「ショーシャンクの空に/復讐もの脚本の書き方」
原作小説と映画脚本比較により脚本の書き方・成り立ちを探ります。ハリウッド脚本の極意、世界名作の秘密に迫ります。全体に「ねたばれ」の要素がありますので、要注意

「ショーシャンクの空に」文庫表紙 原作小説
「刑務所のリタ・ヘイワース」
(「ゴールデンボーイ」に収録)新潮社・刊  95年初版
スティーブン・キング著 

  
「ショーシャンクの空に」映画ポスター アメリカ映画「ショーシャンクの空に」 1994年 
THE SHAWSHANK REDEMPTION
フランク・ダラボン監督 脚本 
出演 ティム・ロビンス、モーガン・フリーマ 
本作原作文庫
  本作映画
  ビデオパッケージ





■脚本の書き方■
原作小説と映画脚本比較レビュー・インディスク


「空気人形」

「火天の城」

「TAJOMARU」

「南極料理人」


「ハリー・ポッターと謎のプリンス」

「天使と悪魔」

「ジェネラル・ルージュの凱旋」

「地球が静止する日」

「デス・レース」

「ホームレス中学生」

「容疑者Xの献身」

「パコと魔法の絵本」

「西の魔女が死んだ」

「ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛」
原作=C.S.ルイス

「ジャンパー」原作=スティーブン・グールド

「ライラの冒険 黄金の羅針盤」原作=フィリップ・プルマン

「陰日向に咲く」原作=劇団ひとり
「ミッドナイトイーグル」原作=高嶋哲夫
「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」原作=J・K・ローリング

「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」原作=リリー・フランキー
「墨攻」原作=酒見賢一
「暗いところで待ち合わせ」原作=乙一
「プラダを着た悪魔」
原作=ローレン・ワイズバーガー
「夜のピクニック」原作=恩田陸
「ゲド戦記」原作ル=グウィン
「ダ・ヴィンチ・コード」原作ダン・ブラウン
「ナルニア国物語/第1章ライオンと魔女」原作C・S・ルイス
「博士の愛した数式」原作小川洋子
「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」原作J.K.ローリング
「亡国のイージス」原作福井晴敏
「宇宙戦争」原作H.G.ウェルズ
「四日間の奇蹟」原作浅倉卓弥

「アビエイター」原作ジョン・キーツ
「オペラ座の怪人」原作ガストン・ルルー
「ハウルの動く城」原作ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「ターンレフト・ターンライト」主演:金城武
「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」 主演:ダニエル・ラドクリフ
「下妻物語」原作嶽本野ばら
「世界の中心で、愛を叫ぶ」原作片山恭一
「ジョゼと虎と魚たち」原作田辺聖子
「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」原作J.R.R.トールキン
「アイデン&ティティ」原作みうらじゅん
「精霊流し」原作さだまさし
「マッチスティック・メン」監督リドリー・スコット
「コンフェッション」原作チャック・バリス
「ソラリス」監督スティーブン・ソダーバーグ
「魔界転生」原作山田風太郎
「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」原作フランク・w・アバグネイル
「ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔」原作J.R.R.トールキン
「黄泉がえり」原作梶尾真治
「レッドドラゴン」原作トマス・ハリス
「マイノリティ・リポート」原作F・K・ディック
「ハリーポッターと秘密の部屋」J.K.ローリング著
「ザ・リング the ring」主演ナオミ・ワッツ
「アバウト・ア・ボーイ」原作ニック・ホーンディ
「タイムマシン」原作小説H・G・ウェルズ
「GO」脚本:宮藤官九郎
「ロード・オブ・ザ・リング」脚本ピーター・ジャクソン
「ハリー・ポッターと賢者の石」脚本スティーブ・クローブス
「PLANET OF THE APES/猿の惑星」監督ティム・バートン
「陰陽師」脚本福田靖
「ブリジット・ジョーンズの日記」脚本アンドリュー・デイヴィス
「バトル・ロワイヤル」脚本深作健太
「エクソシスト ディレクターズカット」主演リンダ・ブレア
「クロスファイア」脚本山田耕大
「ファイト・クラブ」監督デビット・フィンチャー
「共同警備区域JSA」原作小説パク サンヨン
「ナインスゲート」脚本:ジョン ブラウンジョン
「ハンニバル」脚本デビット・マメット
「ホワイトアウト」原作小説真保裕一
「リプリー」原作パトリシア・ハイスミス
「黒い家」脚本大森寿美男
「ISOLA多重人格少女」脚本水谷俊之
「シン・レッド・ライン」脚本テレンス・マリック
「魔女の宅急便」監督宮崎駿
「リング」脚本高橋洋
「コンタクト」監督:ロバート・ゼメキス
「L.A.コンフィデンシャル」脚本カーティス・ハンソン
「セブン・イヤーズ・イン・チベット」原作小説:ハインリヒ・ハラー
「さらば、わが愛 覇王別姫」監督チェン・カイコー
「バラサイト・イブ」脚本君塚良一
「アポロ13号」監督ロン・ハワード
「マディソン郡の橋」脚本リチャード ラグラベニーズ
「ショーシャンクの空に」脚本フランク・ダラボン
「フォレスト・ガンプ」脚本エリック・ロス
「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」原作小説アン・ライス
「ジュラシック・パーク」原作小説マイケル・クライトン
「シンドラーのリスト」脚本スティーブン・ザイリアン
「イヤー・オブ・ザ・ガン」原作マイケル・ミューショー
「ダンス・ウィズ・ウルブズ」脚本マイケル・ブレイク
「レナードの朝」主演ロビン・ウィリアム
「トータルリコール」原作小説フィリップ・K・ディック
「レッドオクトーバーを追え!」脚本ラリー・ファーガソン
「ワイルド・アット・ハート」脚本デイヴィッド・リンチ
「ミザリー」原作小説スティーブン・キング
「ダイ・ハード」監督ジョン・マクティアナン
「仕立て屋の恋」原作小説ジョルジュ・シムノ
「時をかける少女」脚本剣持亘
「ブレード・ランナー」原作小説フィリップ・K・ディック
「惑星ソラリス」監督アンドレイ・タルコフスキー
「犬神家の一族」原作小説横溝正史
「ゴッドファーザー」監督フランシス・F・コッポラ

