「ハウルの動く城/恋愛ファンタジー映画脚本の書き方」
原作小説と映画脚本比較により脚本の書き方・成り立ちを探ります。ハリウッド脚本の極意、世界名作の秘密に迫ります。全体に「ねたばれ」の要素がありますので、要注意。
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原作 「魔法使いハウルと火の悪魔」 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ著 西村 醇子 訳 1997年刊 徳間書店 |
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映画「ハウルの動く城」 2004年 日本映画 監督脚本 宮崎駿 出演 >倍賞千恵子 木村拓哉 |
| 本作原作文庫 本作映画チラシ ■脚本の書き方■ 原作小説と映画脚本比較レビュー・インディスク 「ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛」原作=C.S.ルイス 「ジャンパー」原作=スティーブン・グールド 「ライラの冒険 黄金の羅針盤」原作=フィリップ・プルマン 「陰日向に咲く」原作=劇団ひとり 「ミッドナイトイーグル」原作=高嶋哲夫 「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」原作=J・K・ローリング 「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」原作=リリー・フランキー 「墨攻」原作=酒見賢一 「暗いところで待ち合わせ」原作=乙一 「プラダを着た悪魔」原作=ローレン・ワイズバーガー 「夜のピクニック」原作=恩田陸 「ゲド戦記」原作ル=グウィン 「ダ・ヴィンチ・コード」原作ダン・ブラウン 「ナルニア国物語/第1章ライオンと魔女」原作C・S・ルイス 「博士の愛した数式」原作小川洋子 「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」原作J.K.ローリング 「亡国のイージス」原作福井晴敏 「宇宙戦争」原作H.G.ウェルズ 「四日間の奇蹟」原作浅倉卓弥 「アビエイター」原作ジョン・キーツ 「オペラ座の怪人」原作ガストン・ルルー 「ターンレフト・ターンライト」主演:金城武 「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」 主演:ダニエル・ラドクリフ 「下妻物語」原作嶽本野ばら 「世界の中心で、愛を叫ぶ」原作片山恭一 「ジョゼと虎と魚たち」原作田辺聖子 「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」原作J.R.R.トールキン 「アイデン&ティティ」原作みうらじゅん 「精霊流し」原作さだまさし 「マッチスティック・メン」監督リドリー・スコット 「コンフェッション」原作チャック・バリス 「ソラリス」監督スティーブン・ソダーバーグ 「魔界転生」原作山田風太郎 「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」原作フランク・w・アバグネイル 「ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔」原作J.R.R.トールキン 「黄泉がえり」原作梶尾真治 「レッドドラゴン」原作トマス・ハリス 「マイノリティ・リポート」原作F・K・ディック 「ハリーポッターと秘密の部屋」J.K.ローリング著 「ザ・リング the ring」主演ナオミ・ワッツ 「アバウト・ア・ボーイ」原作ニック・ホーンディ 「タイムマシン」原作小説H・G・ウェルズ 「GO」脚本:宮藤官九郎 「ロード・オブ・ザ・リング」脚本ピーター・ジャクソン 「ハリー・ポッターと賢者の石」脚本スティーブ・クローブス 「PLANET OF THE APES/猿の惑星」監督ティム・バートン 「陰陽師」脚本福田靖 「ブリジット・ジョーンズの日記」脚本アンドリュー・デイヴィス 「バトル・ロワイヤル」脚本深作健太 「エクソシスト ディレクターズカット」主演リンダ・ブレア 「クロスファイア」脚本山田耕大 「ファイト・クラブ」監督デビット・フィンチャー 「共同警備区域JSA」原作小説パク サンヨン 「ナインスゲート」脚本:ジョン ブラウンジョン 「ハンニバル」脚本デビット・マメット 「ホワイトアウト」原作小説真保裕一 「リプリー」原作パトリシア・ハイスミス 「黒い家」脚本大森寿美男 「ISOLA多重人格少女」脚本水谷俊之 「シン・レッド・ライン」脚本テレンス・マリック 「魔女の宅急便」監督宮崎駿 「リング」脚本高橋洋 「コンタクト」監督:ロバート・ゼメキス 「L.A.