こちらでは、みなさまからご質問の多い事柄を中心に、Q&A方式でお答えしています。

「鍼」ってなあに?   あんま、指圧、マッサージの違いって?
ハリを刺すと血が出て痛いんじゃないの?   小児ハリってなんですか?
ハリでエイズや肝炎が感染するって言うけど本当?   長く通わないと効かないの?
「灸」ってなあに?   生理中は鍼灸治療しない方がいいですか?
熱いのを我慢しないと効かないのでは?   妊娠中は鍼灸治療できませんか?
ハリとお灸、それぞれに得意分野ってあるの?   アロママッサージって、部分だけでも効くの?
そもそも、ハリや灸はなんで効くの?   ●心音治療って? 
ハリや灸は何に効果があるの?NEW    

 

「鍼」ってなあに?

鍼灸の「鍼」とはハリのこと。“針”というイメージから注射針や縫い針など、とがっていて長い、痛いものと思いがちですが、日本で用いられるハリは、髪の毛ほどの細さの非常に繊細な道具なのです。

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ハリを刺すと血が出て痛いんじゃないの?

そのような御心配をされる方もいらっしゃいます。実物のハリは素人さんが皮膚に刺そうとしてもふにゃっと折れ曲がって刺さらないくらい、華奢なものです。しかし、国家試験に合格し、熟練した鍼灸師さんだからこそ、そっとツボに当てることができるのです。髪の毛ほどの細さのハリですから、注射針などのような強い痛みはありません。また、体内の細い血管は脂肪の中にふんわり埋もれているため、ハリが入ってくると逃げてしまい、通常まず血管に刺さることはありません。

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ハリでエイズや肝炎が感染するって言うけど本当?

上の質問でご説明した通り、血液での接触がない以上基本的に感染は起こらないのですが、当院では衛生管理の面からハリはすべて使い捨てとしております。ですから、ハリをしたからといって病気に感染することはありません。また、その他の器具においても消毒をきちんと行っておりますので、御安心下さい。注射針のように傷口が残って、バイキンが入るということもありませんので、当日の施術後もお風呂にも普通に入っていただけます。

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「灸」ってなあに?

「灸」はいわゆるおきゅう、もぐさに火をつけてツボに温刺激を与えるものです。もぐさはよもぎの葉を乾燥させて作るもので、ハーブを用いたアロマテラピーと同様の効果が得られるのです。一般的に、直接皮膚にもぐさをのせる「直接灸」よりも、モグサと皮膚の間にスペースを取る「間接灸」の方が温まり方が穏やかです。そしてこの場合、やけどの跡が残ることもありません。初めて鍼灸を受ける方、ご家庭で継続して行いたい方には、当院ではマイルドな刺激の「間接灸」をお勧めしております。

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熱いの、痛いのを我慢しないと効かないのでは?

我慢をして体にいいことはひとつもありません。体にとって気持ちの良い状態が一番。ただ、お風呂でも熱いお湯が好きな人とぬるめのお湯が好きな人がいるように、お灸でも、ひとりひとり熱さの感じ方が違います。ちょっと熱いかな、というところでやめても十分な効果は得られますし、ハリも「痛くなければ効かない」とか「痛いほど効く」とも限りません。歯を食いしばって肩がこっちゃうより、ぽかぽか気持ち良くて眠くなるくらいが理想的ではないでしょうか。当院では、ご負担にならない範囲での快適な施術を心がけております。

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ハリとお灸、それぞれに得意分野ってあるの?

ハリは痛みをとることにかけては一番即効性があり、マッサージでほぐしただけではなかなか楽にならないようなガンコな肩こりなんて、すーっと軽くなったりします(症状により効果の出方には個人差があります)。腰痛で動けなかったのが嘘のよう、というのもハリならでは。ほかに、不調の原因が深いところにある場合などでは、ハリの方が効果が出やすいとおすすめすることもあります。思ったほど痛いものではありません。怖がっていてはもったいないですよ。

お灸のほうはじんわり身体の芯から温めて、血行を良くしていくことで回復力を高めていきます。寒い季節はもちろんですが、昨今は冷房が行き届いて、夏場でも冷える方が多いですね。冷えからくる症状って案外多いのですよ。脚のむくみ、便秘、不眠症などもそうなのです。お腹をゆっくりあたためてあげると、食欲も戻って来たりします。体力が低下しているときでも、ごく穏やかなお灸の刺激はお体に負担となりにくいので適していると言えますね。

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そもそも、ハリや灸はなんで効くの?

わたしたちの身体は全身の微妙なバランスの積み重ねでできあがっています。たとえば、手足がほてるから冷やせば良いかというとそうとも限りません。今の体の症状は、どこか一番つらい不調を補うために無理が重なって他のところに現れていることだってあるのです。たとえば、歩くときにひざが痛む人は、歩き続けているうちに次第に腰が痛くなり、さらにその腰痛をかばうために肩がこる…なんてこと、結構ありますよね。身体はいつも懸命に治ろう、治そうとしています。「経絡(けいらく)」という全身をめぐるエネルギーの流れを調整して、あなた自身のこの回復力(自然治癒力といいます)を助けていこうというのが東洋医学の考え方です。ハリや灸でツボを刺激することが経絡の調整となり、全身症状の緩和につながると、当院では考えております。

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あんま、指圧、マッサージの違いって?

