「ミッドナイトイーグル/山岳サスペンス映画脚本の書き方」
原作小説と映画脚本比較により脚本の書き方・成り立ちを探ります。ハリウッド脚本の極意、世界名作の秘密に迫ります。全体に「ねたばれ」の要素がありますので、要注意。

原作小説
「ミッドナイトイーグル」
高嶋哲夫 著
2003年 文春文庫

    
映画
「ミッドナイトイーグル」
2007年 日本映画
監督:成島出
脚本:長谷川康夫 飯田健三郎
出演:大沢たかお

  本作原作文庫
  本作映画チラシ





■脚本の書き方■
原作小説と映画脚本比較レビュー・インディスク

「地球が静止する日」
「デス・レース」
「ホームレス中学生」
「容疑者Xの献身」
「パコと魔法の絵本」
「西の魔女が死んだ」
「ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛」
原作=C.S.ルイス
「ジャンパー」原作=スティーブン・グールド
「ライラの冒険 黄金の羅針盤
原作=フィリップ・プルマン
「陰日向に咲く」原作=劇団ひとり
「ミッドナイトイーグル」原作=高嶋哲夫
「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」原作=J・K・ローリング

「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」原作=リリー・フランキー
「墨攻」原作=酒見賢一
「暗いところで待ち合わせ」原作=乙一
「プラダを着た悪魔」
原作=ローレン・ワイズバーガー
「夜のピクニック」原作=恩田陸
「ゲド戦記」原作ル=グウィン
「ダ・ヴィンチ・コード」原作ダン・ブラウン
「ナルニア国物語/第1章ライオンと魔女」原作C・S・ルイス
「博士の愛した数式」原作小川洋子
「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」原作J.K.ローリング
「亡国のイージス」原作福井晴敏
「宇宙戦争」原作H.G.ウェルズ
「四日間の奇蹟」原作浅倉卓弥
「アビエイター」原作ジョン・キーツ
「オペラ座の怪人」原作ガストン・ルルー
「ハウルの動く城」原作ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「ターンレフト・ターンライト」主演:金城武
「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」 主演:ダニエル・ラドクリフ
「下妻物語」原作嶽本野ばら
「世界の中心で、愛を叫ぶ」原作片山恭一
「ジョゼと虎と魚たち」原作田辺聖子
「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」原作J.R.R.トールキン
「アイデン&ティティ」原作みうらじゅん
「精霊流し」原作さだまさし
「マッチスティック・メン」監督リドリー・スコット
「コンフェッション」原作チャック・バリス
「ソラリス」監督スティーブン・ソダーバーグ
「魔界転生」原作山田風太郎
「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」原作フランク・w・アバグネイル
「ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔」原作J.R.R.トールキン
「黄泉がえり」原作梶尾真治
「レッドドラゴン」原作トマス・ハリス
「マイノリティ・リポート」原作F・K・ディック
「ハリーポッターと秘密の部屋」J.K.ローリング著
「ザ・リング the ring」主演ナオミ・ワッツ
「アバウト・ア・ボーイ」原作ニック・ホーンディ
「タイムマシン」原作小説H・G・ウェルズ
「GO」脚本:宮藤官九郎
「ロード・オブ・ザ・リング」脚本ピーター・ジャクソン
「ハリー・ポッターと賢者の石」脚本スティーブ・クローブス
「PLANET OF THE APES/猿の惑星」監督ティム・バートン
「陰陽師」脚本福田靖
「ブリジット・ジョーンズの日記」脚本アンドリュー・デイヴィス
「バトル・ロワイヤル」脚本深作健太
「エクソシスト ディレクターズカット」主演リンダ・ブレア
「クロスファイア」脚本山田耕大
「ファイト・クラブ」監督デビット・フィンチャー
「共同警備区域JSA」原作小説パク サンヨン
「ナインスゲート」脚本:ジョン ブラウンジョン
「ハンニバル」脚本デビット・マメット
「ホワイトアウト」原作小説真保裕一
「リプリー」原作パトリシア・ハイスミス
「黒い家」脚本大森寿美男
「ISOLA多重人格少女」脚本水谷俊之
「シン・レッド・ライン」脚本テレンス・マリック
「魔女の宅急便」監督宮崎駿
「リング」脚本高橋洋
「コンタクト」監督:ロバート・ゼメキス
「L.A.コンフィデンシャル」脚本カーティス・ハンソン
「セブン・イヤーズ・イン・チベット」原作小説:ハインリヒ・ハラー
「さらば、わが愛 覇王別姫」監督チェン・カイコー
「バラサイト・イブ」脚本君塚良一
「アポロ13号」監督ロン・ハワード
「マディソン郡の橋」脚本リチャード ラグラベニーズ
「ショーシャンクの空に」脚本フランク・ダラボン
「フォレスト・ガンプ」脚本エリック・ロス
「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」原作小説アン・ライス
「ジュラシック・パーク」原作小説マイケル・クライトン
「シンドラーのリスト」脚本スティーブン・ザイリアン
「イヤー・オブ・ザ・ガン」原作マイケル・ミューショー
「ダンス・ウィズ・ウルブズ」脚本マイケル・ブレイク
「レナードの朝」主演ロビン・ウィリアム
「トータルリコール」原作小説フィリップ・K・ディック
「レッドオクトーバーを追え!」脚本ラリー・ファーガソン
「ワイルド・アット・ハート」脚本デイヴィッド・リンチ
「ミザリー」原作小説スティーブン・キング
「ダイ・ハード」監督ジョン・マクティアナン
「仕立て屋の恋」原作小説ジョルジュ・シムノ
「時をかける少女」脚本剣持亘
「ブレード・ランナー」原作小説フィリップ・K・ディック
「惑星ソラリス」監督アンドレイ・タルコフスキー
「犬神家の一族」原作小説横溝正史
「ゴッドファーザー」監督フランシス・F・コッポラ

