「ノルウェイの森/村上文学小説映画脚本の書き方」
原作小説と映画脚本比較により脚本の書き方・成り立ちを探ります。ハリウッド脚本の極意、世界名作の秘密に迫ります。全体に「ねたばれ」の要素がありますので、要注意。

「ノルウェイの森」原作本表紙 ■原作小説
「ノルウェイの森」
1987年 講談社刊
村上春樹 著

    
「ノルウェイの森」映画チラシ ■映画作品基礎データ
「ノルウェイの森」
2010年 日本映画
監督脚本:トラン・アン・ユン
撮影:李屏賓(マーク・リー・ピンビン)
出演:松山ケンイチ
本作原作文庫
  本作映画チラシ





■脚本の書き方■
原作小説と映画脚本比較レビュー・インディスク

「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1」

「大奥」

「悪人」

「借りぐらしのアリエッティ」

「告白」

「時をかける少女」(仲里依紗版)

「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」

「食堂かたつむり」

「さまよう刃」

「空気人形」

「火天の城」

「TAJOMARU」

「南極料理人」

「ハリー・ポッターと謎のプリンス」

「天使と悪魔」

「ジェネラル・ルージュの凱旋」

「地球が静止する日」

「デス・レース」

「ホームレス中学生」

「容疑者Xの献身」

「パコと魔法の絵本」

「西の魔女が死んだ」

「ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛」原作=C.S.ルイス
「ライラの冒険 黄金の羅針盤原作=フィリップ・プルマン

「陰日向に咲く」原作=劇団ひとり
「ミッドナイトイーグル」原作=高嶋哲夫
「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」原作=J・K・ローリング

「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」原作=リリー・フランキー
「墨攻」原作=酒見賢一
「暗いところで待ち合わせ」原作=乙一
「プラダを着た悪魔」
原作=ローレン・ワイズバーガー
「夜のピクニック」原作=恩田陸
「ゲド戦記」原作ル=グウィン
「ダ・ヴィンチ・コード」原作ダン・ブラウン
「ナルニア国物語/第1章ライオンと魔女」原作C・S・ルイス
「博士の愛した数式」原作小川洋子
「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」原作J.K.ローリング
「亡国のイージス」原作福井晴敏
「宇宙戦争」原作H.G.ウェルズ
「四日間の奇蹟」原作浅倉卓弥
「アビエイター」原作ジョン・キーツ
「オペラ座の怪人」原作ガストン・ルルー
「ハウルの動く城」原作ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「ターンレフト・ターンライト」主演:金城武
「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」 主演:ダニエル・ラドクリフ
「下妻物語」原作嶽本野ばら
「世界の中心で、愛を叫ぶ」原作片山恭一
「ジョゼと虎と魚たち」原作田辺聖子
「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」原作J.R.R.トールキン
「アイデン&ティティ」原作みうらじゅん
「精霊流し」原作さだまさし
「マッチスティック・メン」監督リドリー・スコット
「コンフェッション」原作チャック・バリス
「ソラリス」監督スティーブン・ソダーバーグ
「魔界転生」原作山田風太郎
「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」原作フランク・w・アバグネイル
「ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔」原作J.R.R.トールキン
「黄泉がえり」原作梶尾真治
「レッドドラゴン」原作トマス・ハリス
「マイノリティ・リポート」原作F・K・ディック
「ハリーポッターと秘密の部屋」J.K.ローリング著
「ザ・リング the ring」主演ナオミ・ワッツ
「アバウト・ア・ボーイ」原作ニック・ホーンディ
「タイムマシン」原作小説H・G・ウェルズ
「GO」脚本:宮藤官九郎
「ロード・オブ・ザ・リング」脚本ピーター・ジャクソン
「ハリー・ポッターと賢者の石」脚本スティーブ・クローブス
「PLANET OF THE APES/猿の惑星」監督ティム・バートン
「陰陽師」脚本福田靖
「ブリジット・ジョーンズの日記」脚本アンドリュー・デイヴィス
「バトル・ロワイヤル」脚本深作健太
「エクソシスト ディレクターズカット」主演リンダ・ブレア
「クロスファイア」脚本山田耕大
「ファイト・クラブ」監督デビット・フィンチャー
「共同警備区域JSA」原作小説パク サンヨン
「ナインスゲート」脚本:ジョン ブラウンジョン
「ハンニバル」脚本デビット・マメット
「ホワイトアウト」原作小説真保裕一
「リプリー」原作パトリシア・ハイスミス
「黒い家」脚本大森寿美男
「ISOLA多重人格少女」脚本水谷俊之
「シン・レッド・ライン」脚本テレンス・マリック
「魔女の宅急便」監督宮崎駿
「リング」脚本高橋洋
「コンタクト」監督:ロバート・ゼメキス
「L.A.コンフィデンシャル」脚本カーティス・ハンソン
「セブン・イヤーズ・イン・チベット」原作小説:ハインリヒ・ハラー
「さらば、わが愛 覇王別姫」監督チェン・カイコー
「バラサイト・イブ」脚本君塚良一
「アポロ13号」監督ロン・ハワード
「マディソン郡の橋」脚本リチャード ラグラベニーズ
「ショーシャンクの空に」脚本フランク・ダラボン
「フォレスト・ガンプ」脚本エリック・ロス
「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」原作小説アン・ライス
「ジュラシック・パーク」原作小説マイケル・クライトン
「シンドラーのリスト」脚本スティーブン・ザイリアン
「イヤー・オブ・ザ・ガン」原作マイケル・ミューショー
「ダンス・ウィズ・ウルブズ」脚本マイケル・ブレイク
「レナードの朝」主演ロビン・ウィリアム
「トータルリコール」原作小説フィリップ・K・ディック
「レッドオクトーバーを追え!」脚本ラリー・ファーガソン
「ワイルド・アット・ハート」脚本デイヴィッド・リンチ
「ミザリー」原作小説スティーブン・キング
「ダイ・ハード」監督ジョン・マクティアナン
「仕立て屋の恋」原作小説ジョルジュ・シムノ
「時をかける少女」脚本剣持亘
「ブレード・ランナー」原作小説フィリップ・K・ディック
「惑星ソラリス」監督アンドレイ・タルコフスキー
「犬神家の一族」原作小説横溝正史
「ゴッドファーザー」監督フランシス・F・コッポラ

