
そして自分自身に言い聞かせる様にドンはうなづいたそうです。
ドンは大学院を出たトムを独立させカタギの世界に返すつもりだったのですが、
トム自身が司法試験の合格報告と共に、
これからは父さんの役に立ちたいのです、
と告白してドンを感激させています。
当時ファミリーはちょうど急成長時期にあり、
腕の立つ“兵隊”だけでなく
有能で絶対に裏切らない弁護士がどうしても必要だったのです。

原作では、もうひとり依頼人が登場しています。
もうひとりは、ドンの長年の友人でパン屋のナゾリーネです。
ナゾリーネは従業員にイタリア軍捕虜でニューヨークにやってきた
エンツォを雇っていましたが、
かれはナゾリーネの娘と恋仲になってしまいます。
ところがエンツォに帰国命令がでたのです。
ドンはこの問題を別の上院議員に依頼して解決するようトムに命じます。

敵にはどこまでも残虐になれるが、
女性や子供には優しいドンの長男ソニーは、
コニーの友人でブライドメイドのルーシー・マンチーニ
(ジアンニ・リネロ)と部屋に籠もり、浮気に耽っていました。

結婚式に、
人気歌手のジョニー・フォンテーン(アル・マーティノ)がやってきます。
ジョニーは、ドンのお気に入りのゴッドサンです。
(ゴッドサン=ゴッドファーザーに名前をさずけられた義理の息子。)
コニーのために一曲歌った後、ジョニーはドンに悩みをうち明けます。
ジョニーの人気は下り坂で、
喉を痛めたためにもう歌手としてはやっていけない。
俳優としても、ハリウッドの大物プロデューサー、
ジャック・ウォルツ(ジョン・マーレイ)の女を寝取ったため仕事を干されています。
ウォルツの次回作の主役がとれればアカデミー賞も夢ではありませんが、
そんなことも不可能だ……どうすればいいのでしょうか、ゴッドファーザー、
というわけです。
ドンは泣き言を並べるジョニーを一喝し、
ウォルツが「断れない提案」をして映画の主役をとってやる、と約束します。

結婚式には、ドンの三男、
マイケル(アル・パチーノ)もフィアンセのケイ・アダムズ
(ダイアン・キートン)を伴ってやってきていました。
マイケルはダートマス大学で数学を専攻する学生で、
ドンの意向に逆らい第二次世界大戦に従軍、マフィアの仕事を毛嫌いしている男です。

マイケルはケイに、下の兄のフレドーやトムを紹介した後、
ジョニーにまつわるエピソードを話します。
ジョニーはデビューしたてのころ、バンドの歌手でした。
しかしジョニーの人気か出てくると、バンドとの契約が足かせになってきました。
そこでドンは、コルレオーネ・ファミリーで最も残忍な殺し屋、
ルカ・ブラージ(レニー・モンタナ)を連れて行き、
銃を突きつけ契約を破棄させたのだといいます。
「冗談でしょう?」と笑顔のケイに沈黙するマイケル。
ケイはその表情に硬直してしまいます。

すべての嘆願者の話を聞いた後、ドンはパーティに戻り、コニーとワルツを踊り、
コニーの結婚式は終わります。

結婚式のあと、ドンは3人の息子とジョニーを連れて、
コンシリアーリ、ゲンコの見舞いに行きます。
ゲンコはその夜、癌で亡くなり、トムは正式にコンシリアーリに就任します。

ジョニーの問題を解決するために、トムはハリウッドへ飛びます。
大物プロデューサー、ジャック・ウォルツは最初、
組合のストライキと子飼いのスターの麻薬問題を解決するのと引き替えにジョニーに
主役を与えてくれ、という提案をにべもなく却下し、
トムをけんもほろろに追い返します。
しかし、トムを調べドン・コルレオーネの腹心であることを理解したウォルツは
トムを食事に招待し、自宅を見せ、厩で自分が最も可愛がっている愛馬を見せます。
そして食事の席で、もう一度、
なぜジョニーに主役を与えることができないかを詳しくトムに説明して、
申し出を断るのでした。 
……その翌朝、ウォルツは下半身に異様な感触を感じて目醒めます。
血塗れのブランケットに包まれて足元にあったのはなんと切断された愛馬の首でした。


この続きの原作比較レビューは
まぐまぐプレミアム「映画VS原作本 映画脚本のヒ・ミ・ツ」で発表します。

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