「ハリー・ポッターと賢者の石/児童ファンタジー脚本の書き方」
原作小説と映画脚本比較により脚本の書き方・成り立ちを探ります。ハリウッド脚本の極意、世界名作の秘密に迫ります。全体に「ねたばれ」の要素がありますので、要注意。

「ハリーポッターと賢者の石」原作小説 原作小説
「ハリー・ポッターと賢者の石」
   静山社  J.K.ローリング 著 
         松岡祐子 訳 
         1999年刊
         (英国での刊行は1997年)

    
「ハリーポッターと賢者の石」映画チラシ アメリカ映画 2001年 2時間32分
   公式サイトhttp://harrypotter.jp.warnerbros.com/
   監督:クリス・コロンバス
   脚本:スティーブ・クローブス
   (「ワンダー・ボーイズ」 監督作品「恋の行方/ファピュラス・ベイカー・ボーイズ」)
   出演者:ダニエル・ラドクリフ エマ・ワトソン ルパート・グリント
  本作原作小説
  本作映画チラシ





■脚本の書き方■
原作小説と映画脚本比較レビュー・インディスク


「ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛」原作=C.S.ルイス
「ジャンパー」原作=スティーブン・グールド
「ライラの冒険 黄金の羅針盤」原作=フィリップ・プルマン

「陰日向に咲く」原作=劇団ひとり
「ミッドナイトイーグル」原作=高嶋哲夫
「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」原作=J・K・ローリング

「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」原作=リリー・フランキー
「墨攻」原作=酒見賢一
「暗いところで待ち合わせ」原作=乙一
「プラダを着た悪魔」
原作=ローレン・ワイズバーガー
「夜のピクニック」原作=恩田陸
「ゲド戦記」原作ル=グウィン
「ダ・ヴィンチ・コード」原作ダン・ブラウン
「ナルニア国物語/第1章ライオンと魔女」原作C・S・ルイス
「博士の愛した数式」原作小川洋子
「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」原作J.K.ローリング
「亡国のイージス」原作福井晴敏
「宇宙戦争」原作H.G.ウェルズ
「四日間の奇蹟」原作浅倉卓弥
「アビエイター」原作ジョン・キーツ
「オペラ座の怪人」原作ガストン・ルルー
「ハウルの動く城」原作ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「ターンレフト・ターンライト」主演:金城武
「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」 主演:ダニエル・ラドクリフ
「下妻物語」原作嶽本野ばら
「世界の中心で、愛を叫ぶ」原作片山恭一
「ジョゼと虎と魚たち」原作田辺聖子
「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」
原作J.R.R.トールキン

「アイデン&ティティ」
原作みうらじゅん

「精霊流し」
原作さだまさし

「マッチスティック・メン」
監督リドリー・スコット
「コンフェッション」
原作チャック・バリス
「ソラリス」
監督スティーブン・ソダーバーグ
「魔界転生」
原作山田風太郎
「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」
原作フランク・w・アバグネイル
「ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔」
原作J.R.R.トールキン
「黄泉がえり」
原作梶尾真治
「レッドドラゴン」
原作トマス・ハリス
「マイノリティ・リポート」
原作F・K・ディック
「ハリーポッターと秘密の部屋」
J.K.ローリング著
「ザ・リング the ring」
主演ナオミ・ワッツ
「アバウト・ア・ボーイ」
原作ニック・ホーンディ
「タイムマシン」
原作小説H・G・ウェルズ

「GO」
脚本:宮藤官九郎
「ロード・オブ・ザ・リング」脚本ピーター・ジャクソン
「ハリー・ポッターと賢者の石」
脚本スティーブ・クローブス
「PLANET OF THE APES/猿の惑星」