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国内セールスだけで累積1千1百万部を売り、
36言語に翻訳された世界的なミリオンセラーが
発表後23年を経て映画化されました。

監督はベトナム人のトラン・アン・ユン。
松山ケンイチ、菊池凜子、水原季子主演です。
「蛍」という短編をベースに、
村上春樹がギリシャ、シチリア、ローマで書き下ろしたという作品です。



/  映画にない原作のイントロ
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当初、村上春樹はこの作品を「雨の中の庭」というタイトルで
書き始めたそうです。
ドビュッシーの『版画』より「雨の庭」(Jardins sous la pluie)から
取ったらしいのですが。
それが村上春樹が奥さんの意見を入れて「ノルウェイの森」になったといいます。


原作は次の通り始まります。

37歳の僕(ワタナベトオル)は、
乗っていた飛行機で流れた「ノルウェイの森」に激しく心を揺さぶられます。
その曲は僕に自分の大学時代を、
そしてそのとき隣を歩いていた一人の美しい女を思い出させるのでした。


★:*:☆★:*:☆★:*:☆


このイントロ部分は、
作品のラストで現在の僕のところへ話が戻って来るわけでもないので、
映画では出て来ません。

ですが”愛の喪失”が作品の主要なテーマでもあり、
強い喪失感が打ち出されるこの部分で、
作品の世界感が掴み易くなっています。


そういえば村上春樹の作品には、
死んだり消えたりした恋人を主人公が探す物語が多く見られますね。



/  冒頭部分、一人称の原作と三人称の映画
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神戸。
高校生の僕にはキズキという親友がいましたが、
彼は17歳の時何も言わずに自宅のガレージで自殺します。

キズキには直子という幼なじみの恋人がおり、僕らは三人でよく遊んだのでしたが、
キズキの死とともに直子とも疎遠になります。
僕は東京の大学に進学し学生寮に入りますが、
ある時やはり東京の女子大学に進学していた直子と再会し、
それ以来何度か会うようになります。


★:*:☆★:*:☆★:*:☆


原作は僕の一人称で語られます。

順序としては、

大学進学で学生寮に入った。

”突撃隊”というあだ名のルームメイトの紹介。

”突撃隊”の話を聞いて笑う直子。

一年ぶりの再会だった。

高校時代の話。


…という事ですが、
映画では時間軸順に

高校の校舎でふざけ合う僕達。

郊外で三人デート。
キズキと直子は幼なじみの恋人。

僕とキスギ、ビリヤード。
最後の別れと気付かない。

キスギ、自宅の車庫で排ガス自殺。

大学進学で上京。

キャンパスの様子。
学生運動のデモ隊と淡々とした僕。

学生寮。突撃隊が同室。

直子と再会。


映画は
主観的な情景描写が多いので、
時間軸を繋ぎ変えなどしますと、見ている側が混乱するので
原作では出て来ない自殺シーン等を入れ、
ストレートに物語をスタートさせる事にしたのでしょう。

登場する学生寮は大学の附属施設ではなく、
学生会館の事です。

村上春樹も大学進学で上京でして、
学生会館に入ってます。

その学生会館が原作の学生寮のモデルとされています。


1967年と言う時代背景を明らかにするため、
徒党を組んだヘルメット学生が行進したり、
アジ学生が教室に押しかけ、
糸井繁里扮する文学部教授の講義を中断させるシーン等が挿入されています。


原作では僕と直子は中央線で再会していますが、
映画では公園の池の前。

本を読んでいた僕が顔を上げると、目線の
先に直子の姿を見つけます。


鬱蒼と水草に覆われた池と、その周辺は東京離れした風景ですが、
この監督らしい美しい情景です。


原作のキャンパスは早稲田大学がモデルで、映画も早稲田大学でロケされています。

村上春樹は早大出身で、
映画のプレミア試写会も早稲田大学の大隈講堂で松山ケンイチらキャストを招いて…






この続きの原作比較レビューは
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