「TAJOMARU/純文学からアクションヒーローへジャンルを跨ぐ脚本の書き方」
原作小説と映画脚本比較により脚本の書き方・成り立ちを探ります。ハリウッド脚本の極意、世界名作の秘密に迫ります。全体に「ねたばれ」の要素がありますので、要注意。

「TAJOMARU」原作「藪の中」表紙 ■原作小説
「藪の中」
2009年 講談社文庫刊
(原本の発表は大正10年)
芥川龍之介  著

    
「TAJOMARU」映画チラシ ■映画作品基礎データ
「TAJOMARU」
2009年 日本映画
監督:中野裕之
脚本:市川森一 水島力也
出演:小栗旬
  本作原作文庫
  本作映画チラシ





■脚本の書き方■
原作小説と映画脚本比較レビュー・インディスク

「南極料理人」

「ハリー・ポッターと謎のプリンス」

「天使と悪魔」

「ジェネラル・ルージュの凱旋」

「地球が静止する日」

「デス・レース」

「ホームレス中学生」

「容疑者Xの献身」


「パコと魔法の絵本」

「西の魔女が死んだ」

「ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛」原作=C.S.ルイス
「ライラの冒険 黄金の羅針盤原作=フィリップ・プルマン

「陰日向に咲く」原作=劇団ひとり
「ミッドナイトイーグル」原作=高嶋哲夫
「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」原作=J・K・ローリング

「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」原作=リリー・フランキー
「墨攻」原作=酒見賢一
「暗いところで待ち合わせ」原作=乙一
「プラダを着た悪魔」
原作=ローレン・ワイズバーガー
「夜のピクニック」原作=恩田陸
「ゲド戦記」原作ル=グウィン
「ダ・ヴィンチ・コード」原作ダン・ブラウン
「ナルニア国物語/第1章ライオンと魔女」原作C・S・ルイス
「博士の愛した数式」原作小川洋子
「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」原作J.K.ローリング
「亡国のイージス」原作福井晴敏
「宇宙戦争」原作H.G.ウェルズ
「四日間の奇蹟」原作浅倉卓弥
「アビエイター」原作ジョン・キーツ
「オペラ座の怪人」原作ガストン・ルルー
「ハウルの動く城」原作ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「ターンレフト・ターンライト」主演:金城武
「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」 主演:ダニエル・ラドクリフ
「下妻物語」原作嶽本野ばら
「世界の中心で、愛を叫ぶ」原作片山恭一
「ジョゼと虎と魚たち」原作田辺聖子
「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」原作J.R.R.トールキン
「アイデン&ティティ」原作みうらじゅん
「精霊流し」原作さだまさし
「マッチスティック・メン」監督リドリー・スコット
「コンフェッション」原作チャック・バリス
「ソラリス」監督スティーブン・ソダーバーグ
「魔界転生」原作山田風太郎
「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」原作フランク・w・アバグネイル
「ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔」原作J.R.R.トールキン
「黄泉がえり」原作梶尾真治
「レッドドラゴン」原作トマス・ハリス
「マイノリティ・リポート」原作F・K・ディック
「ハリーポッターと秘密の部屋」J.K.ローリング著
「ザ・リング the ring」主演ナオミ・ワッツ
「アバウト・ア・ボーイ」原作ニック・ホーンディ
「タイムマシン」原作小説H・G・ウェルズ
「GO」脚本:宮藤官九郎
「ロード・オブ・ザ・リング」脚本ピーター・ジャクソン
「ハリー・ポッターと賢者の石」脚本スティーブ・クローブス
「PLANET OF THE APES/猿の惑星」監督ティム・バートン
「陰陽師」脚本福田靖
「ブリジット・ジョーンズの日記」脚本アンドリュー・デイヴィス
「バトル・ロワイヤル」脚本深作健太
「エクソシスト ディレクターズカット」主演リンダ・ブレア
「クロスファイア」脚本山田耕大
「ファイト・クラブ」監督デビット・フィンチャー
「共同警備区域JSA」原作小説パク サンヨン
「ナインスゲート」脚本:ジョン ブラウンジョン
「ハンニバル」脚本デビット・マメット
「ホワイトアウト」原作小説真保裕一
「リプリー」原作パトリシア・ハイスミス
「黒い家」脚本大森寿美男
「ISOLA多重人格少女」脚本水谷俊之
「シン・レッド・ライン」脚本テレンス・マリック
「魔女の宅急便」監督宮崎駿
「リング」脚本高橋洋
「コンタクト」監督:ロバート・ゼメキス
「L.A.コンフィデンシャル」脚本カーティス・ハンソン
「セブン・イヤーズ・イン・チベット」原作小説:ハインリヒ・ハラー
「さらば、わが愛 覇王別姫」監督チェン・カイコー
「バラサイト・イブ」脚本君塚良一
「アポロ13号」監督ロン・ハワード
「マディソン郡の橋」脚本リチャード ラグラベニーズ
「ショーシャンクの空に」脚本フランク・ダラボン
「フォレスト・ガンプ」脚本エリック・ロス
「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」原作小説アン・ライス
「ジュラシック・パーク」原作小説マイケル・クライトン
「シンドラーのリスト」脚本スティーブン・ザイリアン
「イヤー・オブ・ザ・ガン」原作マイケル・ミューショー
「ダンス・ウィズ・ウルブズ」脚本マイケル・ブレイク
「レナードの朝」主演ロビン・ウィリアム
「トータルリコール」原作小説フィリップ・K・ディック
「レッドオクトーバーを追え!」脚本ラリー・ファーガソン
「ワイルド・アット・ハート」脚本デイヴィッド・リンチ
「ミザリー」原作小説スティーブン・キング
「ダイ・ハード」監督ジョン・マクティアナン
「仕立て屋の恋」原作小説ジョルジュ・シムノ
「時をかける少女」脚本剣持亘
「ブレード・ランナー」原作小説フィリップ・K・ディック
「惑星ソラリス」監督アンドレイ・タルコフスキー
「犬神家の一族」原作小説横溝正史
「ゴッドファーザー」監督フランシス・F・コッポラ

