花びら

いままで何回 「 for you ... 」を聴いてきたのだろうか・・・
1981年秋のTBS東京音楽祭国内大会のスタジオ審査の放送からもう30年以上になる。

わたしは、赤い愛の曲としてその 「 for you ... 」を歌う真梨子さんに恋をし続けてきた。
しかし、今日の東京国際フォーラムの歌唱はまったく異なる.「 for you .... 」に聞こえてきた。

それは、真梨子さんが体調の悪いとき、なぜか.「 for you . 」の部分がVTRで差し替えて放送され
た事例 (あくまで想像の話) とはまったく異なるものである。

もとより真梨子さんは、感情をこめては歌わない。
その真梨子さんが、今日は想いが強く入った歌唱をした。
まったく違う歌い方であった。感動を超えて、凄みを感じた。

確かに友人の女優とその急逝されたご主人の話は伏線にはなっている。
しかし、真梨子さんは時間を私物化するシンガーではない。

あえて言えば、究極の無機質がなせる感情移入の世界なのだろう。

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真梨子さんがこめたメッセージは、

愛する人にそばにいてほしい

ただそれだけだ。
別に、豪華な生活、セレブリティな生活に夢を描いているわけでもない。
優雅な生活 物質欲を満たす生活を望んでいるわけでもない。

「窓辺のアダージョ」 「時間のそよ風」 「Not So Bad 」の世界 絵コンテのように
素朴な生活、だれでも描いてよい夢だ・・・・・・・。

そばにいてほしい・・・ただそれだけなのだ。
普通の日常生活への感謝と、いつまでもごく自然に続いてほしい、そんな純朴な幸せだ。
愛する人がそばいる「倖せ」でもある。

しかし、その しあわせ は、別れという運命(さだめ)をもっている。
そして、人がそばにいるのに
別離は、夢を「儚く」打ち砕いてしまう。

哀しいことに、
愛する人がそばいる「倖せ」は、「儚い」 夢になる。


真梨子さんは、「LIFE」で、この儚い夢を 花びらになぞらえている。

儚く散った花びらは 永遠に心に舞い
 限りある命をこめて 明日への風になる


時が訪れ、いつか、ひらひらと舞う花びら・・・・・・

今日の「 for you . 」は、「心のメッセージ」で歌われる 運命に歯向かいたいという強い思い
いつまでも あなたを心の中に 素朴な絵を描き続けたい 強い風になりたい・・・・ 
そんな命の叫び、魂の叫びの「 for you ... 」だったのである。

大阪のコンサートから、ラストは「THANKS」から「ありがとう」に変更された。
素朴な 「倖せ」のかたち なのだと
私は感じている。



真梨子さん ありがとうございます。
まり子さん おつかれさまです。









2013/07/28東京国際フォーラム