「ロード・オブ・ザ・リング/ファンタジー脚本の書き方」
原作小説と映画脚本比較により脚本の書き方・成り立ちを探ります。ハリウッド脚本の極意、世界名作の秘密に迫ります。全体に「ねたばれ」の要素がありますので、要注意。

「指輪物語1 旅の仲間 上の1」文庫表紙 原作小説 新版「指輪物語1」旅の仲間 上の1
       〜「指輪物語4」旅の仲間 下の2
   評論社文庫  J.R.R.トールキン 著 
            瀬田貞二 田中朋子 訳 
            1992年刊
            (英国での刊行は1941年)

    
「ロード・オブ・ザ・リング」映画チラシ アメリカ映画「ロード・オブ・ザ・リング」
 2001年 2時間58分
   公式サイトhttp://www.lotr.jp/
   監督:ピーター・ジャクソン
   脚本:ピーター・ジャクソン フラン・ウォルシュ
      (「乙女の祈り」)
   出演者:イライジャ・ウッド イアン・マッケラン
 
  本作原作文庫
  本作映画チラシ





■脚本の書き方■
原作小説と映画脚本比較レビュー・インディスク


「ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛」原作=C.S.ルイス
「ジャンパー」原作=スティーブン・グールド
「ライラの冒険 黄金の羅針盤」原作=フィリップ・プルマン

「陰日向に咲く」原作=劇団ひとり
「ミッドナイトイーグル」原作=高嶋哲夫
「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」原作=J・K・ローリング

「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」原作=リリー・フランキー
「墨攻」原作=酒見賢一
「暗いところで待ち合わせ」原作=乙一
「プラダを着た悪魔」
原作=ローレン・ワイズバーガー
「夜のピクニック」原作=恩田陸
「ゲド戦記」原作ル=グウィン
「ダ・ヴィンチ・コード」原作ダン・ブラウン
「ナルニア国物語/第1章ライオンと魔女」原作C・S・ルイス
「博士の愛した数式」原作小川洋子
「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」
原作J.K.ローリング
「亡国のイージス」原作福井晴敏
「宇宙戦争」原作H.G.ウェルズ
「四日間の奇蹟」原作浅倉卓弥
「アビエイター」原作ジョン・キーツ
「オペラ座の怪人」原作ガストン・ルルー
「ハウルの動く城」原作ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「ターンレフト・ターンライト」主演:金城武
「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」 主演:ダニエル・ラドクリフ
「下妻物語」原作嶽本野ばら
「世界の中心で、愛を叫ぶ」原作片山恭一
「ジョゼと虎と魚たち」原作田辺聖子
「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」
原作J.R.R.トールキン

「アイデン&ティティ」
原作みうらじゅん

「精霊流し」
原作さだまさし

「マッチスティック・メン」
監督リドリー・スコット
「コンフェッション」
原作チャック・バリス
「ソラリス」
監督スティーブン・ソダーバーグ
「魔界転生」
原作山田風太郎
「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」
原作フランク・w・アバグネイル
「ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔」
原作J.R.R.トールキン
「黄泉がえり」
原作梶尾真治
「レッドドラゴン」
原作トマス・ハリス
「マイノリティ・リポート」
原作F・K・ディック
「ハリーポッターと秘密の部屋」
J.K.ローリング著
「ザ・リング the ring」
主演ナオミ・ワッツ
「アバウト・ア・ボーイ」
原作ニック・ホーンディ
「タイムマシン」
原作小説H・G・ウェルズ

「GO」
脚本:宮藤官九郎
「ロード・オブ・ザ・リング」脚本ピーター・ジャクソン
「ハリー・ポッターと賢者の石」
脚本スティーブ・クローブス
「PLANET OF THE APES/猿の惑星」

