「空気人形/コミックファンタジー映画脚本の書き方」
原作小説と映画脚本比較により脚本の書き方・成り立ちを探ります。ハリウッド脚本の極意、世界名作の秘密に迫ります。全体に「ねたばれ」の要素がありますので、要注意。

「ゴーダ哲学堂」表紙 ■原作小説
「ゴーダ哲学堂」
2007年 竹書房文庫
業田良家 著

※ 映画のエンドタイトルロールでクレジットされている
原作「ゴーダ哲学堂 空気人形」(小学館ビックコミックスペシャル刊)
は、「ゴーダ哲学堂」の第一話から十話、十三話を収録し、
残る第十一話、十二話、十四話から二十四話は
「ゴーダ哲学堂 悲劇排除システム」に収録されている。
この原作比較は、上記二巻を定本に全話を発表順に再編集した
竹書房文庫版を基にしている。

    
「空気人形」映画チラシ ■映画作品基礎データ
「空気人形」
2009年 日本映画
脚本・編集・監督:是枝裕和
撮影監督:リー・ピンビン
美術監督:種田陽平
美術:金子宙生
衣裳デザイン:伊藤佐智子
ヘアメイクデザイン::勇見勝彦
人形造型:原口智生
操演:根岸泉
視覚効果:松本肇
出演:ペ・ドゥナ
本作原作文庫
  本作映画チラシ





■脚本の書き方■
原作小説と映画脚本比較レビュー・インディスク

「TAJOMARU」

「南極料理人」

「ハリー・ポッターと謎のプリンス」

「天使と悪魔」

「ジェネラル・ルージュの凱旋」

「地球が静止する日」

「デス・レース」

「ホームレス中学生」

「容疑者Xの献身」

「パコと魔法の絵本」

「西の魔女が死んだ」

「ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛」原作=C.S.ルイス
「ライラの冒険 黄金の羅針盤原作=フィリップ・プルマン

「陰日向に咲く」原作=劇団ひとり
「ミッドナイトイーグル」原作=高嶋哲夫
「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」原作=J・K・ローリング

「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」原作=リリー・フランキー
「墨攻」原作=酒見賢一
「暗いところで待ち合わせ」原作=乙一
「プラダを着た悪魔」
原作=ローレン・ワイズバーガー
「夜のピクニック」原作=恩田陸
「ゲド戦記」原作ル=グウィン
「ダ・ヴィンチ・コード」原作ダン・ブラウン
「ナルニア国物語/第1章ライオンと魔女」原作C・S・ルイス
「博士の愛した数式」原作小川洋子
「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」原作J.K.ローリング
「亡国のイージス」原作福井晴敏
「宇宙戦争」原作H.G.ウェルズ
「四日間の奇蹟」原作浅倉卓弥
「アビエイター」原作ジョン・キーツ
「オペラ座の怪人」原作ガストン・ルルー
「ハウルの動く城」原作ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「ターンレフト・ターンライト」主演:金城武
「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」 主演:ダニエル・ラドクリフ
「下妻物語」原作嶽本野ばら
「世界の中心で、愛を叫ぶ」原作片山恭一
「ジョゼと虎と魚たち」原作田辺聖子
「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」原作J.R.R.トールキン
「アイデン&ティティ」原作みうらじゅん
「精霊流し」原作さだまさし
「マッチスティック・メン」監督リドリー・スコット
「コンフェッション」原作チャック・バリス
「ソラリス」監督スティーブン・ソダーバーグ
「魔界転生」原作山田風太郎
「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」原作フランク・w・アバグネイル
「ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔」原作J.R.R.トールキン
「黄泉がえり」原作梶尾真治
「レッドドラゴン」原作トマス・ハリス
「マイノリティ・リポート」原作F・K・ディック
「ハリーポッターと秘密の部屋」J.K.ローリング著
「ザ・リング the ring」主演ナオミ・ワッツ
「アバウト・ア・ボーイ」原作ニック・ホーンディ
「タイムマシン」原作小説H・G・ウェルズ
「GO」脚本:宮藤官九郎
「ロード・オブ・ザ・リング」脚本ピーター・ジャクソン
「ハリー・ポッターと賢者の石」脚本スティーブ・クローブス
「PLANET OF THE APES/猿の惑星」監督ティム・バートン
「陰陽師」脚本福田靖
「ブリジット・ジョーンズの日記」脚本アンドリュー・デイヴィス
「バトル・ロワイヤル」脚本深作健太
「エクソシスト ディレクターズカット」主演リンダ・ブレア
「クロスファイア」脚本山田耕大
「ファイト・クラブ」監督デビット・フィンチャー
「共同警備区域JSA」原作小説パク サンヨン
「ナインスゲート」脚本:ジョン ブラウンジョン
「ハンニバル」脚本デビット・マメット
「ホワイトアウト」原作小説真保裕一
「リプリー」原作パトリシア・ハイスミス
「黒い家」脚本大森寿美男
「ISOLA多重人格少女」脚本水谷俊之
「シン・レッド・ライン」脚本テレンス・マリック
「魔女の宅急便」監督宮崎駿
「リング」脚本高橋洋
「コンタクト」監督:ロバート・ゼメキス
「L.A.コンフィデンシャル」脚本カーティス・ハンソン
「セブン・イヤーズ・イン・チベット」原作小説:ハインリヒ・ハラー
「さらば、わが愛 覇王別姫」監督チェン・カイコー
「バラサイト・イブ」脚本君塚良一
「アポロ13号」監督ロン・ハワード
「マディソン郡の橋」脚本リチャード ラグラベニーズ
「ショーシャンクの空に」脚本フランク・ダラボン
「フォレスト・ガンプ」脚本エリック・ロス
「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」原作小説アン・ライス
「ジュラシック・パーク」原作小説マイケル・クライトン
「シンドラーのリスト」脚本スティーブン・ザイリアン
「イヤー・オブ・ザ・ガン」原作マイケル・ミューショー
「ダンス・ウィズ・ウルブズ」脚本マイケル・ブレイク
「レナードの朝」主演ロビン・ウィリアム
「トータルリコール」原作小説フィリップ・K・ディック
「レッドオクトーバーを追え!」脚本ラリー・ファーガソン
「ワイルド・アット・ハート」脚本デイヴィッド・リンチ
「ミザリー」原作小説スティーブン・キング
「ダイ・ハード」監督ジョン・マクティアナン
「仕立て屋の恋」原作小説ジョルジュ・シムノ
「時をかける少女」脚本剣持亘
「ブレード・ランナー」原作小説フィリップ・K・ディック
「惑星ソラリス」監督アンドレイ・タルコフスキー
「犬神家の一族」原作小説横溝正史
「ゴッドファーザー」監督フランシス・F・コッポラ