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「メルトダウン」(第1回小説現代推理新人賞受賞作)や
「イントゥルーダー」(第16回サントリーミステリー大賞・読者賞受賞作)などで
脚光を浴びた、元・日本原子力研究所研究員という異色の経歴を持つ作家、
高嶋哲夫の同名小説の山岳アクション小説の映画化作品です。


原作のプロローグは何者かによるいずこかの基地襲撃で、
映画のオープニングは、主人公のフォトジャーナリスト西崎優二(大沢たかお)が
中東の戦場で菓子を与えた子供が爆死する姿を目の当たりにして
“心が折れる”ところから始まっています。

何者かによるいずこかの基地襲撃というのは、
あとの章の描写から工作員・平田による在日米軍横田基地の襲撃である事がわかります。
原作は全体が三人称で描かれているのですが、
プロローグの部分だけ襲撃者の主観描写で描かれ、
意図的に人名や場所が伏せられています。

原作は事件を追い、映画は主人公を追いかけています。
方法論の違いですが、これは単に「ミッドナイトイーグル」
だけの話ではなく、いろんな映画にいえそうな事柄です。
映画は事件を語るものではなく、人物を語るものです。
脚本家を目指す方の是非覚えておくべきことのひとつです。

次が、原作も映画も同じく、
西崎が、常念岳での冬の北アルプス撮影中に、謎の飛行物体が墜落するのを目撃する
ところがきます。
原作の西崎はプロの感で、飛行物体の墜落場所を目指すのですが、
映画ではそれでは観客に対する説得力不足と考えたのか、
航空自衛隊の戦闘機イーグルがスクランブル発進するシーンが追加されています。
あとで「自衛隊機のトラブルである」という風にマスコミ発表されたのに対し、
「あとから来た奴の事だな」と西崎がつぶやくなど、政府の隠ぺい工作と、それに対する主人公の反応を観客にもわかりやすく見せています。

映画を良く見ますと西崎の目撃シーンには、
火玉だけでなく巨大な翼を広げた飛行物体全体のシルエットが見えますし、
テントの外に飛び出し光の山も描線の向こうに沈む火玉を見上げる西崎に
追撃してきたイーグルの影がよぎっています。
実際問題、マッハで飛ぶ戦闘機が地上に影が落ちるほど急接近してきたら、
ジェット気流で人もテントも吹き飛ばされそうですが、
謎の飛行物体と自衛隊機は別物であるところを示すための
やや過剰な演出であるということにしておきましょう。


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