コンフィデンシャル」脚本カーティス・ハンソン 「セブン・イヤーズ・イン・チベット」原作小説:ハインリヒ・ハラー 「さらば、わが愛 覇王別姫」監督チェン・カイコー 「バラサイト・イブ」脚本君塚良一 「アポロ13号」監督ロン・ハワード 「マディソン郡の橋」脚本リチャード ラグラベニーズ 「ショーシャンクの空に」脚本フランク・ダラボン 「フォレスト・ガンプ」脚本エリック・ロス 「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」原作小説アン・ライス 「ジュラシック・パーク」原作小説マイケル・クライトン 「シンドラーのリスト」脚本スティーブン・ザイリアン 「イヤー・オブ・ザ・ガン」原作マイケル・ミューショー 「ダンス・ウィズ・ウルブズ」脚本マイケル・ブレイク 「レナードの朝」主演ロビン・ウィリアム 「トータルリコール」原作小説フィリップ・K・ディック 「レッドオクトーバーを追え!」脚本ラリー・ファーガソン 「ワイルド・アット・ハート」脚本デイヴィッド・リンチ 「ミザリー」原作小説スティーブン・キング 「ダイ・ハード」監督ジョン・マクティアナン 「仕立て屋の恋」原作小説ジョルジュ・シムノ 「時をかける少女」脚本剣持亘 「ブレード・ランナー」原作小説フィリップ・K・ディック 「惑星ソラリス」監督アンドレイ・タルコフスキー 「犬神家の一族」原作小説横溝正史 「ゴッドファーザー」監督フランシス・F・コッポラ |
mixi(ミクシー)「独身社会人映画ファンコミュニティ」に入ろう! 「ハウルの動く城」の原作は ダイアナ・ウィン・ジョーンズ著の「魔法使いハウルと火の悪魔」です。 「アブダラと空飛ぶ絨毯―ハウルの動く城〈2〉」は ハウルたちの住むインガリー王国の別の地域を舞台にした 別の登場人物たちのドラマで、全編アラビアンナイト風のファンタジー。 直接、ハウルとソフィーのその後を 描いた話ではなさそうです。 (※最終確認の出来ていない情報です。間違いでしたらお知らせください。) ダイアナ・ウィン・ジョーンズはイギリス作家で、 かの指輪物語のトールキンの講義を 学生時代に受けたことのある正統派英国ファンタジーの売れっ子作家、 という風に翻訳本のあとがきなどに紹介されていますが、 日本ではファンタジー小説ファン以外には、 ハリポタのJ.K.ローリンズなどと比べると、 そうメジャーな存在とはいいがたいです。 ですから“超ヒット小説なので日本テレビや徳間書店が ジプリに映画化企画を持ち込んだ”、 ということではないようです。 宮崎監督は企画俎上に挙げられたすべての作品を直接自分で手にとって読むそうです。 ハウルについても、宮崎監督自身が内容に惚れ込み、 押井守監督作品「イノセンス」などのプロデュースでも知られる ジプリの鈴木プロデューサーに相談しています。 インタビューでは鈴木プロデューサー本人は、 宮崎監督から薦められた原作本を読んで 「すじがきの分かりにくい話だな」と当初あまり良い印象を持てなかったようです。 宮崎監督は、城が動く、という着想と、 魔法で老婆になってしまう主人公が気に入ったようです。 鈴木プロデューサーは念のため映画化権の交渉で 「ものがたりの変更もありうる」と注意書きを入れた上で、 原作者側と契約書をとりかわしています。 原作者と監督の力関係はこれで明らかですね。 トールキンの遺族やローリングの代理人ならこういう妥協は 絶対にしなかったでしょう。 実際、ものがたりは大きく変更されています。 原作のあらすじが理解しにくい、というのは私も感じました。 翻訳ものならではの言葉遣いのなじみにくさもありますが、 ハウルと仇敵・荒地の魔女の対決は、双方の対戦カードが意図的に伏せられており、 設定の謎が読者の前に明らかとなるのはラスト2章です。 ハウルと荒地の魔女はそれぞれ長所短所を抱え込んでいますが、 ものがたりの途中で、… 特に弱点については敵側に情報を漏洩させることは出来ず、 また双方が相手に二重三重に仕掛けた罠についても意図や内容が伏せられています。 脇役の関係も裏表があって、正体はほとんど伏せられたままです。 ファンタジーというよりミステリーだと思って読んだほうが良いでしょう。 