監督ティム・バートン

「陰陽師」
脚本福田靖
「ブリジット・ジョーンズの日記」

脚本アンドリュー・デイヴィス

「バトル・ロワイヤル」

脚本深作健太

「クロスファイア」
脚本山田耕大
「ファイト・クラブ」
監督デビット・フィンチャー
「共同警備区域JSA」
原作小説パク サンヨン
「ナインスゲート」
脚本:ジョン ブラウンジョン
「ハンニバル」
脚本デビット・マメット
「ホワイトアウト」
原作小説真保裕一
「リプリー」
原作パトリシア・ハイスミス
「黒い家」
脚本大森寿美男
「ISOLA多重人格少女」
脚本水谷俊之
「シン・レッド・ライン」
脚本テレンス・マリック
「魔女の宅急便」
監督宮崎駿
「リング」
脚本高橋洋
「コンタクト」
監督:ロバート・ゼメキス
「L.A.コンフィデンシャル」
脚本カーティス・ハンソン
「セブン・イヤーズ・イン・チベット」
原作小説:ハインリヒ・ハラー
「さらば、わが愛 覇王別姫」
監督チェン・カイコー
「バラサイト・イブ」
脚本君塚良一
「アポロ13号」
監督ロン・ハワード
「マディソン郡の橋」
脚本リチャード ラグラベニーズ
「ショーシャンクの空に」
脚本フランク・ダラボン
「フォレスト・ガンプ」
脚本エリック・ロス
「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」
原作小説アン・ライス
「ジュラシック・パーク」
原作小説マイケル・クライトン
「シンドラーのリスト」
脚本スティーブン・ザイリアン
「イヤー・オブ・ザ・ガン」
原作マイケル・ミューショー
「ダンス・ウィズ・ウルブズ」脚本マイケル・ブレイク
「レナードの朝」
主演ロビン・ウィリアム
「トータルリコール」
原作小説フィリップ・K・ディック
「レッドオクトーバーを追え!」
脚本ラリー・ファーガソン
「ワイルド・アット・ハート」
脚本デイヴィッド・リンチ
「ミザリー」
原作小説スティーブン・キング
「ダイ・ハード」
監督ジョン・マクティアナン
「仕立て屋の恋」
原作小説ジョルジュ・シムノ
「時をかける少女」
脚本剣持亘
「ブレード・ランナー」
原作小説フィリップ・K・ディック
「惑星ソラリス」
監督アンドレイ・タルコフスキー
「犬神家の一族」
原作小説横溝正史
「ゴッドファーザー」

監督フランシス・F・コッポラ


mixi(ミクシー)「独身社会人映画ファンコミュニティ」に入ろう!

泣く子も黙る世界百四十カ国で出版、一億部を売ったとも言う驚愕ベストセラー「はりぽた」です。
私は先に原作読んでから映画見ました。原作ファン寄りのレビューになっている筈です。

原作「ハリー・ポッターと賢者の石」は、ハリーの叔父、ダーズリー氏の登場から始まっています。
映画ではダーズリー家はそっくり同じデザインの家の並ぶ宅地の一軒です。
職業は特に触れられませんが、
画面から伺える生活のレベルからすると普通のサラリーマンでしょうか。
原作では穴開けドリルの製造会社社長、
中小企業の社長さんでちょっと小金持ち風。
ずんぐりとした体型に口ひげ、横暴な性格は共通。
時代は現代、イギリスのとある地方都市、ブリペット通りにある日、
奇妙なマント集団が現れ、フクロウが飛び交い、流れ星が振りまくる、
という怪異が発生します。
映画はその晩、
ブリペット通りにダンブルドア校長(リチャード・ハリス「グラディエーター」の皇帝役。「許されざるもの」)が、アクゴナガル先生(マギー・スミス「ミス・ブロンディの青春」「カリフォルニア・スイート」女性ナイトの称号を持つ)と共に姿を現すところから始まります。
その日、魔法使い達の世界に何か重大事件が発生したらしいことが2人の会話から伺われます。
吉事のようですが、映画ではこの会話はありません。
ダーズリー家の人たちについて、
里親として適当かどうかを議論しています。
空飛ぶオートバイにのって現れたハグリッド(ロビー・コルトレイーン「ゴールデン・アイ」)が赤ん坊とともに到着し、2人の先生の判断でダーズリー家の玄関に手紙を添えて置き去りにされます。
赤ん坊、ハリー・ポッターの額には稲妻形の傷跡が。
ここでメーンタイトル、「ハリーポッターと賢者の石」。

話は11年後に飛びます。
ダーズリー家のバカ息子、ダドリーの誕生日、一家は動物園に出かけていきます。
ハリーは階段下の物置が部屋としてあてがわれています。
朝食の場面では彼が家族のベーコンを焼いています。
冷遇されている様子は、
映画の原作も同じなのですが、
映画ではあまり正面に出てきませんが、
ハリーはダドリーに連日いじめられています。

