「トータル・リコール/SFアクション脚本の書き方」
原作小説と映画脚本比較により脚本の書き方・成り立ちを探ります。ハリウッド脚本の極意、世界名作の秘密に迫ります。全体に「ねたばれ」の要素がありますので、要注意

原作小説 
角川書店1997年「記憶売ります」(当作品は早川書店版ディック作品集などにも収録されているが、ここでは97年版の訳本との比較レビューを行っている。) 
著者:フィリップ・K・ディック(「マイノリティ・リポート」「アンドロイドは電気羊の夢を見るか[映画「ブレードランナー」原作)
訳:福田宏年


         
「トータル・リコール」映画チラシ 映画「トータル・リコール」
1990年 アメリカ
「TOTAL RECALL」
監督:ポール・ヴァーホーベン
脚本:ロナルド・シュセット、ダン・オバノン、ジョン ポーヴィル
出演者:アーノルド・シュワルツネッガー、レイチェル・ティコティン、シャロン・ストーン、ロニー・コックス、マイケル・アイアンサイド
  本作原作文庫
  本作映画チラシ





■脚本の書き方■
原作小説と映画脚本比較レビュー・インディスク


ミッドナイトイーグル」原作=高嶋哲夫
「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」原作=J・K・ローリング

「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」原作=リリー・フランキー
「墨攻」原作=酒見賢一
「暗いところで待ち合わせ」原作=乙一
「プラダを着た悪魔」
原作=ローレン・ワイズバーガー
「夜のピクニック」原作=恩田陸
「ゲド戦記」原作ル=グウィン
「ダ・ヴィンチ・コード」原作ダン・ブラウン
「ナルニア国物語/第1章ライオンと魔女」原作C・S・ルイス
「博士の愛した数式」原作小川洋子
「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」原作J.K.ローリング
「亡国のイージス」原作福井晴敏
「宇宙戦争」原作H.G.ウェルズ

「四日間の奇蹟」原作浅倉卓弥
「アビエイター」原作ジョン・キーツ
「オペラ座の怪人」原作ガストン・ルルー
「ハウルの動く城」原作ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「ターンレフト・ターンライト」主演:金城武
「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」 主演:ダニエル・ラドクリフ
「下妻物語」原作嶽本野ばら
「世界の中心で、愛を叫ぶ」原作片山恭一
「ジョゼと虎と魚たち」原作田辺聖子
「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」原作J.R.R.トールキン
「アイデン&ティティ」原作みうらじゅん
「精霊流し」原作さだまさし
「マッチスティック・メン」監督リドリー・スコット
「コンフェッション」原作チャック・バリス
「ソラリス」監督スティーブン・ソダーバーグ
「魔界転生」原作山田風太郎
「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」原作フランク・w・アバグネイル
「ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔」原作J.R.R.トールキン
「黄泉がえり」原作梶尾真治
「レッドドラゴン」原作トマス・ハリス
「マイノリティ・リポート」原作F・K・ディック
「ハリーポッターと秘密の部屋」J.K.ローリング著
「ザ・リング the ring」主演ナオミ・ワッツ
「アバウト・ア・ボーイ」原作ニック・ホーンディ
「タイムマシン」原作小説H・G・ウェルズ
「GO」脚本:宮藤官九郎
「ロード・オブ・ザ・リング」脚本ピーター・ジャクソン
「ハリー・ポッターと賢者の石」脚本スティーブ・クローブス
「PLANET OF THE APES/猿の惑星」監督ティム・バートン
「陰陽師」脚本福田靖
「ブリジット・ジョーンズの日記」脚本アンドリュー・デイヴィス
「バトル・ロワイヤル」脚本深作健太
「エクソシスト ディレクターズカット」主演リンダ・ブレア
「クロスファイア」脚本山田耕大
「ファイト・クラブ」監督デビット・フィンチャー
「共同警備区域JSA」原作小説パク サンヨン
「ナインスゲート」脚本:ジョン ブラウンジョン
「ハンニバル」脚本デビット・マメット
「ホワイトアウト」原作小説真保裕一
「リプリー」原作パトリシア・ハイスミス
「黒い家」脚本大森寿美男
「17歳のカルテ」主演ウィノナ・ライダー
「ISOLA多重人格少女」脚本水谷俊之
「シン・レッド・ライン」脚本テレンス・マリック
「魔女の宅急便」監督宮崎駿
「リング」脚本高橋洋
「コンタクト」監督:ロバート・ゼメキス
「L.A.コンフィデンシャル」脚本カーティス・ハンソン
「セブン・イヤーズ・イン・チベット」原作小説:ハインリヒ・ハラー
「さらば、わが愛 覇王別姫」監督チェン・カイコー
「バラサイト・イブ」脚本君塚良一
「耳をすませば」
制作スタジオ・ジプリ
「アポロ13号」監督ロン・ハワード
「マディソン郡の橋」脚本リチャード ラグラベニーズ
「ショーシャンクの空に」脚本フランク・ダラボン
「フォレスト・ガンプ」脚本エリック・ロス
「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」原作小説アン・ライス
「ジュラシック・パーク」原作小説マイケル・クライトン
「シンドラーのリスト」脚本スティーブン・ザイリアン
「イヤー・オブ・ザ・ガン」原作マイケル・ミューショー
「ダンス・ウィズ・ウルブズ」脚本マイケル・ブレイク
「レナードの朝」主演ロビン・ウィリアム
「トータルリコール」原作小説フィリップ・K・ディック
「レッドオクトーバーを追え!」脚本ラリー・ファーガソン
「ワイルド・アット・ハート」脚本デイヴィッド・リンチ
「ミザリー」原作小説スティーブン・キング
   「ダイ・ハード」監督ジョン・マクティアナン
「仕立て屋の恋」原作小説ジョルジュ・シムノ
「時をかける少女」脚本剣持亘
「ブレード・ランナー」原作小説フィリップ・K・ディック
「惑星ソラリス」監督アンドレイ・タルコフスキー
「犬神家の一族」原作小説横溝正史
「ゴッドファーザー」監督フランシス・F・コッポラ

