「さまよう刃/社会派サスペンス映画脚本の書き方」
原作小説と映画脚本比較により脚本の書き方・成り立ちを探ります。ハリウッド脚本の極意、世界名作の秘密に迫ります。全体に「ねたばれ」の要素がありますので、要注意。
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■原作小説 「さまよう刃」 2008年 角川文庫刊 東野圭吾著 |
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■映画作品基礎データ 「さまよう刃」 2009年 日本映画 監督・脚本:益子昌一 出演:寺尾聰 |
| 本作原作文庫 本作映画チラシ ■脚本の書き方■ 原作小説と映画脚本比較レビュー・インディスク 「食堂かたつむり」 「さまよう刃」 「空気人形」 「火天の城」 「TAJOMARU」 「南極料理人」 「ハリー・ポッターと謎のプリンス」 「天使と悪魔」 「ジェネラル・ルージュの凱旋」 「地球が静止する日」 「デス・レース」 「ホームレス中学生」 「容疑者Xの献身」 「パコと魔法の絵本」 「西の魔女が死んだ」 「ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛」原作=C.S.ルイス 「ライラの冒険 黄金の羅針盤」原作=フィリップ・プルマン 「陰日向に咲く」原作=劇団ひとり 「ミッドナイトイーグル」原作=高嶋哲夫 「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」原作=J・K・ローリング 「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」原作=リリー・フランキー 「墨攻」原作=酒見賢一 「暗いところで待ち合わせ」原作=乙一 「プラダを着た悪魔」原作=ローレン・ワイズバーガー 「夜のピクニック」原作=恩田陸 「ゲド戦記」原作ル=グウィン 「ダ・ヴィンチ・コード」原作ダン・ブラウン 「ナルニア国物語/第1章ライオンと魔女」原作C・S・ルイス 「博士の愛した数式」原作小川洋子 「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」原作J.K.ローリング 「亡国のイージス」原作福井晴敏 「宇宙戦争」原作H.G.ウェルズ 「四日間の奇蹟」原作浅倉卓弥 「アビエイター」原作ジョン・キーツ 「オペラ座の怪人」原作ガストン・ルルー 「ハウルの動く城」原作ダイアナ・ウィン・ジョーンズ 「ターンレフト・ターンライト」主演:金城武 「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」 主演:ダニエル・ラドクリフ 「下妻物語」原作嶽本野ばら 「世界の中心で、愛を叫ぶ」原作片山恭一 「ジョゼと虎と魚たち」原作田辺聖子 「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」原作J.R.R.トールキン 「アイデン&ティティ」原作みうらじゅん 「精霊流し」原作さだまさし 「マッチスティック・メン」監督リドリー・スコット 「コンフェッション」原作チャック・バリス 「ソラリス」監督スティーブン・ソダーバーグ 「魔界転生」原作山田風太郎 「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」原作フランク・w・アバグネイル 「ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔」原作J.R.R.トールキン 「黄泉がえり」原作梶尾真治 「レッドドラゴン」原作トマス・ハリス 「マイノリティ・リポート」原作F・K・ディック 「ハリーポッターと秘密の部屋」J.K.ローリング著 「ザ・リング the ring」主演ナオミ・ワッツ 「アバウト・ア・ボーイ」原作ニック・ホーンディ 「タイムマシン」原作小説H・G・ウェルズ 「GO」脚本:宮藤官九郎 「ロード・オブ・ザ・リング」脚本ピーター・ジャクソン 「ハリー・ポッターと賢者の石」脚本スティーブ・クローブス 「PLANET OF THE APES/猿の惑星」監督ティム・バートン 「陰陽師」脚本福田靖 「ブリジット・ジョーンズの日記」脚本アンドリュー・デイヴィス 「バトル・ロワイヤル」脚本深作健太 「エクソシスト ディレクターズカット」主演リンダ・ブレア 「クロスファイア」脚本山田耕大 「ファイト・クラブ」監督デビット・フィンチャー 「共同警備区域JSA」原作小説パク サンヨン 「ナインスゲート」脚本:ジョン ブラウンジョン 「ハンニバル」脚本デビット・マメット 「ホワイトアウト」原作小説真保裕一 「リプリー」原作パトリシア・ハイスミス 「黒い家」脚本大森寿美男 「ISOLA多重人格少女」脚本水谷俊之 「シン・レッド・ライン」脚本テレンス・マリック 「魔女の宅急便」監督宮崎駿 「リング」脚本高橋洋 「コンタクト」監督:ロバート・ゼメキス 「L.A.コンフィデンシャル」脚本カーティス・ハンソン 「セブン・イヤーズ・イン・チベット」原作小説:ハインリヒ・ハラー 「さらば、わが愛 覇王別姫」監督チェン・カイコー 「バラサイト・イブ」脚本君塚良一 「アポロ13号」監督ロン・ハワード 「マディソン郡の橋」脚本リチャード ラグラベニーズ 「ショーシャンクの空に」脚本フランク・ダラボン 「フォレスト・ガンプ」脚本エリック・ロス 「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」原作小説アン・ライス 「ジュラシック・パーク」原作小説マイケル・クライトン 「シンドラーのリスト」脚本スティーブン・ザイリアン 「イヤー・オブ・ザ・ガン」原作マイケル・ミューショー 「ダンス・ウィズ・ウルブズ」脚本マイケル・ブレイク 「レナードの朝」主演ロビン・ウィリアム 「トータルリコール」原作小説フィリップ・K・ディック 「レッドオクトーバーを追え!」