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芥川龍之介の「藪の中」は、
黒澤明によって「羅生門」というタイトルで1950年に映画化されて以来、
三度映像化されています。
室町時代末、若い侍とその新妻が山中で山賊に出くわし、
若い侍が命を落とす。
一見ただの強盗殺人事件のように見えた事件が、
検非違使のお白州に集められた七人の証言が
まったく食い違い、人間の不条理を暴く、という内容です。

黒澤の「羅生門」はじめ多くのリメイク作品は、
一人一人がお白州に登場し、
それぞれの記憶、という名の己の主観で
事件を語るのですが、
この「TAJOMARU」については、
その内のひとりにスポットを当て、
彼の視点から見た、正義と真実のドラマとして
映画化されています。

そのひとりとは山賊・多襄丸?
いえ、被害者の若い侍、金沢の武弘です。
ですが、山賊・多襄丸でもあります。

いったいこれはどうしたことでしょう?
それはあらすじをじっくり追いかけていけば分かります。

では、はじめましょう。


┏┓
┗■  畠山家の次男と大納言家の姫
 └────────────────────────────────


プロデューサーの山本又一郎氏は
古くは「ベルサイユの薔薇」「がんばれタブチくん」
「太陽を盗んだ男」等の
プロデュースで知られる人ですが、
最近でも「あずみ」「クローズ ZERO」
両シリーズでもヒットを飛ばしています。

当初、市川森一の企画脚本は、
山賊に襲われ夫を裏切る新妻・真砂をヒロインに
悪女に見立てたものだったそうですが、
製作のワーナーブラザーズより
「カンヌで賞でも狙う気か?」と言われて路線変更。

山賊・多襄丸に主役を振って、アクションヒーローものとしました。
それがこの「TAJOMARU」です。


         ☆==☆


戦乱の世が近づく室町末期。
次期管領職を約束された名門・畠山家の長男・信綱(池内博之)と、次
男・直光(小栗旬)の仲を引き裂いたのは、八代将軍・足利義政(萩原健一)
の一言だった。先ごろの流行り病で亡くなった大納言の娘・阿古姫(柴太
宰)と結婚し、その財産を受け継いだほうを管領職に就ける、という突然
のお達し。義政の狙いは、大納言が還した金塊を手に入れることだった
が、兄弟の幼なじみである阿古姫は、今は直光の許嫁になっていた。

このままでは、本来自分のものになるはずの畠山家の家督も管領職
も、弟に持っていかれてしまうと焦った信綱は、「阿古と一緒になれさえ
すれば、金塊も家督もいらない」という直光の言葉を信じられず、阿古姫を
襲い、力ずくで自分のものにしてしまう。

それを知った直光は鶏すぐさま阿古を取り戻すが兄を敵に回し、迫っ
手を放たれる身に。阿古姫は、自分と一緒では死ぬまで追われることになると
信綱の下に戻ろうとするが、直光は「死ぬ時は一緒」と阿古姫を連れて逃げる。
付き従ったのは幼少時代からの忠臣・景時(近藤正臣)と、幼い頃、
屋敷に盗みに入って捕らえられ直光に助けられて以来、畠山家の家臣として
兄弟同然に育ってきた桜丸(田中圭)を含む僅かな家来のみ。


           ☆==☆


ここまでの映画の序盤はすべて「TAJOMARU」の
オリジナルです。

原作の人物と付き合わせると
武弘 → 直光
真砂 → 阿古姫
となり…


この続きの原作比較レビューは
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