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フィリップ・K・ディックは「ブレードランナー」の原作「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」の著者として知られています。スピルバーグとトム・クルーズの「マイノリティ・リポート」もディックの短編が原作です。この作品「トータル・リコール」もディックの「記憶売ります」という短編をもとに脚本が書かれました。
余談ですが、「マイノリティ・リポート」はこの「トータル・リコール」の続編として映画企画されたこともあったそうです。もし実現していれば、トム・クルーズ主演でなくてシュワルツネッガー主演ということになった筈です。
「トータル・リコール」は過去の記憶が複数出て来て混乱する話ですが、「マイノリティ・リポート」は未来の予言が複数出てきて混乱する話なので、続編の候補に上がっても不自然ではありません。

近未来。
タグラス・クエイド(アーノルド・シュワルツネッガー)は妻ローリー(シャロン・ストーン)とともに平凡だが満ち足りた生活を送っていました。唯一の悩みは、毎夜の火星の悪夢。ブルネットの髪の女が現れ、ヘルメットのサンバイザーの割れ強い紫外線を浴びて焼け死ぬ夢を見るのです。
一度も訪れた事がないはずなのに、どこか見憶えのある風景です。
火星ではいま、コーヘイゲン長官がクアトー率いる自由軍団のテロと戦う不穏な状態でした。
彼は、記憶移植による疑似旅行を体験させるリコール社を訪れ、火星旅行の疑似記憶を選びます。
ブルネットの恋人と共に諜報部員として火星に侵入する夢をセットしてもらうのですが。
ところが思いもよらない事が起こります。
彼の火星での、秘密諜報員としての消された記憶が甦ったのです。
大暴れをはじめるクエイドに手を焼いたリコール社の技術者は、クエイドのリコール社のと火星旅行の記憶を消してタクシーに乗せて駅へ送り返してしまいます。

ここまでの流れは原作もほぼ同じです。
仕事仲間のハリーが「リコールで植物人間になりかけた奴がいる」という場面は映画のオリジナルで、クエイドの名前はクウェール、奥さんの名前はカースティンとなっています。
またリコール社で事前に受ける説明には、記憶の販売のほかに、物的証拠として旅券の半券や、偽物の記念写真などが提供されることが出てきますが、映画ではつまらないのかカットされています。ロボットタクシーは原作にも出てきます。

映画では、このあと駅でクエイドは仕事仲間のハリーと出くわします。ハリーは「火星旅行はどうなった? 一杯付き合え」と強引に誘い、クエイドが火星の事なんて知らない、と真顔で言うと「火星のことをしゃべったろう」と銃を突きつけます。
クエイドはハリーの銃をすばやく奪い、我に返ったときにはハリーを撃ち殺していました。
家に戻ったクエイドを今度は妻のローリーが襲います。
「夫婦の記憶は"機関"があなたに植え付けたものよ」
ローリーは実は監視役に過ぎなかったのです。

本作品の原作比較レビューの続きは
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