「魔女の宅急便/スタジオジプリの脚本の書き方」
原作小説と映画脚本比較により脚本の書き方・成り立ちを探ります。ハリウッド脚本の極意、世界名作の秘密に迫ります。全体に「ねたばれ」の要素がありますので、要注意。

「魔女の宅急便」原作小説 原作小説「魔女の宅急便」
角野栄子著 1985年館
出版社:福音館書店


    
「魔女の宅急便」映画チラシ アニメーション映画
「魔女の宅急便」
1989年 日本映画
監督脚色:宮崎駿
声の出演者:高山みなみ

  本作原作文庫
  本作映画チラシ





■脚本の書き方■
原作小説と映画脚本比較レビュー・インディスク


「天使と悪魔」

「ジェネラル・ルージュの凱旋」

「地球が静止する日」

「デス・レース」

「ホームレス中学生」

「容疑者Xの献身」

「パコと魔法の絵本」

「西の魔女が死んだ」

「ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛」
原作=C.S.ルイス
「ジャンパー」原作=スティーブン・グールド
「ライラの冒険 黄金の羅針盤
原作=フィリップ・プルマン
「陰日向に咲く」原作=劇団ひとり
「ミッドナイトイーグル」原作=高嶋哲夫
「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」原作=J・K・ローリング
「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」原作=リリー・フランキー
「佐賀のがばいばあちゃん」原作=島田洋七
「墨攻」原作=酒見賢一
「暗いところで待ち合わせ」原作=乙一
「プラダを着た悪魔」
原作=ローレン・ワイズバーガー
「夜のピクニック」原作=恩田陸
「ゲド戦記」原作ル=グウィン
「ダ・ヴィンチ・コード」原作ダン・ブラウン
「ライラの冒険 黄金の羅針盤」原作=フィリップ・プルマン

「陰日向に咲く」原作=劇団ひとり
「ミッドナイトイーグル」原作=高嶋哲夫
「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」原作=J・K・ローリング

「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」原作=リリー・フランキー
「墨攻」原作=酒見賢一
「暗いところで待ち合わせ」原作=乙一
「プラダを着た悪魔」
原作=ローレン・ワイズバーガー
「夜のピクニック」原作=恩田陸
「ゲド戦記」原作ル=グウィン
「ダ・ヴィンチ・コード」原作ダン・ブラウン
「ナルニア国物語/第1章ライオンと魔女」原作C・S・ルイス
「博士の愛した数式」原作小川洋子
「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」原作J.K.ローリング
「亡国のイージス」原作福井晴敏
「宇宙戦争」原作H.G.ウェルズ
「四日間の奇蹟」原作浅倉卓弥
「アビエイター」原作ジョン・キーツ
「オペラ座の怪人」原作ガストン・ルルー
「ハウルの動く城」原作ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「ターンレフト・ターンライト」主演:金城武
「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」 主演:ダニエル・ラドクリフ
「下妻物語」原作嶽本野ばら
「世界の中心で、愛を叫ぶ」原作片山恭一
「ジョゼと虎と魚たち」原作田辺聖子
「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」原作J.R.R.トールキン
「アイデン&ティティ」原作みうらじゅん
「精霊流し」原作さだまさし
「マッチスティック・メン」監督リドリー・スコット
「コンフェッション」原作チャック・バリス
「ソラリス」監督スティーブン・ソダーバーグ
「魔界転生」原作山田風太郎
「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」原作フランク・w・アバグネイル
「ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔」原作J.R.R.トールキン
「黄泉がえり」原作梶尾真治
「レッドドラゴン」原作トマス・ハリス
「マイノリティ・リポート」原作F・K・ディック
「ハリーポッターと秘密の部屋」J.K.ローリング著
「ザ・リング the ring」主演ナオミ・ワッツ
「アバウト・ア・ボーイ」原作ニック・ホーンディ
「タイムマシン」原作小説H・G・ウェルズ
「GO」脚本:宮藤官九郎
「ロード・オブ・ザ・リング」脚本ピーター・ジャクソン
「ハリー・ポッターと賢者の石」脚本スティーブ・クローブス
「PLANET OF THE APES/猿の惑星」監督ティム・バートン
「陰陽師」脚本福田靖
「ブリジット・ジョーンズの日記」脚本アンドリュー・デイヴィス
「バトル・ロワイヤル」脚本深作健太
「エクソシスト ディレクターズカット」主演リンダ・ブレア
「クロスファイア」脚本山田耕大
「ファイト・クラブ」監督デビット・フィンチャー
「共同警備区域JSA」原作小説パク サンヨン
「ナインスゲート」脚本:ジョン ブラウンジョン
「ハンニバル」脚本デビット・マメット
「ホワイトアウト」原作小説真保裕一
「リプリー」原作パトリシア・ハイスミス
「黒い家」脚本大森寿美男
「17歳のカルテ」主演ウィノナ・ライダー
「ISOLA多重人格少女」脚本水谷俊之
「シン・レッド・ライン」脚本テレンス・マリック
「魔女の宅急便」監督宮崎駿
「リング」脚本高橋洋
「コンタクト」監督:ロバート・ゼメキス
「L.A.コンフィデンシャル」脚本カーティス・ハンソン
「セブン・イヤーズ・イン・チベット」原作小説:ハインリヒ・ハラー
「さらば、わが愛 覇王別姫」監督チェン・カイコー
「バラサイト・イブ」脚本君塚良一
「耳をすませば」
制作スタジオ・ジプリ
「アポロ13号」監督ロン・ハワード
「マディソン郡の橋」脚本リチャード ラグラベニーズ
「ショーシャンクの空に」脚本フランク・ダラボン
「フォレスト・ガンプ」脚本エリック・ロス
「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」原作小説アン・ライス
「ジュラシック・パーク」原作小説マイケル・クライトン
「シンドラーのリスト」脚本スティーブン・ザイリアン
「イヤー・オブ・ザ・ガン」原作マイケル・ミューショー
「ダンス・ウィズ・ウルブズ」脚本マイケル・ブレイク
「レナードの朝」主演ロビン・ウィリアム
「トータルリコール」原作小説フィリップ・K・ディック
「レッドオクトーバーを追え!」脚本ラリー・ファーガソン
「ワイルド・アット・ハート」脚本デイヴィッド・リンチ
「ミザリー」原作小説スティーブン・キング
   「ダイ・ハード」監督ジョン・マクティアナン
「仕立て屋の恋」原作小説ジョルジュ・シムノ
「時をかける少女」脚本剣持亘
「ブレード・ランナー」原作小説フィリップ・K・ディック
「惑星ソラリス」監督アンドレイ・タルコフスキー
「犬神家の一族」原作小説横溝正史
「ゴッドファーザー」監督フランシス・F・コッポラ