監督ティム・バートン

「陰陽師」
脚本福田靖
「ブリジット・ジョーンズの日記」

脚本アンドリュー・デイヴィス

「バトル・ロワイヤル」

脚本深作健太

「クロスファイア」
脚本山田耕大
「ファイト・クラブ」
監督デビット・フィンチャー
「共同警備区域JSA」
原作小説パク サンヨン
「ナインスゲート」
脚本:ジョン ブラウンジョン
「ハンニバル」
脚本デビット・マメット
「ホワイトアウト」
原作小説真保裕一
「リプリー」
原作パトリシア・ハイスミス
「黒い家」
脚本大森寿美男
「ISOLA多重人格少女」
脚本水谷俊之
「シン・レッド・ライン」
脚本テレンス・マリック
「魔女の宅急便」
監督宮崎駿
「リング」
脚本高橋洋
「コンタクト」
監督:ロバート・ゼメキス
「L.A.コンフィデンシャル」
脚本カーティス・ハンソン
「セブン・イヤーズ・イン・チベット」
原作小説:ハインリヒ・ハラー
「さらば、わが愛 覇王別姫」
監督チェン・カイコー
「バラサイト・イブ」
脚本君塚良一
「アポロ13号」
監督ロン・ハワード
「マディソン郡の橋」
脚本リチャード ラグラベニーズ
「ショーシャンクの空に」
脚本フランク・ダラボン
「フォレスト・ガンプ」
脚本エリック・ロス
「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」
原作小説アン・ライス
「ジュラシック・パーク」
原作小説マイケル・クライトン
「シンドラーのリスト」
脚本スティーブン・ザイリアン
「イヤー・オブ・ザ・ガン」
原作マイケル・ミューショー
「ダンス・ウィズ・ウルブズ」脚本マイケル・ブレイク
「レナードの朝」
主演ロビン・ウィリアム
「トータルリコール」
原作小説フィリップ・K・ディック
「レッドオクトーバーを追え!」
脚本ラリー・ファーガソン
「ワイルド・アット・ハート」
脚本デイヴィッド・リンチ
「ミザリー」
原作小説スティーブン・キング
「ダイ・ハード」
監督ジョン・マクティアナン
「仕立て屋の恋」
原作小説ジョルジュ・シムノ
「時をかける少女」
脚本剣持亘
「ブレード・ランナー」
原作小説フィリップ・K・ディック
「惑星ソラリス」
監督アンドレイ・タルコフスキー
「犬神家の一族」
原作小説横溝正史
「ゴッドファーザー」

監督フランシス・F・コッポラ


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「ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔」原作比較レビュー
「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」原作比較レビュー

映画「ロード・オブ・ザ・リング」にはいろいろなバージョンのDVDや
さまざまな解説本などがでていますが、
ここでは本邦初公開時の劇場公開版と92年刊の文庫原作(追補編除く)を
比較しています。
双方に無い追加情報補足情報等についてはこのコンテンツには含まれません。
あらかじめご了承願います。

「指輪物語」文庫版第1巻「旅の仲間達」上の1は、
小人のホビット族の民族学的な解説から始まり、
映画「ロード・オブ・ザ・リング」は指輪の来歴から始まります。

原作のホビット族の解説というのが曲者で、
これは本編の始まる前の序章として出てくるのですが、
その最後にビルボが指輪を手にしたいきさつに関する部分が、
しっかりでてきます。

映画「ロード・オブ・ザ・リング」は冥王サウロンがすべてを統べる指輪を自らが手にしたというくだりからはじまります。
指輪達はエルフの高名な鍛冶師によって作られたのですが、
サウロンは鍛冶師を騙してその鋳造技術をもとに、
密かに自分用の指輪を作っていました。
サウロンは、何も知らずに指輪を受け取った三人のエルフの王、七人のドワーフの王、九人の人間の王を
指輪の力によって奴隷とすべく陰謀をめぐらせました。
実際にはエルフの王達は指輪を隠し厄災を逃れましたが、九人の人間の王は怨霊のような哀れな姿となって、
サウロンの手下に成り果てます。
サウロン軍と人間、エルフの連合軍の対戦は原作の1巻目には出てきません。
ビルボ(イアン・ホルム「フロム・ヘル」)が洞穴で ゴクリ(アンディ・サーキス)から指輪を巻き上げるところから原作は始まります。
映画はビルボが指輪を手に入れた場面が直接出てこず、
あとでガンダルフがなぞなぞでビルボが手に入れたということを間接的に説明しています。

