「シンドラーのリスト」/反戦ドラマ脚本の書き方
原作小説と映画脚本比較により脚本の書き方・成り立ちを探ります。ハリウッド脚本の極意、世界名作の秘密に迫ります。全体に「ねたばれ」の要素がありますので、要注意

「シンドラーのリスト」原作文庫本 原作小説
「シンドラーズ・リスト 1,200人のユダヤ人を救ったドイツ人」
新潮文社刊
トマス・キニーリー 著
磯野 宏      訳
1988年発行

         
「シンドラーのリスト」映画ポスター 1993年 アメリカ映画
監督:スティーブン・スピルバーグ
   (「ジュラシック・パーク」
脚本:スティーブン・ザイリアン(「レナードの朝」「ハンニバル」)
出演者:リーアム・ニーソン

アカデミー賞(1993年)第66回
作品賞 、監督賞(スティーブン・スピルバーグ) 、脚色賞 、撮影賞 、音楽賞
ゴールデングローブ賞(1993年)第51回
作品賞(ドラマ部門) 、監督賞(スティーブン・スピルバーグ)
 本作原作文庫
  本作映画
  ビデオパッケージ





■脚本の書き方■
原作小説と映画脚本比較レビュー・インディスク


「ハリー・ポッターと謎のプリンス」
「天使と悪魔」
「ジェネラル・ルージュの凱旋」
「地球が静止する日」
「デス・レース」
「ホームレス中学生」
「容疑者Xの献身」
「パコと魔法の絵本」
「西の魔女が死んだ」
「ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛」
原作=C.S.ルイス
「ジャンパー」原作=スティーブン・グールド
「ライラの冒険 黄金の羅針盤
原作=フィリップ・プルマン
「陰日向に咲く」原作=劇団ひとり
「ミッドナイトイーグル」原作=高嶋哲夫
「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」原作=J・K・ローリング
「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」原作=リリー・フランキー
「佐賀のがばいばあちゃん」原作=島田洋七
「墨攻」原作=酒見賢一
「暗いところで待ち合わせ」原作=乙一
「プラダを着た悪魔」
原作=ローレン・ワイズバーガー
「夜のピクニック」原作=恩田陸
「ゲド戦記」原作ル=グウィン
「ダ・ヴィンチ・コード」原作ダン・ブラウン
「ナルニア国物語/第1章ライオンと魔女」原作C・S・ルイス
「博士の愛した数式」原作小川洋子
「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」
原作J.K.ローリング

「亡国のイージス」原作福井晴敏
「宇宙戦争」原作H.G.ウェルズ
「四日間の奇蹟」原作浅倉卓弥
「アビエイター」原作ジョン・キーツ
「オペラ座の怪人」原作ガストン・ルルー
「ハウルの動く城」原作ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「ターンレフト・ターンライト」主演:金城武
「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」 主演:ダニエル・ラドクリフ
「下妻物語」原作嶽本野ばら
「世界の中心で、愛を叫ぶ」原作片山恭一
「ジョゼと虎と魚たち」原作田辺聖子
「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」原作J.R.R.トールキン
「アイデン&ティティ」原作みうらじゅん
「精霊流し」原作さだまさし
「マッチスティック・メン」監督リドリー・スコット
「コンフェッション」原作チャック・バリス
「ソラリス」監督スティーブン・ソダーバーグ
「魔界転生」原作山田風太郎
「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」原作フランク・w・アバグネイル
「ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔」原作J.R.R.トールキン
「黄泉がえり」原作梶尾真治
「レッドドラゴン」原作トマス・ハリス
「マイノリティ・リポート」原作F・K・ディック
「ハリーポッターと秘密の部屋」J.K.ローリング著
「ザ・リング the ring」主演ナオミ・ワッツ
「アバウト・ア・ボーイ」原作ニック・ホーンディ
「タイムマシン」原作小説H・G・ウェルズ
「GO」脚本:宮藤官九郎
「ロード・オブ・ザ・リング」脚本ピーター・ジャクソン
「ハリー・ポッターと賢者の石」脚本スティーブ・クローブス
「PLANET OF THE APES/猿の惑星」監督ティム・バートン
「陰陽師」脚本福田靖
「ブリジット・ジョーンズの日記」脚本アンドリュー・デイヴィス
「バトル・ロワイヤル」脚本深作健太
「エクソシスト ディレクターズカット」主演リンダ・ブレア
「クロスファイア」脚本山田耕大
「ファイト・クラブ」監督デビット・フィンチャー
「共同警備区域JSA」原作小説パク サンヨン
「ナインスゲート」脚本:ジョン ブラウンジョン
「ハンニバル」脚本デビット・マメット
「ホワイトアウト」原作小説真保裕一
「リプリー」原作パトリシア・ハイスミス
「黒い家」脚本大森寿美男
「17歳のカルテ」主演ウィノナ・ライダー
「ISOLA多重人格少女」脚本水谷俊之
「シン・レッド・ライン」脚本テレンス・マリック
「魔女の宅急便」監督宮崎駿
「リング」脚本高橋洋
「コンタクト」監督:ロバート・ゼメキス
「L.A.コンフィデンシャル」脚本カーティス・ハンソン
「セブン・イヤーズ・イン・チベット」原作小説:ハインリヒ・ハラー
「さらば、わが愛 覇王別姫」監督チェン・カイコー
「バラサイト・イブ」脚本君塚良一
「耳をすませば」
制作スタジオ・ジプリ
「アポロ13号」監督ロン・ハワード
「マディソン郡の橋」脚本リチャード ラグラベニーズ
「ショーシャンクの空に」脚本フランク・ダラボン
「フォレスト・ガンプ」脚本エリック・ロス
「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」原作小説アン・ライス
「ジュラシック・パーク」原作小説マイケル・クライトン
「シンドラーのリスト」脚本スティーブン・ザイリアン
「イヤー・オブ・ザ・ガン」原作マイケル・ミューショー
「ダンス・ウィズ・ウルブズ」脚本マイケル・ブレイク
「レナードの朝」主演ロビン・ウィリアム
「トータルリコール」原作小説フィリップ・K・ディック
「レッドオクトーバーを追え!」脚本ラリー・ファーガソン
「ワイルド・アット・ハート」脚本デイヴィッド・リンチ
「ミザリー」原作小説スティーブン・キング
   「ダイ・ハード」監督ジョン・マクティアナン
「仕立て屋の恋」原作小説ジョルジュ・シムノ
「時をかける少女」脚本剣持亘
「ブレード・ランナー」原作小説フィリップ・K・ディック
「惑星ソラリス」監督アンドレイ・タルコフスキー
「犬神家の一族」原作小説横溝正史
「ゴッドファーザー」監督フランシス・F・コッポラ

