「わたしを離さないで/文学小説から青春SF映画脚本を書くには」
原作小説と映画脚本比較により脚本の書き方・成り立ちを探ります。ハリウッド脚本の極意、世界名作の秘密に迫ります。全体に「ねたばれ」の要素がありますので、要注意。

「わたしを離さないで」原作小説 ■原作小説
「わたしを離さないで」
2008年 ハヤカワepi文庫
カズオ・イシグロ 著
土屋政雄 訳

    
「わたしを離さないで」映画チラシ ■作品基礎データ
「わたしを離さないで」
2010年 イギリス映画
原題: NEVER LET ME GO
監督:マーク・ロマネク
脚本:アレックス・ガーランド
出演:キーラ・ナイトレイ アンドリュー・ガーフィールド
キャリー・マリガン シャーロット・ランプリング

  本作原作文庫
  本作映画チラシ





■脚本の書き方■
原作小説と映画脚本比較レビュー・インディスク

「ナルニア国物語/第3章:アスラン王と魔法の島」
「ノルウェイの森」
「ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1」
「大奥」
「悪人」
「借りぐらしのアリエッティ」
「告白」
「時をかける少女」(仲里依紗版)
「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」
「食堂かたつむり」
「さまよう刃」
「空気人形」
「火天の城」
「TAJOMARU」
「南極料理人」
「ハリー・ポッターと謎のプリンス」
「天使と悪魔」
「ジェネラル・ルージュの凱旋」
「地球が静止する日」
「デス・レース」
「ホームレス中学生」
「容疑者Xの献身」
「パコと魔法の絵本」
「西の魔女が死んだ」
「ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛」
原作=C.S.ルイス
「ジャンパー」原作=スティーブン・グールド

「ライラの冒険 黄金の羅針盤原作=フィリップ・プルマン

「陰日向に咲く」原作=劇団ひとり
「ミッドナイトイーグル」原作=高嶋哲夫
「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」原作=J・K・ローリング

「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」原作=リリー・フランキー
「墨攻」原作=酒見賢一
「暗いところで待ち合わせ」原作=乙一
「プラダを着た悪魔」
原作=ローレン・ワイズバーガー
「夜のピクニック」原作=恩田陸
「ゲド戦記」原作ル=グウィン
「ダ・ヴィンチ・コード」原作ダン・ブラウン
「ナルニア国物語/第1章ライオンと魔女」原作C・S・ルイス
「博士の愛した数式」原作小川洋子
「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」原作J.K.ローリング
「亡国のイージス」原作福井晴敏
「宇宙戦争」原作H.G.ウェルズ
「四日間の奇蹟」原作浅倉卓弥
「アビエイター」原作ジョン・キーツ
「オペラ座の怪人」原作ガストン・ルルー
「ハウルの動く城」原作ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「ターンレフト・ターンライト」主演:金城武
「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」 主演:ダニエル・ラドクリフ
「下妻物語」原作嶽本野ばら
「世界の中心で、愛を叫ぶ」原作片山恭一
「ジョゼと虎と魚たち」原作田辺聖子
「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」原作J.R.R.トールキン
「アイデン&ティティ」原作みうらじゅん
「精霊流し」原作さだまさし
「マッチスティック・メン」監督リドリー・スコット
「コンフェッション」原作チャック・バリス
「ソラリス」監督スティーブン・ソダーバーグ
「魔界転生」原作山田風太郎
「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」原作フランク・w・アバグネイル
「ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔」原作J.R.R.トールキン
「黄泉がえり」原作梶尾真治
「レッドドラゴン」原作トマス・ハリス
「マイノリティ・リポート」原作F・K・ディック
「ハリーポッターと秘密の部屋」J.K.ローリング著
「ザ・リング the ring」主演ナオミ・ワッツ
「アバウト・ア・ボーイ」原作ニック・ホーンディ
「タイムマシン」原作小説H・G・ウェルズ
「GO」脚本:宮藤官九郎
「ロード・オブ・ザ・リング」脚本ピーター・ジャクソン
「ハリー・ポッターと賢者の石」脚本スティーブ・クローブス
「PLANET OF THE APES/猿の惑星」監督ティム・バートン
「陰陽師」脚本福田靖
「ブリジット・ジョーンズの日記」脚本アンドリュー・デイヴィス
「バトル・ロワイヤル」脚本深作健太
「エクソシスト ディレクターズカット」主演リンダ・ブレア
「クロスファイア」脚本山田耕大
「ファイト・クラブ」監督デビット・フィンチャー
「共同警備区域JSA」原作小説パク サンヨン
「ナインスゲート」脚本:ジョン ブラウンジョン
「ハンニバル」脚本デビット・マメット
「ホワイトアウト」原作小説真保裕一
「リプリー」原作パトリシア・ハイスミス
「黒い家」脚本大森寿美男
「ISOLA多重人格少女」脚本水谷俊之
「シン・レッド・ライン」脚本テレンス・マリック
「魔女の宅急便」監督宮崎駿
「リング」脚本高橋洋
「コンタクト」監督:ロバート・ゼメキス
「L.A.コンフィデンシャル」脚本カーティス・ハンソン
「セブン・イヤーズ・イン・チベット」原作小説:ハインリヒ・ハラー
「さらば、わが愛 覇王別姫」監督チェン・カイコー
「バラサイト・イブ」脚本君塚良一
「アポロ13号」監督ロン・ハワード
「マディソン郡の橋」脚本リチャード ラグラベニーズ
「ショーシャンクの空に」脚本フランク・ダラボン
「フォレスト・ガンプ」脚本エリック・ロス
「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」原作小説アン・ライス
「ジュラシック・パーク」原作小説マイケル・クライトン
「シンドラーのリスト」脚本スティーブン・ザイリアン
「イヤー・オブ・ザ・ガン」原作マイケル・ミューショー
「ダンス・ウィズ・ウルブズ」脚本マイケル・ブレイク
「レナードの朝」主演ロビン・ウィリアム
「トータルリコール」原作小説フィリップ・K・ディック
「レッドオクトーバーを追え!」脚本ラリー・ファーガソン
「ワイルド・アット・ハート」脚本デイヴィッド・リンチ
「ミザリー」原作小説スティーブン・キング
「ダイ・ハード」監督ジョン・マクティアナン
「仕立て屋の恋」原作小説ジョルジュ・シムノ
「時をかける少女」脚本剣持亘
「ブレード・ランナー」原作小説フィリップ・K・ディック
「惑星ソラリス」監督アンドレイ・タルコフスキー
「犬神家の一族」原作小説横溝正史
「ゴッドファーザー」監督フランシス・F・コッポラ
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『わたしを離さないで』。
イギリス最高の文学賞“ブッカー賞”作家カズオ・イシグロの
同名小説に基づく映画作品です。