あんま(按摩)

あんまは中国で発達した療法です。日本には6世紀頃伝わったとされます。ちなみに、あんま(按摩)の「按」という字は「おす」、「摩」という字は「なでる」という意味です。
あんまの特徴を一言でいえば、「もむ」ということになります。体の一部を圧したり動かしたりすることによって、血行をよくしたり、からだの機能を回復させようとするものです。その際、体の中心から末端の方に向かって(遠心性に)手技を進めます。衣服の上からでも施術することが出来ます。
あんまには鍼灸治療と同様、血液循環を良くする、内臓の機能を調整する、神経機能を向上させる、筋肉の緊張を緩める、疲労を回復するなどの効果があるとされています。

指圧

指圧は大正初期、古来のあんま術に導引(呼吸と体操法)、柔術の活法などを用いた療術師たちが、アメリカのカイロプラクティックやオステオパシー(整骨療法)など近代的手技療法の理論や技法をとり入れて発展させてきたものです。
指圧の特徴は、指などを使っておすということです。あんまと同様に、遠心性に体の中心から末端の方に向かって手技を進めます。衣服の上からでも施術することが出来ます。
指圧には、鍼灸治療と同様、血液循環を良くする、内臓の機能を調整する、神経機能を向上させる、筋肉の緊張を緩める、疲労を回復するなどがあるとされ、高血圧、不眠症、神経痛、リウマチ、胃腸症、常習性便秘などにも効果があるとされています。しかし、高熱性疾患、化膿性疾患、悪性腫瘍、その他の急性疾患には避けなければなりません。

マッサージ

マッサージは西洋で古くから行われてきた治療法の一つです。マッサージは、フランス、ドイツなどで発達し、日本へは明治中期に伝えられました。
マッサージは、おもに手指や手のひらで、直接皮膚をさする治療法で、滑りをよくするためにオイルやパウダーなどを使ったりもします。按摩・指圧の遠心性に対して、末端から中心に向かって(求心性に)手技を進めます。
マッサージには鍼灸治療と同様、血液循環を良くする、内臓の機能を調整する、筋肉の緊張を緩める、疲労を回復するなどの効果があるとされています。マッサージが神経系に及ぼす影響についてはまだ明らかではありませんが、痛みを緩和する効果もあるといわれています。筋肉の疲労に関しては、マッサージすることによって、ただ安静にしているよりも早く回復するといわれています。

ちなみに、国家試験を受けて得られる資格として、「あんま・指圧・マッサージ師」が一つの免許です。「鍼師」「灸師」は別々の免許となっており、『あんま・指圧・マッサージ師、鍼師、灸師』が当院院長の正式な所有免許となります。

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小児ハリってなんですか?

大人向けの刺すハリとは違い、へらやローラーのようなもので皮膚をさする、こするなどしてやさしく刺激するハリです。刺すことはないのでまったく痛くありません。むしろ、気持ち良くて眠ってしまうお子様もいるくらいです。0歳以上の乳幼児を対象としています。

どのような症状に効果的かというと、
かんのむし・夜泣きなどの小児神経症状
消化不良・下痢・便秘・吐き下しなどの消化器症状
風邪・扁桃腺炎・気管支炎・小児気管支喘息などの呼吸器疾患
仮性近視などの眼科症状
アトピー性皮膚炎などの皮膚科症状…などなど、
お子様が訴える症状を幅広くカバーできると考えております。

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心音治療って? 

熊本市の三角先生が開発された療法で、お母さんの心音を電気信号に変換しお子さまのツボに『聴かせる』ものです。お子さまには全く苦痛を与えずに回復力・抵抗力などを高めてくれる、『育つ力を育てる』施術です。

効果の出方はそれぞれですが、基本的に3歳以下のお子さま、年齢は小さい方が実感が早いようですね。もちろん、それ以上の年齢でも効果が得られないわけではありませんからご心配なく。お子さま自身もリラックスしてママに素直に甘えることができるようになり、自信をつけて精神面も安定してくる傾向がみられます。そんな変化を目の当たりにするお母さまも、お子さまを冷静に見つめ改めて我が子の可愛らしさを実感でき子育ての楽しさを味わえる余裕が出てくる…というのが治療の独自な特長です。

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長く通わないと効かないの?