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映画「魔女の宅急便」は草原で寝そべっていた少女キキが
ラジオで天気予報を聞いて、
満月の今夜、天気が晴れと言う予報に、
旅に出る決意を固めるところから始まっています。
原作小説は、キキの住む小さな町の俯瞰から描写が始まり、
高い木にかけられた鈴の話からキキのことに繋がります。
映画でキキが町を離れる冒頭の飛行で、
庭先の木々に次々にぶつかって、木の枝の鈴を次々に鳴らしながら、
飛び去るというのが出てきますが、
その鈴の説明の方が、原作では先に出てきます。

映画では自宅にいさんで帰ったキキが、今夜出ると宣言してますが、
原作では母コキリ、父オキノとキキが
家の中で旅立ちの日取りを話し合うという風に
進んでいます。

小説と映画の語り口の違いなのですが、
映画ではカメラの真ん中に絶えずキキがいて、
彼女がすべてを自分の意志と判断で進めています。
「昔々あるところに…」といったようにドラマを外側から順々に語っていくという
手法ではありません。

旅立ちをめぐる家族のやり取りの中で、
映画と原作の設定の差が確認できます。
映画では、魔女の修行は十三歳の一年間だけで、
修行が終わると、ふたたび実家に戻るようです。
原作では、自立が十三歳という事になっているようです。
原作では一年分の最小限の生活費を与えられるようですが、
映画の方は、もっと小額でごく当座の宿泊費程度のようなのが、
都会に出て、宿を探したり買い物をしたりという描写から伺えます。

具体的には出てきませんが、
映画では修行は選択の余地なく、すべての魔女の少女に課せられる
ようですが、原作でははっきり本人の選択と設定されています。
のちの絵描き志望の少女ウルスラとの会話の中で、
「覚えていない。ずっと小さな頃から飛んでいた」とキキは答えてますが、
原作では十歳の時に、人間として生きるか魔女として生きるか本人が選択し、
三年間親元で魔法を学び、十三歳になると自立する、という
慣習があるとされています。
この作品は、映画も原作も少女の自立がテーマですが、
宮崎駿はさらに、自我の目覚めを、
「魔女としての、あるいは絵描きとしての才能の開花」に結び付けて、
キキとウルスラに語り合わせています。
もっと後に出てくる該当箇所で詳細解説を試みますが、
葛藤の展開の必然により、魔女の設定が手を入れられているのです。

故郷の村を離陸したキキは満月の夜空で、
少し年上の魔女と出くわします。
彼女の方は、占いで既に身を立てているようです。
このあたりは映画も原作も一緒。
原作にはこのまま川に沿って飛んで、夜明けにコリコの町に出る事になっていますが、
映画では不意の土砂降りにあって避難。
飛び込んだ貨物列車の中で眠りこけているうちに、
海岸傍まで運ばれてしまうという風に場面展開しています。

原作では、コリコの町角に降り立ったキキが道行く人々にごあいさつしてます。
ま、映画でもそれは同じなのですが、
映画では低空飛行でバスと衝突しそうになって、お巡りさんに叱られたり、
それを町の少年とんぼに助けられたりしています。
原作より遥かに早くとんぼが登場していますが、
かれの「魔女子さん」という呼び名にカチンときたキキは、
紹介されてもいない男の子となんか気安く話せない、
と怒鳴りつけると飛んで行ってしまいます。

原作では通行人に、魔女は恐ろしい悪事をなすのではないか、とひどい言葉を
浴びせられて凹んでしまいます。
母さんの忠告に従いもっと小さな町に行けば良かったのか?
とりあえず、今晩何処に泊まろうか、と裏町をとぼとぼ歩いていると、
パン屋のおソノさんに出くわします。



この続きの原作比較レビューは
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