今月の【喜・怒・哀・楽】 曽我なぎさ
クマ騒動
熊が市街地に出没して人間が被害を受けるケースが多く発生しています。市町村では、自衛隊に応援を要請して駆除に動いたり、警察庁も法規的な対応をして、現地の警察がライフルで熊を射撃出来るようにしました。
人の命がかかってる事態ですから、応急処置としてはやむを得ないのでしょうが、何か殺伐とした気になってしまいます。
クマだって何も危害を加えに人里にやってくるわけじゃないでしょう。
どうも今年はブナ科の木が猛暑のせいか、ドングリをほとんどつけないそうなんです。これって熊の主食ですからね。そりゃ、死活問題です。
生きるのに必死になってエサを求めて人間の生息地にやってきて殺害される熊・・・。ちょっと哀しい話じゃありませんか。
駆除する以外に方法がないものでしょうかね。ドングリが不作なら、似たようなものを人工的に作って森にバラまけば、熊だって、それでお腹が膨れて満足して冬眠に入れるではありませんか。
そんなに難しいことではないんじゃないのかしら。広大な森林に“エサ”をバラまくのがタイヘンということかもしれないけれど、今はドローンなんて便利なものがあって自在にエリアを分けてエサを集中投下できるのではないでしようか。
異常気象はこれからも続くと考えておいた方が良いでしょうから、来年以降の対策として本気で始めてみませんか。
まず、ドングリがどの程度不作になるかの観測が必要です。熊の生息エリアにあるブナ科の木の幾つかを“標本木”として選んで、ドングリの付き具合をチェックする必要があります。広大な森の中に入って目視するとなれば人手もかかり、それこそ熊には闖入者とみなされて襲われるリスクもある。そこで何とかハイテク技術を使って安全で正確に標本木の状態を把握することは出来ないでしょうか。
目視以外の有効な手がないのなら、監視カメラを標本木の周囲に設置してしまうという方法が考えられます。解像度の高いカメラに通信システムを加えれば、ドングリの付き具合など観測するのはカンタンじゃないの・・・。幾つ標本木が必要かは統計学の知見を活かす必要がありますが、少々本数が必要でも、初年度だけの“投資”ですし、設置作業は初年度だけの手間です。
それでドングリの作柄が把握出来たら、必要なだけの“人工ドングリ”を生産して、的確なタイミングでドローンを飛ばせばいい。実際にやってみれば、いろいろ課題も出てくることでしょう。それを踏まえて年々改良していけばいいのではありませんか。熊被害に悩む市町村はこういうことを考えて、政府に補助を求めたらいかがですか。初期投資がかかる話ですし、監視カメラや人工ドングリは、機器メーカーや食品メーカー等にお願いしなければイケマセン。お金も時間もかかります。だからこそ今からスタートしなければイケマセン。高市首相なら、今なら補助金を使って“やってくれはります”よ、きっと。
高市政権にしても、目先の対応だけで終わることのない政策立案の具体例として良いPRにになることでしょうし・・・。熊サンとの共棲が実現したら、子供たちに安心して『クマのプーさん』を読んであげることが出来、“自然”に親しむことの大切さを教えてあげられると思うのですが。