「仕立て屋の恋/大人の失恋ドラマ脚本の書き方」
原作小説と映画脚本比較により脚本の書き方・成り立ちを探ります。ハリウッド脚本の極意、世界名作の秘密に迫ります。全体に「ねたばれ」の要素がありますので、要注意

『仕立て屋の恋」文庫表紙 原作小説「仕立て屋の恋」
   ハヤカワ文庫  ジョルジュ・シムノ 著 
             高橋 啓 訳 
         1992年刊
         (フランスでの発表は1933年)

    
「仕立て屋の恋」映画ポスター   フランス映画 1988年 
    監督:パトリス・ルコント
    脚本:パトリック・ドゥヴォルフ
    出演者:ミシェル・ブラン サンドリーヌ・ボネール

  本作原作文庫
  本作映画ビデオ





■脚本の書き方■
原作小説と映画脚本比較レビュー・インディスク


「亡国のイージス」原作福井晴敏
「宇宙戦争」原作H.G.ウェルズ「新コンテンツ」です。
「四日間の奇蹟」原作浅倉卓弥
「アビエイター」原作ジョン・キーツ
「オペラ座の怪人」原作ガストン・ルルー
「ハウルの動く城」原作ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「ターンレフト・ターンライト」主演:金城武
「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」 主演:ダニエル・ラドクリフ
「下妻物語」原作嶽本野ばら
「世界の中心で、愛を叫ぶ」原作片山恭一
「ジョゼと虎と魚たち」原作田辺聖子
「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」原作J.R.R.トールキン
「アイデン&ティティ」原作みうらじゅん
「精霊流し」原作さだまさし
「マッチスティック・メン」監督リドリー・スコット
「コンフェッション」原作チャック・バリス
「ソラリス」監督スティーブン・ソダーバーグ
「魔界転生」原作山田風太郎
「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」原作フランク・w・アバグネイル
「ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔」原作J.R.R.トールキン
「黄泉がえり」原作梶尾真治
「レッドドラゴン」原作トマス・ハリス
「マイノリティ・リポート」原作F・K・ディック
「ハリーポッターと秘密の部屋」J.K.ローリング著
「ザ・リング the ring」主演ナオミ・ワッツ
「アバウト・ア・ボーイ」原作ニック・ホーンディ
「タイムマシン」原作小説H・G・ウェルズ
「GO」脚本:宮藤官九郎
「ロード・オブ・ザ・リング」脚本ピーター・ジャクソン
「ハリー・ポッターと賢者の石」脚本スティーブ・クローブス
「PLANET OF THE APES/猿の惑星」監督ティム・バートン
「陰陽師」脚本福田靖
「ブリジット・ジョーンズの日記」脚本アンドリュー・デイヴィス
「バトル・ロワイヤル」脚本深作健太
「エクソシスト ディレクターズカット」主演リンダ・ブレア
「クロスファイア」脚本山田耕大
「ファイト・クラブ」監督デビット・フィンチャー
「共同警備区域JSA」原作小説パク サンヨン
「ナインスゲート」脚本:ジョン ブラウンジョン
「ハンニバル」脚本デビット・マメット
「ホワイトアウト」原作小説真保裕一
「リプリー」原作パトリシア・ハイスミス
「黒い家」脚本大森寿美男
「17歳のカルテ」主演ウィノナ・ライダー
「ISOLA多重人格少女」脚本水谷俊之
「シン・レッド・ライン」脚本テレンス・マリック
「魔女の宅急便」監督宮崎駿
「リング」脚本高橋洋
「コンタクト」監督:ロバート・ゼメキス
「L.A.コンフィデンシャル」脚本カーティス・ハンソン
「セブン・イヤーズ・イン・チベット」原作小説:ハインリヒ・ハラー
「さらば、わが愛 覇王別姫」監督チェン・カイコー
「バラサイト・イブ」脚本君塚良一
「耳をすませば」
制作スタジオ・ジプリ
「アポロ13号」監督ロン・ハワード
「マディソン郡の橋」脚本リチャード ラグラベニーズ
「ショーシャンクの空に」脚本フランク・ダラボン
「フォレスト・ガンプ」脚本エリック・ロス
「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」原作小説アン・ライス
「ジュラシック・パーク」原作小説マイケル・クライトン
「シンドラーのリスト」脚本スティーブン・ザイリアン
「イヤー・オブ・ザ・ガン」原作マイケル・ミューショー
「ダンス・ウィズ・ウルブズ」脚本マイケル・ブレイク
「レナードの朝」主演ロビン・ウィリアム
「トータルリコール」原作小説フィリップ・K・ディック
「レッドオクトーバーを追え!」脚本ラリー・ファーガソン
「ワイルド・アット・ハート」脚本デイヴィッド・リンチ
「ミザリー」原作小説スティーブン・キング
   「ダイ・ハード」監督ジョン・マクティアナン
「仕立て屋の恋」原作小説ジョルジュ・シムノ
「時をかける少女」脚本剣持亘
「ブレード・ランナー」原作小説フィリップ・K・ディック
「惑星ソラリス」監督アンドレイ・タルコフスキー
「犬神家の一族」原作小説横溝正史
「ゴッドファーザー」監督フランシス・F・コッポラ
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監督は「髪結いの亭主」のパトリス・ルコント。
私はこれを名画座で見ています。
中年の男に美人の奥さん、街の床屋。
たったそれだけで大人のファンタジーを取り上げた監督の力量に舌
を巻きました。
この「仕立て屋の恋」は「髪結いの亭主」の成功の後、
日本でも公開されています。
製作は「髪結いの亭主」が89年、「仕立て屋の恋」が88年で逆
のようですが。