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『誰も知らない』『歩いても 歩いても』是枝裕和監督が9年間温めた最新作です。
主人公・空気人形を演じるのは、『リンダ リンダ リンダ』で
女子高生バンドのボーカル役を好演する等、
国境を越えて活躍中の韓国の人気実力派女優 ペ・ドゥナ。
撮影を、候孝賢や王家衛の作品で独特の世界観を映し出してきた国際派カメラマン 
リー・ピンビンが担当。
原作は「自虐の唄」のゴーダ良家こと業田良家の短編集「ゴーダ哲学堂」
の一編「空気人形」です。

それでははじめましょう。


┏┓
┗■  目覚めの朝
 └────────────────────────────────


川沿いの寂しげで小さな町。
古びたアパートで〃持ち主”である秀雄(板尾創路)と
暮らす空気人形(ペ・ドゥナ)は、型遅れで安物の「代用品」。

ファミリーレストランで働く秀雄は、食事は2人分用意し、
夜になると人形と一緒に風呂に入り、
ベッドでプラネタリウムを見ながら語りかけ、セックスをする。
秀雄はダッチワイフに昔の恋人“のぞみ”の名を付けて、
都会の片隅でささやかに暮らしている。

ある朝、出勤の身支度をする秀雄の傍らで、人形は一度だけ瞬きをした。

秀雄が出かけると、半透明の身体に日差しを受けて、ゆっくりと立ち目がり、
少しずつ窓際へと向かう。

アパートの軒から垂れる雫に指先で触れると
「キ……レ……イ…」と咳いた。

初めて見る外の世界は美しく、朝の眩しい日差しを浴びて人形に笑みがこぼれる。

誰もいない部屋でクローゼットを開け鏡に映る自分の姿を不思議そうに見ながら、
秀雄が買ってくれた洋服を次々に着てみる。
セーラー服、ナース服…。

メイド服を着て、おぼつかない足取りで町にでた空気人形は、
いろいろな人に出会っていく。

戻らぬ母親の帰りを待つ小学生・萌(奈良木美羽)とその父親・真治(丸山智己)。

ニュ−スで見る事件を全て自分が犯人だと交番に名乗り出ては諭される未亡人・千代子
(富司純子)。

毎日毎日、千代子の相手をしている交番のおまわりさん・轟(寺島進)。

フラフラと町にでては、大量の食糧を買い込む過食症のOL・美紀(星野真理)。

老いを受け入れられず、執勧に若さを求め続ける会社受付嬢・佳子(余貴美子)。

迫りくる死の訪れを感じている、元高校国語教師の敬一(高橋昌也)は、
公園のベンチで、川向こうの高層マンションを見詰めている。

そんな皆どこか心に空虚を持つ、東京の住人たち。

その日、人形が最後に出会ったのは、
レンタルビデオ店で働く純一(ARATA)だった。

カウンター越しに目が合う二人。

人形の瞳に、お店の灯りが反射してキラキラと輝く。

純一の背後には、「アルバイト募集」と書かれた紙が揺れている。

レンタルビデオ店でアルバイトを始めた空気人形は、
純一の心の中にどこか自分と同じ空虚感を感じつつ、日に日に惹かれていく。

店長の鮫洲(岩松了)は、リストラざれ家族から見放された寂しい中年男だが、
憎めない人柄。

常連客の浪人生・透(柄本佑)は、
DVDを探すふりをしてメイド服姿の人形を目で追っている。

普通に見えて、
どこか空っぽな人間たちがここにも集まっていた。


☆==☆


原作はコミックで僅か20ページの短編です。

映画のような目覚め、−あるいは覚醒のシーンはなく、
アパートの玄関が開いて、
上着を着て、手提げを肩から下げた空気人形が、
出勤していく姿が扉絵になって「空気人形」というタイトルが出ます。

ページをめくると、少し時間が戻って
部屋の中で
全裸の空気人形が空気入れを使って、自分の身体に空気を入れている姿に
セリフが被ります。

「毎日自分をふくらませている。
少しずつ空気が抜けていくから。
毎日、自分を膨らませている」

そして彼女は下着を身につけ、身支度をして部屋を出るのですが、
その下着姿にまたセリフが被り
「私は殿方を悦ばせる空気人形。
性欲処理の空気人形です」
と何者であるかが分かります。…


この続きの原作比較レビューは
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