今日はJ社の1次選考がある。
J社から連絡が来たのは,会社説明会&懇談会の翌日。
初めは電話で連絡が来た。らしい・・・・
でも,Beanは実験をしていたので,PHSは留守電になっていたのだった。
電話が来たのは午後3時。
電話が来た事など全く知らずに,実験を続け,夕食時間になってメールを読んでいたらJ社の人事担当者からメールが来ていた。
「次回の選考のお知らせ」
あまりに連絡がつかないから,メールという手段まで使ったらしい。
慌てて返事をすると,次回の選考内容が教えてもらえた。
何と次回は研究内容のプレゼンテーションをしなければならなかった。
さらにグループ面接と,性格検査があるとの事。
ようするに,1週間でその準備をしなくちゃならないということだった。
大学と大学院が同じ大学の人は,卒業研究発表や学会などである程度発表用の資料を持っている事が多い。
けれど,Beanの場合は大学とは違う大学の大学院に進学したので,卒業研究と現在の研究は全く違うし,学会にも出た事がなかったので,研究内容を発表するための資料が全然なかった。
初めから作らなければならなかったのだ。
プレゼンテーションをするには,プレゼンテーション用の資料を作るだけでなく,発表の練習もしなければならない。
それに,プレゼンに全ての時間を費やすわけにはいかない。
研究室での実験などもこなさなくてはならない。
怒涛の1週間だった。
そうして向かえた,選考当日。
前回と同じように、家から最寄りのバス停に向かった。
今回は死んだ猫は居なかった。
今回も交通費を支給してもらえるので,新幹線で行くことに。
もう最寄の駅から地図無しでも会社にたどり着けるようになった。
今回の選考を受ける事になった学生は,総勢12人。
そのうち女子学生は私を含めて2人だった。
待合室で例の"おしゃべりな地方大学の学生"に遭遇した。
彼も前回の選考を通過したらしい。
どうやら,前回の選考はいかに積極的に話すかにあったという感じがした。
前回の懇談会のグループの中で,目だった人が通してもらえた気がした。
"おしゃべりな地方大学の学生"はBeanを見たとたん
「あっ,地方限定商品の人だ!」
とBeanを指差して,驚いていた。
まけじとBean自身も,「あのおしゃべり!」と心の中で叫んでいたけれど。
3つのグループに分けられ,面接,研究のプレゼン,性格検査の3つを異なる順番でこなして行くことになった。
私は面接,研究のプレゼン,性格検査の順番だった。
面接はある部屋に通されて行われた。
同じグループの学生はBean以外では横国大,阪大,北海道大だった。
横国大の学生によると,地元の大学なので非常にJ社の人気が高く,横国大学生のみを対象としたJ社の説明会が開かれたとか。
そのため,横国大の学生は1週間前の選考とは違った日程で選考が行われたそうである。
面接会場に通されると,そこには8人の面接官がいた。
前回の懇談会とは全く雰囲気が違う!
進行役の人事の方が
「リラックスして下さいね。」
って言ったけど,面接でリラックスなんてとてもできないと思った。
とりあえず,リラックスするためと称して初めにこんな質問がされた。
「最近腹立たしいと思った事は何ですか。」
「はぁ?最近どころかいろんな意味で毎日腹立たしいんですけど。」
そんなふうに思った。
答え方は様々で,「自分に腹立たしく思った」という話の展開にしている人もいた。
いよいよ本格的な質問が始まった。
研究内容について簡単に説明したり,志望動機を聞かれたり,おおむねエントリーシートに基づいた質問が初めに行われた。
続いては,
「J社が新聞に取り上げられた記事を何か挙げて,それについての意見を述べてください。」
「あなたの研究,今まで勉強してきた内容などから,入社したらそれらの何が生かせると思いますか。」
「担当教授の研究への取り組み方について,あなたが思う事について述べてください。」
どれもこれも,どれだけ会社研究をしてきたかが問われた気がした。
どの質問にも,どうやって解答するか悩んでしまった。
挙句の果て,質問内容を勘違いして答えてしまったりして....
もうダメダメな面接だった。
Beanはダメダメだったけれど,他の学生はみなさん上手に受け答えしていたと思った。
グループ面接は他の学生と比較されているようで嫌だけれど,逆に他の学生がどういう答え方をしているのか知る事ができるので,いろいろと勉強になる事は事実だ。
Beanにとっては悲惨この上ないダメダメ面接が終了した。
面接にかかった時間は約1時間だった。
お次は研究内容のプレゼン。
グループの中でBeanが一番初めに発表する事になっていた。
当然の事だけれどOHPを使ってのプレゼンの後,質問される。
プレゼンを聞いていたのは総勢6人。
プレゼンを行ってみての反応はあまりよくなかった。
説明が不充分で,研究の面白さが伝わってなかった感じがした。
最後は,性格検査。
性格検査なんて初めてだった。
今まで模擬試験はやった事があったけど,実際に試験を受けるのは初めてだった。
聞かれた質問に対して,自分はどう思うかをただマークするだけなのだが,とにかく質問の数が多いこと多いこと。
全ての試験が終了して,本日の選考は修了となった。
2日以内に連絡があるそうだ。
帰り道,あまりのダメダメ面接に準備不足を痛感した。
もっと受ける会社の事をよく知っていなくちゃダメだなって思った。
しかしながら,もうくたくただった。
早く帰って寝たいと思う一心だった。
・・・・・・・・・・
結局,2日たっても連絡はなかった....
もし連絡があったとしたら,また再び1週間後に最終面接があるはずだった。
それが通れば,内定がもらえるという仕組み。
でも,もし通ったとしてももうへとへとだったから,ある意味落ちて良かったのかも知れない。
そんなわけで,毎週のように関東方面に出かけて試験を受けるというのはきついなぁと思った。
もとはといえば,J社は全く興味のなかった会社。
そうだったとはいえ,さすがに選考にに落ちてしまったのは悔しかった。
心のどこかで,初めの選考を通過できた時点で満足してしまっていた気がする。
「自分をアピールすれば出身大学なんて関係ないんだ。」
そんなふうに思った。
結果的にはJ社の選考から落ちてしまったけれど,J社を受けた事はBeanにとっていろいろな意味で重要な事だった。
まず第1に,新潟以外の地域で選考に残ることができたこと。
第2に,新潟から東京へ就職活動に出掛け,ちゃんと目的地につけたこと。
これらのことが自信となって,Beanは新潟県内に限らず関東方面の会社も受けてみようと決心したのだった。
そんなわけで,J社の試験を受けることはその後の就職活動に大きく影響を及ぼしたのである。