「宇宙戦争/SFパニック映画脚本の書き方」
原作小説と映画脚本比較により脚本の書き方・成り立ちを探ります。ハリウッド脚本の極意、世界名作の秘密に迫ります。全体に「ねたばれ」の要素がありますので、要注意。
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原作 「宇宙戦争」 H・G・ウェルズ 著 小田麻紀 訳 2005年刊 角川文庫 「宇宙戦争」については、角川文庫版、ハヤカワ文庫版、創元SF文庫版の訳本がありますが、 ここでは角川文庫版と映画公開作品を比較しています。 |
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映画 「宇宙戦争」 2005年 アメリカ映画 監督 スティーヴン・スピルバーグ 脚本 デヴィッド・コープ 、ジョシュ・フリードマン 出演 トム・クルーズ 、ダコタ・ファニング 、ティム・ロビンス |
| 本作原作文庫 本作映画チラシ ■脚本の書き方■ 原作小説と映画脚本比較レビュー・インディスク 「ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛」原作=C.S.ルイス 「ジャンパー」原作=スティーブン・グールド 「ライラの冒険 黄金の羅針盤」原作=フィリップ・プルマン 「陰日向に咲く」原作=劇団ひとり 「ミッドナイトイーグル」原作=高嶋哲夫 「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」原作=J・K・ローリング 「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」原作=リリー・フランキー 「墨攻」原作=酒見賢一 「暗いところで待ち合わせ」原作=乙一 「プラダを着た悪魔」原作=ローレン・ワイズバーガー 「夜のピクニック」原作=恩田陸 「ゲド戦記」原作ル=グウィン 「ダ・ヴィンチ・コード」原作ダン・ブラウン 「ナルニア国物語/第1章ライオンと魔女」原作C・S・ルイス 「博士の愛した数式」原作小川洋子 「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」原作J.K.ローリング 「亡国のイージス」原作福井晴敏 「四日間の奇蹟」原作浅倉卓弥 「アビエイター」原作ジョン・キーツ 「オペラ座の怪人」原作ガストン・ルルー 「ハウルの動く城」原作ダイアナ・ウィン・ジョーンズ 「ターンレフト・ターンライト」主演:金城武 「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」 主演:ダニエル・ラドクリフ 「下妻物語」原作嶽本野ばら 「世界の中心で、愛を叫ぶ」原作片山恭一 「ジョゼと虎と魚たち」原作田辺聖子 「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」原作J.R.R.トールキン 「アイデン&ティティ」原作みうらじゅん 「精霊流し」原作さだまさし 「マッチスティック・メン」監督リドリー・スコット 「コンフェッション」原作チャック・バリス 「ソラリス」監督スティーブン・ソダーバーグ 「魔界転生」原作山田風太郎 「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」原作フランク・w・アバグネイル 「ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔」原作J.R.R.トールキン 「黄泉がえり」原作梶尾真治 「レッドドラゴン」原作トマス・ハリス 「マイノリティ・リポート」原作F・K・ディック 「ハリーポッターと秘密の部屋」J.K.