孤独な日々を送っている仕立て屋のイール氏。
唯一の楽しみは向かいの窓の隙間から、美しい女アリスを覗き見る
ことだったが、ある夜、恐ろしい出来事を目撃する、、、。

原作はミステリーの傑作、メグレ・シリーズのジョルジュ・シムノ
ン。
1933年に発表された「イール氏の婚約」。
翻訳本は、映画の日本公開にあわせて92年に「仕立て屋の恋」の
タイトルで
ハヤカワ文庫から出ています。
1933年はシムノン30歳の時で、
31年に始まったメグレの第一シリーズが終わった時期に書かれて
います。
シムノンは30年頃からフロントやユングに傾倒していたそうで、
「仕立て屋の恋」は流行作家として売り出した作者が、
既成のミステリーの枠から出て新しい可能性を探ろうとした作品の
一つ、
として批評家には位置付けられているようです。
33年という年は、ヒトラーのナチスがドイツで政権をとり、
日独が国際連盟を脱退した年でもあります。

謎解きの興味より、純粋な心理サスペンスとして読ませます。
孤独な中年の男。窓の向こうの美女。パリの街。
道具立てはこれだけです。
舞台は現代、いやどうなんだろう。
33年当時でも構わないような構成です。
フィルムのを見ても、あまり現代風俗を感じられませんし、
さりとてヒトラーなどが出てくるわけではないので昔の話という設
定にも見えません。

原作はアパートメントの管理人が警察にたれ込みをして、
刑事が事情聴取に現れるところから始まっています。
映画は刑事の被害者である若い女性の検死から始まっています。
「死に適齢期はない」というモノローグは刑事のものです。
原作の刑事は、複数で後半で登場する警視も含めてキャラクターが
ありませ
ん。
映画では彼らを一つにして感情を持った1人の男という風に描いて
います。

独り者の主人公イール(ミシェル・ブラン) に若い女性の殺人容
疑がかかり、
刑事が張り込みで彼を見張るようになります。
原作では、主人公は仕立屋ではなく、
求人広告を出してインチキ教材を売りつけ、小銭を稼いでいる男と
いうふうになっている。
仕立屋は死んだ父親の仕事である。
ドラマの結末から逆算すると、
いかがわしげな人物があるという背景は取り払って置いた方がよい
ので、
無口な職人といった判りやすいプロフィールを持たせている。

人付き合いが下手で友人も恋人もない孤独な男。
几帳面で清潔好きで部屋は掃除が行き届き、きちんと整理されてい
る。
彼の唯一の悪癖というか、人間らしい部分は、
向かいの若い女の部屋を覗くと言うことだ。
その女、アリス(サンドリーヌ・ボネール)には恋人がいて、部屋
にもやってくる。

原作では、イールは留守宅の女の部屋に忍び込み、自分の部屋を見
上げると
実は自分の部屋の方も丸見えだということを知る。
アリスは彼の覗きを知っていた筈だ。

本作品の原作比較レビューの続きは
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