鍼灸に限らず、漢方とか東洋医学って「長期間治療に通う」イメージが強いですよね。でも一概にそうとは言えません。たとえば、突然ぐきっと痛くなった、急性の『ぎっくり腰』は治療の直後から痛みも和らぎ、動かせるようになったりします。当院での施術でも、あぁ楽になった、とおっしゃる方がほとんどですから、たとえ1回の治療でも良い変化はあるでしょう。
ただ、西洋医学では改善が難しいとされる、「原因が明確でなく、慢性化した症状」に対しても、解決策を持っているのが東洋医学の特徴です。こうした症状の場合、長年積み重なった様々な原因をひとつひとつ丁寧に解決していく必要があるんですね。これが、結果としては長期間の治療を要することとなるケースが確かにあります。
なぜ苦しい症状が起こるのか?を、毎日の暮らしについて詳しくお伺いする中から共に探っていくプロセスそのものが治療となるのが東洋医学。いわゆる『体質改善』は鍼灸治療だけでは不可能です。食事の取り方、生活に運動を取り入れることなどの習慣改善が根本的な解決には欠かせません。
そういったケースでも、一応の治療効果の目安としては、体の細胞が入れ替わる3ヶ月〜半年を目標としていただきたいですね。もちろん、その間もお体はどんどん変わってゆき、「疲れにくくなった」「よく眠れる」「食欲がある」等、好ましい変化が自覚できるはずですよ。

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生理中は鍼灸治療しない方がいいですか?

施術者側としては、普段と特別に変わりないですね。生理痛がつらい!という場合などでは、かえって生理中のご様子を知りたいな、というケースもあります。ただ、治療はあくまでご本人が主体ですから、生理中は気分が晴れず外出したくないなど事情があれば、もちろんムリに治療する必要はありません。また、生理にまつわるトラブル自体は、生理期間中の治療でなくとも改善が可能です。

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ハリや灸は何に効果があるの? NEW

NIH(米国・国立衛生研究所)は鍼灸療法の各種疾病に対する効果とその科学的根拠について発表し、西洋医学の代替医療としての有用性を明らかにしています。また、WHO(世界保健機関)で鍼灸療法の有効性が認められた疾患には次のものがあります。

世界保健機関 (WHO)の鍼灸適応疾患一覧
神経系疾患 神経痛 神経麻痺 痙攣 脳卒中後遺症 頭痛 めまい
自律神経失調症 不眠 神経症 ノイローゼ ヒステリー
運動器系疾患 関節炎 リウマチ 頚肩腕症候群 頚椎捻挫後遺症 五十肩
腱鞘炎 腰痛 外傷の後遺症(骨折、打撲、むちうち、捻挫)
循環器系疾患 心臓神経症 動脈硬化症 高血圧低血圧症 動悸 息切れ
呼吸器系疾患 気管支炎 喘息 風邪および予防
消化器系疾患 胃腸炎(胃炎、消化不良、胃下垂、胃酸過多、下痢、便秘)
胆のう炎 肝機能障害 肝炎 胃十二指腸潰瘍 痔疾
内分泌代謝系疾患 バセドウ氏病 糖尿病 痛風 脚気 貧血
生殖・泌尿器系疾患 膀胱炎 尿道炎 性機能障害 尿閉 腎炎 前立腺肥大 陰萎
婦人科系疾患 更年期障害 乳腺炎 白帯下 生理痛 月経不順 冷え性 不妊症
耳鼻咽喉科系疾患 中耳炎 耳鳴り 難聴 メニエル氏病 鼻出血 鼻炎 蓄膿症
咽喉頭炎 へんとう炎
眼科系疾患 眼精疲労 仮性近視 結膜炎 疲れ眼 かすみ目 ものもらい
小児科系疾患 小児神経症(夜鳴き、かんむし、夜驚、消化不良、偏食、食欲不振、不眠)
小児喘息 アレルギー性湿疹 耳下腺炎 夜尿症 虚弱体質の改善

上記の表は、これらの疾患にしか効果が無いというものではなく、あくまで国際基準を提示したものです。
上記以外の疾患でお困りの方や、原因不明のものなども施術可能なものは多くあります。一度、ご相談ください。

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妊娠中は鍼灸治療できませんか?

専門家が、適切な注意を払って行う場合は心配ないはずです。当院の場合では、基本的に妊娠4ヶ月に入り安定期を迎えられるまでは、ごく弱い刺激のみとさせていただいております。ご自宅でお灸やマッサージを行われる場合も、妊婦さんご自身の負担にならない程度の軽めが原則。詳しくはご相談ください。

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アロママッサージって、部分だけでも効くの?

精油を使ったマッサージの特質は、直接オイルを擦り込んだ場所以外にも効果が期待できることです。これは、精油の分子量が極めて小さいため、有効成分が速やかに血管まで吸収され、全身循環に入ることができるから。例えば、血管拡張作用のある精油を用いれば、手足だけのマッサージであっても全身の血液循環によい影響を与えられるのです。
もちろん、香りを吸入するだけでも同様の効果は得られますが、マッサージという手技を用いることで、同時に局所の筋緊張をゆるめたり、深いリラックス効果を得ることもできます。当院では、なるべく着衣のままで抵抗なくマッサージを受けていただきたいという意味でも、手足などの末端部のみ一部分のアロママッサージを行っております。

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ゆっくり、ゆっくりいきましょう!