ローリング著 「ザ・リング the ring」主演ナオミ・ワッツ 「アバウト・ア・ボーイ」原作ニック・ホーンディ 「タイムマシン」原作小説H・G・ウェルズ 「GO」脚本:宮藤官九郎 「ロード・オブ・ザ・リング」脚本ピーター・ジャクソン 「ハリー・ポッターと賢者の石」脚本スティーブ・クローブス 「PLANET OF THE APES/猿の惑星」監督ティム・バートン 「陰陽師」脚本福田靖 「ブリジット・ジョーンズの日記」脚本アンドリュー・デイヴィス 「バトル・ロワイヤル」脚本深作健太 「エクソシスト ディレクターズカット」主演リンダ・ブレア 「クロスファイア」脚本山田耕大 「ファイト・クラブ」監督デビット・フィンチャー 「共同警備区域JSA」原作小説パク サンヨン 「ナインスゲート」脚本:ジョン ブラウンジョン 「ハンニバル」脚本デビット・マメット 「ホワイトアウト」原作小説真保裕一 「リプリー」原作パトリシア・ハイスミス 「黒い家」脚本大森寿美男 「ISOLA多重人格少女」脚本水谷俊之 「シン・レッド・ライン」脚本テレンス・マリック 「魔女の宅急便」監督宮崎駿 「リング」脚本高橋洋 「コンタクト」監督:ロバート・ゼメキス 「L.A.コンフィデンシャル」脚本カーティス・ハンソン 「セブン・イヤーズ・イン・チベット」原作小説:ハインリヒ・ハラー 「さらば、わが愛 覇王別姫」監督チェン・カイコー 「バラサイト・イブ」脚本君塚良一 「アポロ13号」監督ロン・ハワード 「マディソン郡の橋」脚本リチャード ラグラベニーズ 「ショーシャンクの空に」脚本フランク・ダラボン 「フォレスト・ガンプ」脚本エリック・ロス 「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」原作小説アン・ライス 「ジュラシック・パーク」原作小説マイケル・クライトン 「シンドラーのリスト」脚本スティーブン・ザイリアン 「イヤー・オブ・ザ・ガン」原作マイケル・ミューショー 「ダンス・ウィズ・ウルブズ」脚本マイケル・ブレイク 「レナードの朝」主演ロビン・ウィリアム 「トータルリコール」原作小説フィリップ・K・ディック 「レッドオクトーバーを追え!」脚本ラリー・ファーガソン 「ワイルド・アット・ハート」脚本デイヴィッド・リンチ 「ミザリー」原作小説スティーブン・キング 「ダイ・ハード」監督ジョン・マクティアナン 「仕立て屋の恋」原作小説ジョルジュ・シムノ 「時をかける少女」脚本剣持亘 「ブレード・ランナー」原作小説フィリップ・K・ディック 「惑星ソラリス」監督アンドレイ・タルコフスキー 「犬神家の一族」原作小説横溝正史 「ゴッドファーザー」監督フランシス・F・コッポラ |
mixi(ミクシー)「独身社会人映画ファンコミュニティ」に入ろう! 2005年の夏シーズンを「スターウォーズ エピソード3」と人気を二分したスピルバーグ「宇宙戦争」を取り上げます。 既にご覧になられた方も多いと思います。 映画の掲示板を見ると「ラストが原作どおりで、今見ると非科学的」という書き込みが かなりあります。 今回のスピルバーグ版は過去の「宇宙戦争」のリメイクと筆者自身は考えており、 旧作を含め地球侵略ものすべてに対するオマージュと、 テロリズムの被害で混乱する市民社会の惨状という今日的テーマの融合として 結構、高い点数を上げられるのですが。 映画は細胞から地球各地の映像を経て宇宙空間へ、そしてタイトルが出ます。 ナレーションに「知的生命体が遠い宇宙から地球に羨望のまなざしで見つめていた」と あって、これが原作の出だしと同じです。 原作は主人公の一人称で語られています。 “ぼく”は哲学系の著述者で、 映画の港湾労働者の主人公よりずっと知的レベルは高いようです。 が、原作の設定はドラマ展開上、さして有効に機能しているとは思えません。 ま、理工系あるいは生物化学系の学者ではなく、 かつ、知的センスで物語を語りうる人物であることが重要なのだろうと思いますね。 原作はこの主人公が宇宙戦争の決着後にまとめた著作ということになっており、 当然冒頭の語りも主人公によるものです。 映画では冒頭のナレーションはモーガン・フリーマンが当てているとか、 彼はこの作品の出演者ではなく、 つまり主人公を含め特定の登場人物の語りではありません。 葉の上の雫が地球になるというラストを暗示させる映像も間に挟まれます。 