大ニシキ蛇のガラス張りの飼育小屋の前で、
ハリーは蛇に語りかけると、蛇がウインクをすると言うくだりが出てきます。
ハリーは独り言を言い、蛇が返事をしたように感じた、
というのが原作の描写だと思うのですが、
映画では蛇の反応にハリーは明確に驚いています。
ガラスが消えて蛇は小屋から逃げ出すのですが、
映画では、ガラスが消えた途端にダドリーが飼育小屋の中の池に落ちるというおまけ付きです。
よく見れば、ハリーが無意識に魔法を使っている様子が分かります。

ハリーとダドリーは進学の時期が迫っていて、
ダドリーは私立の名門校へ、ハリーは地元の公立学校へ進学が決まって、
ダーズリー家ではその準備が着々と進んでいます。
映画はその辺は飛ばして、
ハリー宛ての手紙が届く場面に繋がります。
原作では宛先が「階段下の物置内 ハリーポッター様」となっていることに
ダーズリー夫妻は驚き、暮らしを監視している奴がいると警戒し、
慌ててハリーの部屋をダドリーの2番目の部屋に代えますが、
映画ではむしろ夫婦は、差出人が「ホグワーツ」となっていることに驚いているようです。
ダーズリー氏(リチャード・グリフィス「スリーピィホロウ」)は、手紙をハリーに渡そうとはしません。
手紙が毎日届き、その数はどんどん増えていきます。
ダーズリー氏は手紙を焼き、郵便ポストを釘で打ち付けてしまいますが、
暖炉から数百という手紙が雨あられと吹き出し、
一家はハリーを連れて逃げ出します。
原作では船で海の上にまで逃げ、映画では灯台小屋に逃げてます。
時計が午前0時を告げ、毛むくじゃらの大男、ハクリッドが現れます。
ハクリッドはハリーが有名な魔法使いポッター夫婦の息子で、
ホグワーツ魔法魔術学校から入学許可証が届いていると告げます。
両親は交通事故で死んだと聞かされていたとハリーは叫びます。
「知っていたの、おじさん?」「知っていましたとも」
と答えたのは、叔母ペチュニア(フィオナ・ショー「マイ・レフト・フット」)。魔女の素質のあった姉にホグワーツから入学許可証が届き、
両親は大喜びして送り出したこと。
学校でポッターと知り合い結婚し、ハリーが生まれたこと。
ある日2人が「吹っ飛んで」しまい、子供を押しつけられたと告白する。
「手紙が来る前から、姉さんは化け物だ、と云うことはと判っていた」といいます。
映画と原作では姉と妹が入れ替わっています。
どうも映画では、親に期待されなかった妹の妬みが感じられます。
原作では、この場でハグリッドの口からポッター夫婦が、
悪の大魔法使いヴェルテモートに殺害された事が開かされていますが、
映画では、ハリーとハグリッドがダイアゴン横町で旅支度を調えている途中、
パブのテーブルで2人だけの対話の中で語られています。
重要な内容なので、場を替えた後の情報提供の方が適切です。

ハグリッドは、魔法を使うときピンクの古い傘を魔法の杖代わり使っています。
映画では特に説明はないのですが、
原作では、この部分で彼もかつてホグワーツの学生で、
問題を起こして杖を折られ、退学処分になっていることがハグリッド自身によって語られています。
その後、ダンブルドア校長に拾われて、「ホグワーツの森の番人」を勤めています。
学校の敷地内を管理する用務員さんのような役回りと見受けられます。
ハリーに退学理由を尋ねられますが、ごまかして答えません。
「賢者の石」以降のシリーズで何があったかは明らかになるでしょう。

ポッター夫婦への侮辱に腹を立てたハグリッドは、
魔法でダドリーの尻に豚のしっぽをはやしてしまいます。

翌日、入学に必要な制服や教科書等を手にいるためハリーとハグリッドは
ロンドンに向かいます。
街の片隅にあるパブ「漏れ鍋」という魔法使い達のたまり場から、
魔法使い達専門の繁華街ダイアゴン横町への抜け道がある。
通り抜けようとした2人に、バーテンダー他の客達は、
「あのハリーポッターが来た」と熱烈歓迎します。
握手を求める客達の中にターバン姿のクィレル先生(イアン・ハート「ひかりのまち」)の姿もある。

