あとがきに代えて

一刻一瞬

ひととき・ひとせつな



地上の風景は、多かれ少なかれ空の反映で青色を帯びています。その度合いにも周期性のようなものがあって、1年に何度か“地上が青一色に染まる時間帯”がある、というのが、私の子供の頃からの妄想でした。この写真は、カメラを手にするようになった私に訪れた懐かしい“青い世界”だったのかも・・・。葛飾北斎は、晩年に“ベロ藍”という優れた青色の絵具を手に入れて、傑作「富嶽三十六景」に到達しましたが、北斎も“風景は青一色で描ける”と思っていたんじゃないかしら・・・。(写真・文 曽我なぎさ)


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