「夜のピクニック/アウトドア系青春映画脚本の書き方」
原作小説と映画脚本比較により脚本の書き方・成り立ちを探ります。ハリウッド脚本の極意、世界名作の秘密に迫ります。全体に「ねたばれ」の要素がありますので、要注意。
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原作 「夜のピクニック」 2004年刊 新潮社 恩田陸 著 |
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映画 「夜のピクニック」 2006年 日本映画 監督 長澤雅彦 脚本 三澤慶子 長澤雅彦 出演 多部未華子 |
| 本作原作文庫 本作映画チラシ ■脚本の書き方■ 原作小説と映画脚本比較レビュー・インディスク 「ゲド戦記」原作ル=グウィン 「ダ・ヴィンチ・コード」原作ダン・ブラウン 「ナルニア国物語/第1章ライオンと魔女」原作C・S・ルイス 「博士の愛した数式」原作小川洋子 「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」原作J.K.ローリング 「亡国のイージス」原作福井晴敏 「宇宙戦争」原作H.G.ウェルズ 「四日間の奇蹟」原作浅倉卓弥 「アビエイター」原作ジョン・キーツ 「オペラ座の怪人」原作ガストン・ルルー 「ハウルの動く城」原作ダイアナ・ウィン・ジョーンズ 「ターンレフト・ターンライト」主演:金城武 「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」 主演:ダニエル・ラドクリフ 「下妻物語」原作嶽本野ばら 「世界の中心で、愛を叫ぶ」原作片山恭一 「ジョゼと虎と魚たち」原作田辺聖子 「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」原作J.R.R.トールキン 「アイデン&ティティ」原作みうらじゅん 「精霊流し」原作さだまさし 「マッチスティック・メン」監督リドリー・スコット 「コンフェッション」原作チャック・バリス 「ソラリス」監督スティーブン・ソダーバーグ 「魔界転生」原作山田風太郎 「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」原作フランク・w・アバグネイル 「ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔」原作J.R.R.トールキン 「黄泉がえり」原作梶尾真治 「レッドドラゴン」原作トマス・ハリス 「マイノリティ・リポート」原作F・K・ディック 「ハリーポッターと秘密の部屋」J.K.ローリング著 「ザ・リング the ring」主演ナオミ・ワッツ 「アバウト・ア・ボーイ」原作ニック・ホーンディ 「タイムマシン」原作小説H・G・ウェルズ 「GO」脚本:宮藤官九郎 「ロード・オブ・ザ・リング」脚本ピーター・ジャクソン 「ハリー・ポッターと賢者の石」脚本スティーブ・クローブス 「PLANET OF THE APES/猿の惑星」監督ティム・バートン 「陰陽師」脚本福田靖 「ブリジット・ジョーンズの日記」脚本アンドリュー・デイヴィス 「バトル・ロワイヤル」脚本深作健太 「エクソシスト ディレクターズカット」主演リンダ・ブレア 「クロスファイア」脚本山田耕大 「ファイト・クラブ」監督デビット・フィンチャー 「共同警備区域JSA」原作小説パク サンヨン 「ナインスゲート」脚本:ジョン ブラウンジョン 「ハンニバル」脚本デビット・マメット 「ホワイトアウト」原作小説真保裕一 「リプリー」原作パトリシア・ハイスミス 「黒い家」脚本大森寿美男 「ISOLA多重人格少女」脚本水谷俊之 「シン・レッド・ライン」脚本テレンス・マリック 「魔女の宅急便」監督宮崎駿 「リング」脚本高橋洋 「コンタクト」監督:ロバート・ゼメキス 「L.A.コンフィデンシャル」脚本カーティス・ハンソン 「セブン・イヤーズ・イン・チベット」原作小説:ハインリヒ・ハラー 「さらば、わが愛 覇王別姫」監督チェン・カイコー 「バラサイト・イブ」脚本君塚良一 「アポロ13号」監督ロン・ハワード 「マディソン郡の橋」脚本リチャード ラグラベニーズ 「ショーシャンクの空に」脚本フランク・ダラボン 「フォレスト・ガンプ」脚本エリック・ロス 「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」原作小説アン・ライス 「ジュラシック・パーク」原作小説マイケル・クライトン 「シンドラーのリスト」脚本スティーブン・ザイリアン 「イヤー・オブ・ザ・ガン」原作マイケル・ミューショー 「ダンス・ウィズ・ウルブズ」脚本マイケル・ブレイク 「レナードの朝」主演ロビン・ウィリアム 「トータルリコール」原作小説フィリップ・K・ディック 「レッドオクトーバーを追え!」脚本ラリー・ファーガソン 「ワイルド・アット・ハート」脚本デイヴィッド・リンチ 「ミザリー」原作小説スティーブン・キング 「ダイ・ハード」監督ジョン・マクティアナン 「仕立て屋の恋」原作小説ジョルジュ・シムノ 「時をかける少女」脚本剣持亘 「ブレード・ランナー」原作小説フィリップ・K・ディック 「惑星ソラリス」監督アンドレイ・タルコフスキー 「犬神家の一族」原作小説横溝正史 「ゴッドファーザー」監督フランシス・F・コッポラ |