脚本ラリー・ファーガソン 「ワイルド・アット・ハート」脚本デイヴィッド・リンチ 「ミザリー」原作小説スティーブン・キング 「ダイ・ハード」監督ジョン・マクティアナン 「仕立て屋の恋」原作小説ジョルジュ・シムノ 「時をかける少女」脚本剣持亘 「ブレード・ランナー」原作小説フィリップ・K・ディック 「惑星ソラリス」監督アンドレイ・タルコフスキー 「犬神家の一族」原作小説横溝正史 「ゴッドファーザー」監督フランシス・F・コッポラ |
mixi(ミクシー)「独身社会人映画ファンコミュニティ」に入ろう! 「秘密」で第52回日本推理作家協会賞、 「容疑者Xの献身」で第134回直木賞を受賞し、 他にも「流星の絆」「手紙」など映画・ドラマ化作品でヒットを 連発している作家・東野圭吾。 そんな東野作品の中でも問題作と位置づけられている「さまよう刃」は、 少年法と被害者感情の乖離など社会に対する問題提起が話題となり、 現在までに150万部を越すベストセラー記録を樹立しています。 監督・脚本は『ひまわり』『きょうのできごと』など数多くの 行定 勲監督作品のプロデューサーであり、脚本家としても知られる益子昌一。 08年公開の映画『むずかしい恋』以来2本目の監督作品となる。 撮影は『レッドクリフ』(ジョン・ウー監督)などで撮影を務めた中国の王 敏(ワン ミン)。 音楽は押井 守作品をはじめとする話題作を数多く手がける川井憲次。 原作は文庫版でも約五百ページの大作です。 それをどのように映画化したのでしょうか。 人気の東野作品。その映像化の秘密を追いかけます。 それでははじめましょう。 ┏┓ ┗■ 脚本に書き込む季節感 └──────────────────────────────── 冬のある朝、 荒川べりで無残な制服姿の少女の死体が発見された。 事件現場に駆けつけた刑事、織部孝史(竹野内豊)と真野真(伊東四朗)は、 彼女の死体に強姦と薬物注射の痕跡があることを知る。 やがて被害者は、 長峰重樹(寺尾聡)の一人娘で、中学生の絵摩であることが判明。 遺体安置室へやってきた長峰は、変わり果てた娘と対面する。 妻を亡くし、絵摩の成長だけを楽しみに生きてきた長峰は、 絶望の淵へと叩き落される。 その哀れな姿に、織部刑事はかける言葉が見つからなかった。 失意の中、無気力な日々を送る長峰の家の留守電に、 見知らぬ人間からのメッセージが入った。 「絵摩さんは、スガノカイジとトモザキアツヤに殺されました」 犯人の名前と住所まで詳細に述べるメッセージの主は何者なのか。 内容の真偽を確かめる術もない長峰は、 警察に捜査状況の進展を尋ねるが、刑事たちは言葉を濁すだけ。 ☆==☆ 苛立ちを覚えた長峰は単身、犯人の一人とされる伴崎のアパートを訪れた。 そこで彼が観たものは、 絵摩を力ずくでレイプする伴崎ともう一人の少年を写したビデオテープだった。 そのテープには薬物を投与されて動かなくなった絵摩を、 まるで物のように扱う彼らの行動までが収められていた。 メッセージの信懸性を確信した長峰は、激しい働突と怒りに駆られながら、 伴崎の帰りを待つ。 やがて帰宅した伴崎の腹に刃物を突き立てた長峰は、 「スガノカイジはどこだ」と問い詰めた。 菅野が長野のペンションにいることを知った長峰は、 その日から姿を消した。 ほどなく伴崎の死体が発見され、現場の指紋から警察は長峰の犯行だと断定する。 長峰に電話したのは伴崎らの使い走りをさせられていた中井(佐藤貴広)だった。 絵摩を拉致した時の車の運転をしていたのが中井だ。 事件に巻き込まれるのを恐れた中井は、 あわよくば長峰に菅野を殺させようと密告の電話をしたのだった。 その行いは、たちまち真野と織部の知るところとなり、 中井は警察の監視下に置かれる。 ☆==☆ ――以上が映画のオープニングから、中盤にかけての展開です。 原作では、長峰が自宅でライフルのカタログを見て、 花火大会に出かけた娘を待つ、という始まり方をしていますが、 映画ではただの通学の帰り道を襲われていますね。 筆者は以前に昼帯ドラマの企画書作りを手伝ったことがあります。 その時、広告代理店のプロデューサーから言われたのは、 お正月やクリスマス、終戦記念日には、“企画モノ”が入るので、 それ以外は、どのシーズンにはめ込んでも良いように、 季節感などのない企画書を書いてほしい、と言う事でした。 「さまよう刃」は見せ場の蓼科のシークエンスが、 冬に移されているようですが、 反対にオープニングはどの季節でも良いような内容になっています。 同じようにクライマックスでは、 撮影の都合とおぼしき、舞台の変更が行われています。 脚本は小説と違って、 実際の制作の都合で、テーマとは関わりのない部分で、 脚色がなされるものですが、 他方、映画では世界観を構築するために、 地の果てへでもロケに出かける等、 まったく逆の状況も起きます。 そこが映画作りの面白さ、やっかいさですね。 ☆==☆ 密告の電話の主が中井だと織部と真野たちが知るのは、 原作ではクライマックス近くで、 それまで延々と謎として引っ張っているのですが、 映画ではあっさり織部が見破っています。 これで原作の100ページ以上が省略されています。…
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