ダイアゴン横町の買い物のくだりは、
自分がライターなら、飛ばしてしまうところだ。
杖と貸金庫のくだりは、重要な伏線には違いないが、後フォローの効く部分ではある。
が、この章を丸ごと飛ばしてしまうと、学園以外の魔法使いの世界が
全く登場しないことになってしまう。
単にドラマのつなぎを円滑にするかどうかだけでなく、
小説の持つ世界観全体を映画の中でどう表現するかにおいて、
残された部分だと解釈するのが妥当であろう。

買い物用の資金調達に2人はゴブリン達の経営するグリンゴッツ魔法銀行で
ポッター夫婦の遺産の一部をおろし、
ハグリッドはダンブルドア校長の言いつけて貸金庫から小袋を取り出している。
ハグリッドは、他に用事があるからとハリーと別れる。
原作では銀行のトロッコで乗り物酔いを起こし、パブ「漏れ鍋」に戻って、
強壮剤を飲んでいるのだが、
映画ではハリーのバースデープレゼントを買いに行っている。
単独行動になったハリーは、
原作では制服の購入先の洋品店で、
後にライバルとなる新入生ドラコ・マルフォイと顔を合わせているが、
映画では1人で魔法の杖を購入している。
店主オリバンダーには、名優ジョン・ハート(「ミッドナイト・エキスプレス」「エレファントマン」「ロブ・ロイ」「コレリ大尉のマンドリン」)が扮している。
ワンシーンのみのゲスト出演かと思ったら、
ノンクレジットですが、ヴェルテモートを演じています。
(私の思い違いでしたら、皆さんご指摘下さい。)
ハリーが手に入れた魔法の杖は、ヴェルテモートの杖と同じ柊の木と不死鳥の羽から作られたもので、ハリーの額の稲妻形の傷跡もその杖を使ってかけられた呪いのしるしであるとオリバンダーは語っています。

ハクリッドは白フクロウの入った鳥かごをバースデープレゼントとして
ハリーに手渡しています。
この「賢者の石」では大した出番はないのですが、
生徒達は大半がなにがしかの小動物を連れて入学しています。
ただのペットでは無しに、小動物達は魔法使いの使い魔として使われるのです。
パブでハリーはハグリッドの口から
ヴェルテモートの悪行を聞かされます。
大勢の魔法使い達が殺されポッター夫婦も殺害されますが、
赤ん坊ハリーの殺害には失敗し、そのまま失踪しています。
ヴェルテモートの死亡説も流布されていますが、
ハリーが未知の力を発揮し、一般にはヴェルテモートを撃退したと信じられており、故にハリーは魔法界一の有名人なのです。

キングズ・クロス駅の9と4分の3のホームから、
「ホグワーツ」行き特急が出ると教えられ切符を渡されますが、
ハグリッドは姿を消し、ハリーは駅の構内をうろうろ。
人間の駅員は、9番線の隣は10番線だととりあってくれません。

ウィーズナリー母子が通りかかり、
荷物を手で押した子供達が9番線と10番線の間の柱に、
次々と姿を消す様子を見て、ハリーは母親(ジュリー・ウォルターズ「リトル・ダンサー」のバレエ教師役で有名)に声を掛け、
そこがまさしくホームの入口である事を教えられます。
カートを手で押し柱に向かって走り込むと、
景色が一変し蒸気機関車の待つホームが現れます。
機関車は一路、「ホグワーツ」へ。
車両のコンパートメント(個室)でのちの親友となるロン・ウィズナリー(ルパート・グリント)と同席します。
友人ネビルの使い魔のヒキガエルを探しに少女ハーマイオニー(エマ・ワトソン)が初登場します。


この続きの原作比較レビューは
まぐまぐプレミアム「映画VS原作本 映画脚本のヒ・ミ・ツ」で発表します。

サイトの維持、コンテンツの充実にご理解、ご協力をお願いいたします。
講読お申し込みはまず、まぐまぐプレミアムで
会員登録(http://premium.mag2.com/begin.html)をしてから、マガジンの購読を申し込んでください。購読は下記をクリック。



トップページ(小説と脚本の比較レビュー)に戻る