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第2回本屋大賞に輝くベストセラー小説の映画化です。 第1回受賞作「博士の愛した数式」も映画化されており、とりあげています。 これはその第2弾。 とある県立高校の全校生徒1000人で、24時間かけて80キロを歩く伝統行事「歩行祭」を 舞台に描く青春物です。 原作は、青春小説からSFまで、多くの作品を世に送り続ける恩田陸の大ベストセラー 「夜のピクニック」。 新聞、雑誌をはじめとした書評で大絶賛を受け、第26回吉川英治文学新人賞、 そして、全国の本屋さんが一番お客様に薦めたい本として、 第2回本屋大賞を受賞した名著です。 メガホンを取るのは、『ココニイルコト』『13階段』『青空のゆくえ』などの作品で、 その作家性を評価されている俊英・長澤雅彦監督。本作では、共同脚本も手掛けています。 原作は「歩行祭」当日の朝、登校してくる主人公達の姿からはじまっていますが、 映画は一年前の「歩行祭」、その夜の休憩時間中に、 路肩の草原で星を見上げて寝転ぶ、 甲田貴子(多部未華子)、美和子(西原亜希)、杏奈(加藤ローサ)の姿から、 始まっています。 原作を先に読んだ時、1番気になったのが、この杏奈の扱いです。 原作はほとんど現在の話だけですすむので、 杏奈本人は重要人物でありながらほとんど出番がありません。 途中の回想で出てくるかと思いきや、冒頭からとは思ってもみませんでした。 映画の宣伝コピーにもなっている 「みんな歩くただそれだけなのに、どうしてこんなに特別なんだろう」 というセリフはここで杏奈がしゃべっています。 良く出来ているなと感心したのが、 このあとカメラが少し高さのあるアングルに移動して、 休息中の生徒の行列を映すところ。 生徒達の姿はほとんどカメラは捕らえていなくて、 彼らの手にした懐中電灯の明かりだけが銀河の星のように帯を作っています。 原作を読んでいないことはそれが懐中電灯の光だとは、 気が付かないかもしれません。 後でこの場面はもう一度出て来て、それで一年前の「歩行祭」だと気がつかせる 仕組みです。 懐中電灯の光の帯が空の星の天の川に被さり、メインタイトル「夜のピクニック」。 そして当日の朝を迎えるのですが、 原作では西脇融(石田卓也)の方が先に登場するのですが、 映画では貴子の方が先です。 この作品は同じ学校の高校生達がぞろぞろ登場し、同じ白いジャージで同じコースを ひたすら歩く群像劇ですので、 ともすれば誰が主人公か掴みにくくなります。 群像劇といっても、登場人物がみんな主人公というスタイルではなく、 あくまで主人公は貴子です。 都合の悪いことに。彼女は悩み事を抱えていて自ら積極的に振舞うことが出来ません。 ですから冒頭から彼女の視線を通じて舞台をみせることで誰が主人公か 観客に知らせるという方法がとられているのだろうと思います。 いま、視線を通じて、と書きましたが、 モノローグはほとんど使われていません。 モノローグは便利な映画手法ですが、このような作品の場合、 全編モノローグだらけになりかねないので、 それを避けて見せるほうがベターです。 貴子は美和子と安奈から来たはがきを手にして、 その謎の文面に首をひねっています。 「私も一緒に歩いている。 去年の歩行祭の時に、貴子たちの悩みが解決するようおまじないをかけた」 一年前のおまじない、というのが理解できないのです。 忍(郭智博)に膝カックンをやられて「怪我が治っていない」と 怒るのが映画の融。原作では「膝カックンはやめて」と逃げてしまうのですが。 時々、融と忍は2人で漫才をやるようなふざけっこをクラスメートの前ですると 原作では書かれていますが、 映画では漫才は一切無しです。 融はたいてい不機嫌でむっとしているような感じです。 あとで「西脇君は“俺に近づくなオーラ”が出ている」と 女の子達に冷やかされるのですが、 映画では融のキャラクターの印象を統一する為、 忍との漫才の部分は切られているのでしょう。 ラストの部分で彼氏が打ち解けた雰囲気になるのと落差を設けるという 意図もあるはずです。…
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