原作の第1章はビルボの111才の誕生祝いの宴会から始まります。
ガンダルフ(イアン・マッケラン「X−MEN」)が荷馬車に乗ってやって来るところから始まるのは同様ですが、
子供達に請われて花火を打ち上げたり、
またフロドの悪友たちが宴会のさなかに勝手に花火を撃つ上げたりといった
エピソードは映画のオリジナルです。
ビルボが指輪の誘惑を断ちきって旅に出るところまでは一緒ですが、
そこからフロド(イライジャ・ウッド「ディープ・インパクト」)が旅に出るまで原作では十年以上の歳月が経過しています。

旅のエルフがホビット庄のはしを通過したりと、
サウロン復活の予兆が頻々となり、
ガンダルフにフロドが尋ねてはじめて指輪が問題のある品物であることが
判明し、財産処分をして家をたたんで旅に出るまでの道中が長いのです。

映画では4人一緒の旅立ちですが、原作はまずフロド、サムのふたりで出発し、
途中でヒピン、メリー(男)が加わります。
とくに大きなドラマがあるわけでもなく増員するのですが、
興味深いのはゴクリの方で、
指輪恋しさにとうとう住んでいた洞窟から五百年ぶりに外界に姿を現し、
ビルボを求めて諸国流浪の旅に出ていることです。
結局彼はホビット庄のすぐそばを通過しながら、
そこにビルボがいるとは気づかず、
自らサウロンの領土に入り込み捕らえられるのですが。

1巻目でドラマはフロド達の視点から語られていますので、
ゴクリやガンダルフがサウロンの手に落ちたことが読者にも判らぬうちに、
フロド達は「黒の乗者」の追跡を受けます。
「黒の乗者」がナズグル(9人の王)の最初の1人であることが判明するのはずっと後のことです。

あと原作ではフロド達は放浪の旅のエルフ、ギルドールと出会い一夜をともにし、
「黒の乗者」が敵であるという忠告を貰っています。
恐ろしげなことに「黒の乗者」は自分の声を持たず、
「バギンズ氏を探している!」と声を掛けたときは、
「千と千尋の神隠し」のかおなしよろしく
途中で会話を交わした小人の声を使っています。

指輪達はエルフの高名な鍛冶師によって作られたのですが、
サウロンは鍛冶師を騙してその鋳造技術をもとに、
密かに自分用の指輪を作っていました。
サウロンは、何も知らずに指輪を受け取った三人のエルフの王、七人のドワーフの王、九人の人間の王を
指輪の力によって奴隷とすべく陰謀をめぐらせました。
実際にはエルフの王達は指輪を隠し厄災を逃れましたが、九人の人間の王は怨霊のような哀れな姿となって、
サウロンの手下に成り果てます。
抵抗する力を失った連合軍は、サウロン独りの餌食となったのです。

が、サウロンは戦場で人間の王子に、指ごと指輪を切り落とされる失態により、
瞬時にして魔力を失います。
いったんサウロン軍は敗退しますが、
それは決定的なダメージというわけではありませんでした。
指輪には自分の意思があって、
自ら持ち主を渡り歩きサウロンのもとに戻ることが出来るのです。
案の定、指輪を始末しようとしたエルフ達と、
指輪の力を利用できないかと考えた人間達は仲間割れが
起き、さらに人間同士で殺し合いとなります。
しかしながら社会の底辺で無欲に生きる小人達の手に渡るということは
サウロンも予期していなかったようです。
指輪はそれを手にした者に、
例えば「世界制覇の野望」をかき立てずにはおられぬシロモノなのですが、
大食漢で家族仲良く暮らせればそれで満足という小人達には、ネコに小判でした。
邪心の無い者たちには、実は指輪は、はめた者の姿を消して見せることくらいにしか役に立たない
無力なものです。
ビルボからフロドへと引き継がれた指輪を取り戻すために、サウロンは
自らの眷属を派遣する羽目になったところから、
闘争が発生するのです。

4人はガンダルフの助言に従い、
指輪を持って裂け谷に向かうこととする。
ガンダルフもまた指輪を破壊する手段を知らない。
エルフ達の国に行けば何か方法を見いだしうるのではないか。
ガンダルフは「先輩エルフに教えを請う」と四人とは別の旅に出ていく。
そこで思わぬ危難に遭遇するのです。


この続きの原作比較レビューは
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