いろいろ手札を伏せている分、 ラストのどんでん返しはカタルシスがあり、 決してつまらない小説というわけではないのですから。 不思議なのはこれが児童書として発表されている点です。 児童書の定義にも寄るのですが、 少なくとも中学生以上の読み物だと思いますね。 いずれにせよ、小説世界の文法で書かれているので、 時間の芸術である映画では、連続性のある映像の文法に 組み替えて当然です。 映画の出だしは霧の中からハウルの動く城が、 のそのそ歩いて高原に姿を見せるところから始まります。 それが放牧を行う農夫の姿の向こう側を通過してメインタイトルが登場します。 映画の動く城は四本足の生えた巨大な昆虫のような姿をしていますが、 原作では「四つの煙突を生やした空中の城」とも書かれています。 そのまま解釈すれば、地面すれすれを超低空で移動する 煙突付ラピュタのような姿になりそうです。 そして「ハウルの動く城」のタイトルの後、 帽子屋の仕事場で、売り物の帽子に飾りを縫い付けているソフィーが登場します。 ドアの向こうで店員たちがハウルの城を見つけて窓辺に駆け寄り、 魔法使いハウルの噂話をしています。 「いゃあねぇ」等と言っていますが、特に驚愕している様子はありません。 この世界では魔法使いは珍しい存在ではないのです。 ソフィーは特段、興味をひかれた風でもなく、 お祭りに出かけていく娘たちを「仕事がまだ残っているから」と 見送ります。 ひとあし遅れてソフィーも店を出るのですが、 これだけのシーンでは彼女はお針子さんのようにも見えます。 本当は彼女は帽子屋の跡取り娘なのですが。 原作の第一章はハッター家の全体の紹介から始まっています。 ソフィーは帽子屋の三姉妹の長女として生れました。 学校へ行き、妹たちの世話をする日々でしたが、 インガリー国では荒地の魔女 が宮廷魔術師のサリマンを倒してしまい、 頼みの王様の弟ジャスティン王子も逃出す始末。 そんなところ、ソフィーの父、ハッター氏が急死しました。 残された継母ファニーは、次女のレティーをパン屋の見習いに、 三女のマーサを知合いの魔法使いの弟子に、 ソフィーを帽子屋の跡取りとし、三姉妹は別れ別れになりました。 がやがや町には動く城が現れ始め、 誰もが荒地の魔女の侵略だと思っていましたが、 どうやら魔法使いハウルの城のようです。 ハウルは若い娘たちの心臓を食らう残酷な魔法使いだとの 噂でした。 ソフィーは帽子屋として腕を上げていきましたが、 次第に帽子以外の話相手がいなくなりました。 春になると、帽子の売行きはよくなり大忙しとなりました。 ソフィーは夜遅くまで帽子を仕上げる日が続き、 ある時鏡を見て、オールドミスのような自分の姿にがっかりしています。 五月祭の日、 ソフィーは決心をしてレティーに会いに行くことにしました。 しかし、町の雑踏にさえ怯える始末、 若者(実はハウル)にナンパされかかり、 慌ててレティーのパン屋に逃込みました。 レティー持前の美貌がすでに大人気で、パン屋は大繁盛でした。 しかし、レティーと思って話すと、 「驚かないでね、わたし、マーサよ」 魔法使いに弟子入したはずのマーサが答えました。 インガリー王国、がやがや町といった名称は原作の中に出てくるだけで、 映画で呼称はありません。 後ろの場面でソフィーが空からがやがや町を見下ろすのですが、 単に私の住んでいた町、とだけ呼んでいます。 ジャスティン王子は映画には登場せず、 荒地の魔女にまわる説明もずっと後です。 五月祭の町は人出で賑わっているのは原作も一緒ですが、 映画では軍人のパレードが登場し、 季節の祭りでなくて戦争にまつわる式典の日のように見えます。 原作ではソフィーはいきなりハウルにナンパされますが、 映画でははじめに声をかけたのは軍人のふたり組みで、 ハウルは絡まれているソフィーを助けるように登場します。 が彼は荒地の魔女の使い魔のゴム人間たちに追われており、 「すまない、君を巻き込んでしまったようだ」と 手に手を取って空を飛んで逃げます。 もちろんソフィーは大口開けて驚きますが、 広場の人ごみの頭上を闊歩するように飛ぶふたりに、 メインテーマ曲が被さり、どこか空中ダンスのような軽やな演出がされています。 ここは恋の予感と冒険のはじまりを印象付ける場面となっています。 ハウルはソフィーをパン屋の2階の廊下に下ろし、 「奴らをまくから、しばらくしたら降りなさい」と忠告して 爽やかな笑顔とともに飛び去ります。
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