今月の【喜・怒・哀・楽】 曽我なぎさ
クジ運が悪い
サッカー・ワールドカップ大会が終わりましたね。日本は期待されながらもトーナメント初戦敗退。あまりにも早く終わりすぎ・・・そういう無念の声をよく聞きます。
ネットフリックスでしか見られなかったWBSと違って、テレビ中継があったため、多くのファンが観戦でき、だからこそ落胆も大きかったのでしょうね。
一方で、解説に起用された本田圭佑さんの“解説”が型破りで面白かったという声も多かった。
実に率直に思ったことを口にして、しかもしつこさがない。関西弁の可笑しさというか奥の深さというか、当人の人柄がストレートに出て楽しませてもらいました。
ピッチ上の選手を“〇〇さん”と呼ぶのも新鮮だったし。「〇〇さん、よう走った。出来たら、もうちょっとサイド寄りやったらもっと良かった思うわ」
一方、相手チームの選手には、「こいつ、ウザイやん、早めに手打たんとアカン」と言った調子。現役時代の本田選手もピッチ上でこんな会話を交わしていたのかと思うと楽しくなった。
そして日本チームが得点すると、ナイス!ナイスキック!と隣のアナウンサーとハイタッチする始末。NHKのアナウンサーですからね、このノリには如何なものかといった声もあったのでは、とちょっと心配したりしたのですが。
可笑しかったのは、本田さんのようなレジェンドが、「なんで?」と質問を連発したこと。
「アディショナルタイム、7分! なんでそないあるねん? 信じられへんわ」と言って、アナウンサーから今回から採用されたハイドレーションブレイク(給水休憩)の時間がアディショナルタイムに加えられると説明されると、「いらん! そんなもんいらん!」と言い、日本が勝ち逃げる局面になると、「7分も要らん。・・・要らん言うとるやんけ!」と抗議の声を出す。(これ、本気でしたね)。
“詰めが甘い、勝ち急ぐ”という本田選手の日本チームへの懸念が、トーナメント初戦のブラジル戦で出てしまいました。同点での後半残り1分。ブラジルにゴールを決められ敗退となったんです。恐らく選手もヘッドコーチも“勝負は延長戦”と考えたはず。その一瞬の隙をつかれたかたちになっちゃった。
「日本チームのW杯が終わりましたが、今大会の全体の感想をお聞かせください」と言われ、本田さんは言いました。「ほんま悔しいわ。選手はもっと悔しいやろけど、言い訳になるから言えへんことを、代わりに僕が言わしてもらいます。クジ運が悪かった・・・」
これって、ちょっとどうでしょうね・・・。相手がブラジルと言えども、本田さんが現役のころのブラジルとは違うんです。これが優勝したスペインとか、準優勝のアルゼンチンとか(フランス、イングランドでも良い)だったら、確かにクジ運が悪かったと言えるでしょうけれど。後日、本田さんは自分のSNSで自分が代表監督をやりましょうかと書いたんです。まぁ、どこまで本気か知りませんが・・・。でもね、クジ運が悪いというような人は監督には向きません。
森保一監督もね、「優勝を狙います」なんて言ったのはどうなんでしょう。そんなこと云うから、一回戦敗退では格好がつかない。意欲先行の人も監督にはどうかと思います。
どうせなら「世界のいかなる強豪チームと当たっても、恥ずかしくない日本代表チームを作りたい」とでも言うのがふさわしいでしょう。実際、あのブラジル戦だって全く恥ずかしくない試合だったんですから。次の代表監督がどんな人か知らないけれど、“口は災いのもと”ということが分かっている人が望ましい、と思うんですね。対戦相手が怖さを感じるのは、そういうタイプじゃないかと思うんですけれど。