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/  作品、その世界
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原作はスティーブン・キングの小説「刑務所のリタ・ヘイワース」。

監督、脚本のフランク・ダラボンは「ザ・フライ2」などのホラー映画の
脚本をしこしこ書きながら、
じっとチャンスを待っていた人です。

知ってる方も多いと思いますが、
「刑務所のリタ・ヘイワース」は
キングの中篇小説集、四季のドラマの中のひとつで、
他に「スタンドバイミー」「ゴールデンボーイ」などの
映画化作品を出した傑作集です。

☆。.:*:・'゜★。

「スタンドバイミー」同様、「怖くない」キングの小説ですが、
まったく女っ気の無い(刑務所が舞台だから当然ですが)
おそろしく地味な作品なので、
これを映画化しようとしたプロデューサーやフランク・ダラボン監督をまずたたえませんと。

「ショーシャンクの空に」は、
妻とその愛人を殺した罪で終身刑となったエリート銀行員のアンディが
無実の罪のために服役しながらも、
決して自由をあきらめなかった男の、友情と希望の物語です。



/  舞台となるジョーシャンクに集う登場人物たち
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原作はすべてレッド(モーガン・フリーマ)の一人称で語られます。

映画もレッドのモノローグを多用し、同じ印象の語り口をキープしています。

しかし、そこは映画。

原作が回想形であるのに対し、映画は現在進行形。

映画の時間軸進行は過去から未来へと一方通行にしか流れていません。

まずアンディ(ティム・ロビンス)が刑務所行きとなる妻殺しの裁判があり、
護送車でショーシャンクへ送り込まれ、
冷酷な所長や鬼看守、
奇人変人だらけの囚人たちが順序良く昼間から、
夜、夜中、翌朝に向かって紹介されています。


☆。.:*:・'゜★。


舞台は50年代から60年代にかけて。

囚人たちは、いまなら人権問題を問われそうな乱暴で不衛生な扱いを受けています。
この初日の描写はほぼ映画のオリジナル。

グラウンドホテル形式の映画の出だしの御手本のような脚本で、
舞台と人物が少しづつ個性を加味されて登場します。


☆。.:*:・'゜★。


まずレッドはアンディをギャンブルの対象として注目する。
便利屋レッドの仕事振りが短く紹介され、
視点はアンディの側に変わって、
聖書を引用する署長や
その僕として暴力を振るう鬼看守の狼藉に合う者たちが描かれます。

そしてアンディはレッドの予想を裏切るような強靭なところを見せます。

食事の中に紛れ込んでいた芋虫を欲しがった老人は、
あとで図書係りブルックスとして再登場、
ブルックスがカラスの子に芋虫を食わせて、
空に逃がしてやるところまでの流れは御見事です。

カラスは窓の外の小さな空から牢獄の外の世界に飛び去っていきます。

 アンディは洗濯場に配属され、
ゲイの「シスター」達にリンチに会うところで原作の流れに乗り、
運動場でレッドにロックハンマーの調達を頼むところから本格的に二人の絡みが始まります。

原作では特に工夫も無く出てくる屋根のタール塗りは、
囚人たちが高倍率の抽選を勝ちぬいてせしめる仕事として出てきます。

タール塗りの現場で、アンディが鬼看守を手玉にとって、
仲間たちにビールをおごらせるくだりは原作でも前半のハイライトです。

脚本は裾野である序盤を丁寧に固め、
ハイライトの頂の高みをうまい具合に強調しています。

「看守にゴマをすりたかったのか、仲間が欲しかったのか、
そこのところは分からない。だか、アンディは安らぎが欲しかったんじゃないか」
初夏の青空を見上げる囚人たちに被るレッドのモノローグは映画のオリジナルである。…



この続きの原作比較レビューは
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