「さらば、わが愛 覇王別姫/近代中国史と恋愛脚本の書き方」
原作小説と映画脚本比較により脚本の書き方・成り立ちを探ります。ハリウッド脚本の極意、世界名作の秘密に迫ります。全体に「ねたばれ」の要素がありますので、要注意
原作小説「覇王別姫」ハヤカワ文庫 李 碧華(リー ピクワー) 著 田中昌太郎 訳 1996年発刊(香港発刊は1993年) |
映画1996年日本公開 「さらば、わが愛 覇王別姫」 (1993年 香港制作 「覇王別姫」) 監督:チェン・カイコー 脚本:リー ピクワー 、ルー・ウェイ 出演者:レスリー・チャン 、チャン フォンイー 、コン・リー 、ルォ・ツァイ カンヌ映画祭(1993年)第46回 最高賞(パルムドール) ゴールデングローブ賞(1993年)第51回 外国語映画賞 |
京劇の覇王別姫を得意とする二人の俳優の生き様に中国近現代史を重ね合わせた壮大な物語「さらば、わが愛 覇王別姫」。
チェン・カイコー監督のカンヌ映画祭受賞作品です。
李 碧華(リー ピクワー)の原作小説はもともと香港で制作されたテレビドラマを元に書かれた小説なのだそうです。
これがプロデューサーの目にとまり、チェン・カイコー監督によって映画化されます。
日本へは原本の中国語版は伝わっておらず、ハヤカワ文庫からは映画の公開に合わせて、英語版から重訳されたものが収録されています。
古典芸能の役者の愛を扱うため、政治批判とも取れる部分があったりしたため、そのような経過になったものと思われます。
映画では現代の年老いた蝶衣(レスリー・チャン)と小樓(チャン・フォンイー)が人気の無い舞台に立ち、スポットライトを浴びるところから始まります。
原作小説にはこの場面は無く、直接ふたりの幼年時代から始まるのですが、人生は一幕の舞台というのは原作小説から引き継がれたテーマでもあるので、特に違和感はありません。
時代は1924年、混乱時代の北京に遡ります。
小豆子(シャオトォツー)は母に連れられ、子供に大道芸の京劇を教える一座に行き、関(クワン)師匠に預けられます。
10年の年季奉公の契約を結ばせられ、実質売り飛ばされるのですが、幼い子供たちの大半はいつか母が迎えに来てくれるものと思っています。
少女の様に美しい新入りの小豆子は仲間の子供たちのいじめにあいますが、庇ってくれたのが親分はだの少年、小石頭(シャオシートウ)です。
関師匠の修行は児童虐待そのものなのですが、親に捨てられた子供たちは良く耐え、京劇の役者として成長していきます。
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