MELLOW LIPS

1985

コンサートのオープニングでまず感動するコンサートであった。
ぜひ皆さん聞いていただきたい。アルバム「我蘭堂」に収められているララバイシーガルである。
イントロが2つのパートに分かれている。
MELLOWLIPSのコンサートの幕開けは、この2つのパートが見事に演出されていた。
最初のパートで、ヘンリーバンドのメンバーが一人ずつ乗っているトレーの側面が様々な電飾の輝きで、まるでピアノの鍵盤、またはグラフィックイコライザーのインジケータのようにイントロのメロディに合わせて移動しながら輝いていくのである。もちろんレースのカーテン越しにその輝きだけが見える。そして、2つ目のパートになるとそのレースの幕が下から徐々に持ち上がり、明転したステージ上の真梨子さんを映し出していくのである。

私の思い入れの強いアルバムである。当時のコンサート日記に、真梨子さんと握手をしたときの強い印象が書かれている。

1986/5/28 新宿 東京厚生年金会館

最前列の左端。予想していたとおり、スピーカーの音が割れて聞こえたが、それよりもなにも
NEWYORK NEWYORKで、彼女がすぐ目の前で歌ってくれたのが嬉しかった。
「漂流者へ・・・」はドキドキして聴けなかった。
初めて握手をした。
わりときゃしゃな手が自然に入ってきた。
私の前で花束を渡したファンが何も言わなかったからか、『また観に来ます!』と言ったら
本当にこころの中から優しい声で『ありがとう・・・』といってくれた。そう、マイクやレコードやCDでは聴けなかった彼女の素の声を聞いたのだ・・・・・

今、Headphoneで、MELLOWLIPSを聴いている。耳に真梨子がなじんでいる。
とにかく一生懸命生きている。細かいことが苦手なようで、とても細やかな感性がある。
とぎすまされたという言葉がよく似合う。

綺麗だった。髪が伸びたのでポニーテールのようにまとめていた。握手したとき、ほっぺたのふくらみと目の優しさが印象的だ。顔を見た、というよりシャッターを切ったという感じである。
少々かすれたあの優しい声も、その瞬間数秒間の世界に・・・・・その瞬間は、光があたり何も見えなかった、まるで閃光のような、光の向こうから優しさに包み込まれた瞬間だった。

(1986/5/28 東京厚生年金会館)


ララバイシーガル
ストライプ  フォローウィンド

陽かげりの街 オードタイムジャズ
デイブレイク

迷い鳩のように
想いでのSENZALA  蜃気楼

ジュン   
NEWYORK NEWYORK
クロスワード stop my love
桃色吐息    Brown Joe
漂流者へ OVER






「迷い鳩のように」を作ったエピソードを延々と語る真梨子さんの語りも素晴らしかった。
このコンサートは、9/15の最初のコンサートを10月にNHK FMでオンエアーし、翌年私が幻の録音として保管している、4/8の埼玉会館でのスプリングバージョンを86/5/3にオンエアーしている。

FORESTのコンサートパンフレットに掲載の85/9/15NHKホールでのMELLOWLIPSオープニングコンサートの写真

THE BIRD CORPORAIION








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CD VDR-1088
VICL-5171 LPVIH28229

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