カズオ・イシグロは、ちょっと変わったプロフィールの持ち主で、
長崎生まれで五歳の時、
海洋学者の父の仕事の都合でイギリスに渡り
イギリスの大学を出て、そののち作家デビューした人です。

「日の名残り」で国際的作家となり、
この作品が長編6作品目です。

当然、英語で書かれ、訳を「エデンの東」の土屋政雄先生が担当しています。

出演は『17歳の肖像』でアカデミー主演女優賞候補となった
新星キャリー・マリガン、
『つぐない』『パイレーツ・オブ・カリヴィアン』三部作のキーラ・ナイトレイ、
『ソーシャル・ネットワーク』そして
「スパイダーマン」新シリーズの主演に抜擢された
ハリウッドの新星アンドリュー・ガーフィールドという、
豪華キャストです。


ジャンルとしては、青春SFという事になる
ようですが、VFXがウリではなくドラマで見せる作品です。




/  ヘイルシャム
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1978年、ヘイルシャム。
 田園地帯にひっそりとたたずむ寄宿学校ヘイルシャムで、
キャシー、ルース、トミーの三入は、小さいころからずっと一緒でした。

厳格な女性校長エミリー先生(シャーロット・ランプリング)や
他の教師たちの指導のもとで、生徒たちは 絵や詩の創作にはげみ、
選ばれた一部の作品は、時折訪れるマダム(ナタリー・リシャール)と
よばれる女性の手でギャラリーへと運ばれて行きました。

キャシーのフルネームは、映画でも原作でもキャシー・H。
ミドルネームもなく、苗字の方もアルファベット一字のみ、
という記号めいた不吉な名です。

原作では猪の首のスポーツウーマンと描写される
エミリー先生ですか、
シャーロット・ランプリングはどこを見ているのか
良くわからないような目つきの女優さんですね。

無言の威厳があり、
ドラマのキーマンであるこの人物に、
シャーロット・ランプリングを配役するとは
キャスティング・プロデューサーの目利きぶりはなかなかのものです。


★:*:☆★:*:☆★:*:☆


 外界から完全に隔離されたこの施設には、
徹底した健康管理や腕に取り付けられたセンサーなど特別な規則がありました。

生徒たちは境界線となっているフェンスの外を危険で
恐ろしい場所だと信じ込まされていて、
たとえボールが飛んで行っても決して外へ出ることはありませんでした。

この一見、普通のようでいて、実はとても異様な学園生活の
描写は原作でも見せ場となっています。

手首のクローズアップがないので、
分かりにくいのですが、筆者の記憶が正しければ、
生徒たちはプレスレッドなどはしていませんね。

手首の中にマイクロチップのようなものが組み込まれていて、
それが教室のドアなどのセンサーに反応するようです。

原作には、このセンサーは出てきませんが、
映画のメイキングを調べると、
実はヘイルシャムの制服などにも工夫が凝らされていていました。

男女ともグレーの制服ですが
校章もクラスバッチもなく、
有り合わせの服を着せられているだけで、
実は統一された規格品でさえありません。

映画を見ている最中は、
各自がオシャレで着崩しているものとばかり
思っていたのですが、
そうではなかった訳です。


匿名性というより、
人間的な個性の剥奪が演出上の狙いです。…


この続きの原作比較レビューは
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