ところで、原作にいう「羨望のまなざし」ですが、 原作者H.G.ウェルズは、火星が繁栄したのは遥か昔の話で、 今は星が冷えて火星人は滅亡の危機に瀕していると述べています。 地球よりずっと小さな火星が温暖であったのは惑星誕生後のごく短い時期であったことは、 既に原作の書かれた百年前にも解明されていました。 それをベースに、火星人が地球への移住を狙っているのだと原作では、 設定されているのです。 映画では異星人がどこからやってきたのか明らかとなっていません。 ゆえに語りの「羨望のまなざし」が何を意味するのかは不明瞭なままです。 映画本編のファーストシーンは、アメリカ東部のある港の大型クレーンでコンテナ船から コンテナの積み下ろしをしている主人公レイ(トム・クルーズ)の仕事場面からです。 ヘリの空撮によるダイナミックなトップシークエンスです。 シナリオ上は単に主人公の登場と彼の職業紹介なのですが、 あとで登場する宇宙人の戦闘マシンが、三本足の巨大クレーンのような姿をしており、 主人公を含め人類はこの巨大クレーンに終始追い回されて逃げ惑うことになっており、 クレーンのオペレート席にいるレイの姿は立場が逆転する前の 操縦士そのもの様に見えて皮肉な構図になっています。 これはスピルバーグが意図的に仕組んだ映像上の演出と考えられます。 休憩時間となり、地上に降りたレイに現場作業主任が残業を頼みますが、 「組合がうるさいから」と袖にします。 アメリカの港湾労働者のユニオンが強固な組織であることは確かですが、 「冷たい奴だ」と不満げな上司に、ニヤニヤしながら「女どももみんなそういう」と まじめに対応しようとしていません。 実は離婚した妻マリー(ミランダ・オットー)が週末、子供をつれて訪れるのでそれを 迎えるという立派な理由があるのですが、 レイはそのような事情を説明せずエゴイストな印象を見ているものに与えます。 車で信号無視などの交通違反などを犯しながら急ぎ帰宅すると、 (対向車の運転手に「ファック・ユー!」などと怒鳴られている。) 別れた妻と新しい夫が長男ロビー(ジャスティン・チャットウィン)と 長女レイチェル(ダコダ・ファニング)をワンボックスカーで 連れてきており、家の前で車を止めて待っています。 マリーは妊娠後期の大きなおなかをしています。 気ままなカーマニアのレイの家にはキッチンテーブルに最近彼が手に入れた、 大きなエンジンが載せられていて、 冷蔵庫には飲みかけの古い牛乳パックくらいしか入っていないありさまです。 マリーは気難しい高校生のロビーが10歳の妹と狭い子供部屋に押し込められるのを見て、 レイに「年頃なのよ」と訴えますが、レイの方は耳を貸す気がありません。 「週明けにね」と子供たちにキスしてしかたなく立ち去る妻たち。 テレビでは世界各地で磁気嵐が起きて、 電子機器などの異常が起きていることを伝えています。 その中にはテレビ朝日協力の日本からの報道を白人リポーターが伝えています。 日本では震度6.5の地震もあったようです。 原作では主人公の家庭の描写などは置いておいて、 知人の天文学者オグルウィが火星表面で火山の噴火のようなものが観測された ことを伝え、二人して天体観測に夢中になるところから始まっています。 舞台はロンドン郊外の地方都市。 主人公の正確な年齢は記述がありませんが、“ぼく”の一人称でしゃべる若者です。 結婚して妻も登場しますが、子供はいません。 前述の通り文系の文筆業者だと名乗っていますが、 ドラマ中出版社などと打ち合わせる場面などが無いため、 無職で気ままに暮らしているような印象さえ受けます。 火星表面の爆発はそこから宇宙船が発射された証拠です。 イギリス各地の天文台はこの異変を観測していますが、 それが火星人の出撃によるものとは夢にも思っていません。 “ぼく“は彗星の落下を目撃し、天文学者オグルウィは落下地点に見物に出かけ、 円筒形の人工物を発見します。 “ぼく“の方は自宅にいました。 天文学者は円筒の上面が回転し蓋のような構造になっていることに気づき、 何故か中に人がいるものと思い込みます。 