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「カラーパープル」からこちらスピルバーグはシリアス映画のメガホンを取って来ましたが、
念願のオスカーを手にしたのは本作「シンドラーのリスト」です。
オスカー・シンドラーは実在の人物で、彼がクラクフでやったことは史実なのですが、
作品には原作があり、スティーブン・ザイリアンの脚本は、アカデミー脚色賞を
受賞しています。
小説の脚色とは趣が異なりますが、
映画も名作であり、膨大な資料を丹念に集めたドキュメントを如何に映画化していったか、
ストーリーを追いかけたいと考えます。

映画は名も無きユダヤ人の家庭の祈りから始まります。
テーブル上に灯されたロウソクに「シンドラーズリスト」のメインタイトルが
被り、カラーの画面がロウソクの明かり以外、モノクロに変わります。

原作はポーランドの地方都市、クラクフにオスカー・シンドラーが
やってきたところから始まります。
既にナチスはポーランドを占領しており、
シンドラーはナチスと顔の繋がった工場主として軍関係者の夜会に現れます。
話は彼の出生までさかのぼって、
比較的裕福な家庭に育って、親の反対を押し切って
敬虔なクリスチャンの妻と結婚したものの生来の酒好き、遊び好き、女好きがたたって、
結婚生活にまったく失敗した事と、
社交性の良さで営業マンとして成功し、さしたる苦労も無いまま台所用品の工場を起こし、
ユダヤ人に対する同じドイツ人の迫害に辟易しながらも、
野営用の炊事用具を手がけたことから、ドイツ軍と深く関わるようになっていった
過程が俯瞰されています。

映画はクラクフの駅にユダヤ人たちを乗せた列車が到着するところから始まってます。
ナチスの政策でユダヤ人たちを収容するゲットーが建設されるのです。
小説冒頭の夜会に当たるシーンが映画の冒頭にもあります。
しかし、これはナチスの将校達が出入りするカフェにシンドラーが現れ、
気前良く札びらを切って将校達に取り入るというシーンに変更されています。
仕立ての良いスーツを着た長身でハンサムの謎の男がさっそうと姿を現し、
一夜にして人気者になってしまう。彼の名はオスカー・シンドラー。
といったニュアンスで、ここではじめてクラクフにやってきたかのように
描かれています。

シンドラーは次に、
ゲットーの問題を受付けるユダヤ評議会にやってきて、
会計士のイザック・シュターン(ベン・キングズレー)を雇います。
「失礼、私はユダヤ人ですが?」
「それを言うなら私はドイツ人だ。仕事の話をしよう」
工場を始めるのでユダヤ人の出資者を募りたいと彼に持ちかけますが、
「ユダヤ人の事業投資は禁止されています」
シュターンは当時のナチスの政策を説明しますが、シンドラーは少しも慌てず
「報酬を現物支給する。鍋釜を配るよ。すぐ換金できるさ」
戦時下の人種隔離政策を逆手にとって商売をしようというのです。
抜け目無いクールなビジネスマンとしての側面が強調されています。
シンドラーはユダヤ教会にもやってきて、
裏町の「調達屋」に渡りをつけ、工場の経営スタッフにするとともに、
起業に必要な人や物あつめを進めます。
潰れた会社を買い取りエナメル容器工場をスタートさせるシンドラー。

原作ではシンドラーは当初よりユダヤ人迫害を憎む軍事産業の経営者として登場しているので、
彼自身に対する興味より、
むしろ、無名の一地方都市に過ぎなかったクラクフが、
ナチスの手によって街全体が強大なゲットーに改造され、
集団収容のための施策や組織づくりが次々に行われていく様子を比較的丹念に追い掛けています。
映画でも名前が登場するユダヤ評議会や自警団の内部では、
ナチスに取り入って己の力を伸ばそうとするユダヤ人などもいて、
ゲットー内部の力関係や人間模様が展開しているのですが、
映画ではほとんど登場しません。

本作品の原作比較レビューの続きは
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