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おわりに
金銭面での問題
地理を知らない
精神面・体力面
大学院生に求められているもの

県内だけでなく,関東方面まで活動範囲を広げての就職活動は,確かに大変 だった。


●金銭面での問題

まず大変なことその1は,お金がかかること。
通常,交通費の支給はある程度選考が進んでからがほとんど。
時には,最終面接でも支給してもらえないところさえある。
けれど,中にはとても良心的な会社があって,会社説明会から交通費を支給してもらえるところもある。
Beanの場合は,両親の理解があったお陰で,この点に関しては比較的深刻な問 題とはならなかった。(というか,出世払いということになっているけど。)
でも,やはりお金がかかっていることは事実なので,交通費を安く押さえるよ うに努力したのも事実。
例えば,新潟から東京に出掛ける場合,一番安い交通手段は高速バスなので,なるべく高速バスを使うようにするとか,県内の活動はできるだけ車で移動して交通費 を安く済ませるとか。
Bean自身は,新幹線でしか東京に行った事がなかったので,高速バスの存在を あまり良く知らなかった。
ちなみに遠距離高速バスは予約が必要である。
もちろん予約が取れなくて高速バスに乗れない事態もありうる。
そして次に安いのが,JRのムーンライトえちごである。
これは夜行電車だけれど,寝台列車ではない。ちなみにこれも予約が必要。
他には,週末であればウィークエンドフリーきっぷが発売されている時期もあ る。
同じように期間限定で,青春18きっぷというものもある。
ほかにも,高速バスは往復セットで買うと割引があったりする。
最寄の駅まで行くのに,バスを利用する人は回数券とか,バスカードとかまと め買いするとオトクになるものもある。
車を使う人は,どの道を通れば早く目的地に着くのかとか,駐車場はどこが安 いのかとか。
新潟の駅南駐車場だと新幹線利用者は1日1000円で駐車することができる。
でも,日をまたぐと翌日の分も徴収されるそうだ。


●地理を知らない

そして大変なことその2は,その土地の地理を知らないこと。
これは方向音痴にとっては,かなり深刻な問題だ。
Bean自身も,就職活動をしてみて,意外に方向音痴なことがわかった。
時には方向音痴は致命傷になる。
そもそも,お金をかけてはるばる地方から出てきたというのに,肝心の会場に 着けなかったら何にもならないからである。
そして,さらに心配性な人には,「会場に着けないかもしれない」という不安 感が常に付きまとってしまうから大変である。
Beanは「何としてでも会場に着かなくては」と思うと,緊張してしまって,そ の緊張の結果何も食べれなくなってしまう。
おかげさまで,その緊張状態が繰り返されたせいか,就職活動で3kg痩せるこ とができた。

Bean自身,会社訪問などで関東方面に就職活動をするために出掛けるように なった直後は,線路と地名の位置関係すらわかっていなかった。
つまり,東京,新宿などの都市が,東京都のどの辺にあって,線路がどういう ふうに張り巡らされているか全く分かってなかった。
何もアクシデントがない時は,これでも何とかなる。
駅構内を間違いなく歩いて,目的のホームに着けば良いのだから。
でも,何かアクシデントが起こるととたんに動けなくなってしまう。
目的地への針路変更が出来ないからだ。
また,当時は山手線の゛内回り゛と゛外回り゛さえ分からなかった。
そして,たとえホームに無事着けたとしても,やってきた電車の行き先が自分 の行きたい方面なのかさえわからないのだ。

さらに方向音痴は苦労する。
会社は駅にくっついているわけではないから,駅から会社まで歩かなければな らない。
けれど,駅にはいろんな出口がたくさんあって,それを間違えると全く方向が 分からなくなってしまう。
駅を出る直前に,駅構内の地図を見れば良いのだが,中には地図がかすれてい たり,地図が見当たらなかったりと,困ることも多い。
けれど,なにごとも経験で,何度か失敗しているうちに分かってくる気がす る。

もちろんいよいよ道が分からなくなったら,人に聞くのが一番。
コンビニとか,ガソリンスタンドとか,お店の店員さんに聞くのが一番聞きや すいかも。
というのも,これは聞いた話だが,通行人に道を聞くとき「すみません」とい う言い方で始めると,怪しい勧誘と勘違いされて逃げられてしまうのだそう だ。
だから,道を聞きたい人は「道を教えて下さい。」と゛み"から入るといいら しいそうである。
他にも,直接会社の人事部に電話をかけて聞くという手もある。
いまは多くの人が携帯電話を持っているから,この手段はかなり現実的だと思 う。


●精神面・体力面

大変なことその3は精神的、体力的に辛い時があること。
いろんな意味、いろんな時に辛いことがある。
でも、その辛さを出してはいけない。
面接の時にその辛さで元気が無いと、印象が悪い。
誰だって、会った人が元気が無かったらどうしたのだろうと思うだろう。
ましてや、これから採用しようかどうか判断するのに、元気が無い人を採用しようと思うだろうか。

Beanの場合は、精神的な辛さはずいぶんと周りの人に助けてもらった気がする。
活動をする中で、いろいろな人と話をすることで気が紛れた。
お世話になったおじさん、おばさん、両親、兄弟、友人、そしてたまたま隣の席になった見知らぬ人との会話…
就職活動終盤では、いろいろな人と話すことが楽しみで活動していた気さえしている。
だから、関東方面に出かけていくのは体力的に大変だとは思うけれども、出かけることで得られることも多かった。
そして、県内の活動が新潟か長岡だったので、長岡に行く時に実家に寄るようにしたのも精神的な辛さを和らげることができたと思う。
少しでも家族と話をすれば、独りでアパートで悶々としているよりはよかった気がした。