大慌てで助けを呼ぼうと帰宅し 知り合いの新聞記者ヘンダーソンと出くわし現場に戻りますが、 二人がかりでも円筒はびくともしません。 更に人手を集めるべく町に戻り、 ヘンダーソンは新聞社に電報を打ちます。 戻ってみると 既に20名ほどの野次馬が駆けつけていますが、 円筒の上側がゆっくり回転しながら開くさまに驚きます。 映画のレイは不貞腐れたような長男ロビーを裏庭に引っ張り出し キャッチボールに興じますが、ボールを投げあいながら口論になり、 ロビーはきつめに投げ返したレイのボールに背を向け、 ボールは庭に面した窓を突き破って家の中に飛び込みます。 「兄さんと口を利くときは注意しないと」と警告する長女に 「母親みたいな口を聞くな」と八つ当たりするレイ。 レイチェルは貰ったメダルを父親に見せたくて庭に持ってきているのですが、 レイは気が付きもしません。 レイは「疲れてるんだ。寝るぞ」と自分の部屋に引っ込んでしまいます。 レイチェルは「食事は?」「取れば良いだろう」とこれまた相手にされません。 父と子供たちの断絶ははっきりと進んでいます。 原作の“ぼく“は、最初に天文学者オグルウィが隕石の落下地点へ見物に行ったとき、 “ぼく“は同行しておらず自宅にいて、 あとで騒ぎになっていることを聞きつけ、 隕石の落下した場所に急いで駆けつけています。 円筒に穴が開いて何者かが潜んでいる様子が知れると、 野次馬たちは火星からの来訪者に、 地球にも知的生命がいることを知らせようではないかと、 白旗を振って挨拶しようとしますが、 予想だにせぬ巨大なタコを思わせるような火星人が這い出てきます。 “ぼく“を含む野次馬たちは大いに驚きます。 レイが目を覚まして寝室から居間に降りると、 レイチェルがひとり店屋物の食事を済ませたところです。 自然食の宅配ですが、レイの口には合わず 「今度注文するときは人の食べられるものにしろ」などと悪態をついています。 この時もテーブルの上にはメダルがあり、 ひとりぼっちで食事をさせられた上に怒鳴りつけられたレイチェルは、 怒るというより悲しげな顔です。 「ロビーはどこだ?」「パパの車で出て行ったわ」「何だと?」 レイはいよいよ腹を立てて玄関の外に飛び出しますが、 通りは家々から出てきた人々がみな不安そうに空を見上げています。 この時になってレイははじめて異変に気が付かされます。 振り返って家の向こうの高速道路の橋桁の向こうの空を見上げれば、 異様な黒雲が渦巻き、その中心が光を放ています。あたりは嵐のような風が吹いています。 家から出てきたレイチェルも恐々と空を見上げますが 不可解なことに風は渦に向かって吹き込んでいます。 雷鳴が轟き数ブロック先に落雷があります。 「心配するな、同じ場所には二度落ちない」というレイの叫びにもかかわらず、 雷は繰り返し同じあたりに落ちました。 レイチェルは家に戻ろうと泣き出しそうですが、 レイはむしろ嵐で興奮しているようです。 ひとりじゃ怖いというレイチェルのため仕方なくレイは家に戻りますが 家の中の家電製品はすべて動かず、腕時計さえ止まってしまっています。 レイはさすがにロビーが心配になり、レイチェルに留守番するように言いつけ、 通りに戻りますが、突然エンジンが動かなくなった自動車が至る所で停車しています。 ロビーが歩いて戻ってきます。 落雷で車が動かなくなり、路上に置き去りにして戻ったのです。 「今度、無免許運転したら警察に通報するぞ」 レイはロビーをしかりつけると車を取り戻しに走っていきます。 十字路の真ん中に人だかりがしています。 雷の落ちたところは、浅いくぼみになって煙を吐いています。 レイは穴に手を突っ込みましたが、熱くないどころか、氷のかけらを掴み取りました。 地面に亀裂が走ったかと思うと、路面が音を立てて砕け、 亀裂は周辺の家や礼拝堂まで押し崩し始めました。 十字路の自動車はみんな飲み込まれ水道管も破裂しました。 が、一度穴の底に消えた自動車が空高く放り上げられると、 激しく舞い上がる土砂とともに巨大な三本足のメカニックが姿を見せました。
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