体力的な辛さは、無理しないことが大事。
そして、時間がある時はできる限り休むこと。

遠くに行かなくてはならないということは、移動するだけでも大変だと思う。
でも「せっかく遠くまで来たんだから」と考えて、余った時間で観光をしたらそれはそれで楽しかったりした。
要はどうやって楽しむかという気もする。


「就職活動だからということで、自分の行動に制限をかける人がいるが、いつもどおりでないことをしていたら、精神的に持たなくなる。
いつもやっていることは止めるな。いつもやっていることができないことでストレスがたまるようだったら、逆効果だ。」
と、年初めの就職ガイダンスの講演で聞いた覚えがある。
Bean自身も、就職活動前は、就職活動でいろいろな場所に行かなくてはならないことを考えただけで疲れてしまっていたけれども、実際やってみるとそれが楽しく思えてくる時があった。



●大学院生に求められているもの

このほかに、Beanは大学院生だったので、この点についても悩みの種があった。
それは、学部生との違いをどう出すかということである。
単純に考えれば、学部生よりも専門的な勉強をしているのだから、その点をアピールすれば良いではないかということになるのだが、そうもいかないのである。
学問にはさまざまな学問があるが、それらの全てがお金になる学問とは限らない。
だから、専門性だけを主張していったとしても、学問的には限界がある。
そうすると、なぜそのような専門を選択し、勉強しようと思ったのかということになるのである。

実際問題として、大学院に進学する理由は人それぞれだと思う。
将来その学問の研究を続けたいと考えて、大学院に進学する者。
ただ高学歴に憧れて進学する者。
学部の4年時に就職活動をしたけれど、就職先が見つからず卒業後の進路が決まらないため進学することにした者。
大学院を卒業すれば、就職先に困らなくなるだろうと考えて進学した者。
いろいろな理由があるに違いない。
でも、大学や大学院で勉強したことがそのまま就職先で活きるかと言われると違うような気がする。

では何のために大学や、ましてや大学院に進学してまで勉強したのか。
そして、どうして院生の方が学部生よりも初任給が高いのか。
就職先の仕事の内容と、学生の専攻が異なっていても、院生の初任給が高いことは変わらない。
なぜ、同じ仕事をするにもかかわらず、院生の方が初任給が高いのか。

つまり、学部生と院生は何がそんなに違うのかということである。

Beanはこのことがずっと疑問だった。
特に自分の専攻とは全く違う業種に就職しようと思っていたので、大学院を出ているけれども、就職先では今の専門的な知識は役に立たないことは明らかだった。
でも、初任給はたとえ学部生がその業種に関係のある学問を専攻していたとしても、全く関係の無い専攻の院生の方が初任給が高いのである。

この疑問について、自分なりの回答を得ることができたのは、就職先を決めてからであった。
それは、大学の担当教授との話の中で得たことだった。
大学の担当教授は、大学や大学院の研究室で学んだ専門的な知識が就職先で役に立つとは思っていないと断言した。
もちろん、就職先によっては大学や大学院での専門的知識が要求される場合もあることに注意しなければならないが。

では、何が役に立つのか。
それは、物事の進め方、処理の仕方、対応の仕方、問題解決の方法などだというのだ。
大学や、研究室ではとある学問の研究を題材としてそれらを身につけているだけであって、就職して変わるのはその題材が"仕事内容"になるということだというのである。
だから、大学や大学院の研究室での専門的な知識があるかということが問題ではなくて、その研究を進めていくために必要なスキルを身につけるのが目的だというのである。
仕事の進め方に必要なスキルという物がどのようなものなのかは知らないが、研究を進めていくには論文などの資料を集めて読み、わからないことは調べたり周囲に相談したり、実験を行う上でも信頼できる実験結果が得られるように試行錯誤し、さまざまな工夫を試みる。その繰り返しで研究は進んでいくものだ。
だから、研究を進めていく上で必要なのは専門的な知識だけではないのである。

Beanは就職先が決まったあと、研究に打ち込もうと考えていた。
でも、実際に就職先が決まってみると、すんなりと研究に打ち込めなかったのである。
それは、就職先で必要とされる知識と全く関係の無い研究をすることにどのような意義があるのかが分からなくなったからだった。
研究をする理由が、卒業するためだけにしているような気がしてきて、それ以上の意味が無いように思えてきたのだった。
そして、これから先のことを考えると、英語の資格を取るとか、情報関連の資格を取るとかした方が、ずっと自分にとってプラスになることなのではないかと思い始めるようになった。
そんなふうに考えたら、研究に打ち込む理由が無くなってしまったのである。

そんな時、担当教授の話を聞いてとても納得したのだった。
納得したのと同時に、就職活動前にこのことに気付いていたとしたら、活動の仕方や自己アピールの方法が変わっていたのではないかと思った。
だって、自分の専攻と、会社への志望動機と、会社で活かせることは何かということについては必ず聞かれる質問だったからである。


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そんなこんなで、ど田舎者の就職活動は終了したわけです。
自分なりに納得のゆく就職活動ができたので、全体的には満足です。
就職活動前は、不安だらけで、就職活動に対してよいイメージはなかったけれど、実際やってみれば何とかなるものでした。
自分の知らない一面を見出したり、いろいろな人に出会ったり、振り返ってみればよかったと思えることも多かったでした。


でも、「もう一度就職活動をやってみたいか」と聞かれたら「しばらくはNOです。」と答えるでしょうけれどね。(^_^;)




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