MINE

1997

文 中川いずみ氏 / 撮影 渞 忠之氏

ただいま自分史書き換え中 

と題された1997年のインタビューである。1997年であるからtip topの作成中ということになるる。
いつものように、真梨子さんのデビュー当時の紹介記事が続き、デビュー25年目にしてファンクラブができたという記事が続く。

「そうなんです、やっと。自信がないのもいいかなぁと。どこかオロオロしているところがあるのも人間的かなと思うし。自信がないから一生懸命歌うし、いつも新鮮な気持ちで歌える。自信満々、自分だけが気持ちよく歌っても、果たしてお客様に気持ちが伝わるかどうか・・。昔、自信満々、気持ちよく歌ったころもあったの。でも、あとどれだけ気持ち悪いか。お客様は楽しめなかったんじゃないか、あんな歌い方しなければよかったって後悔して・・・・・。心配性だから(笑)」













その後インタビューは、ヘンリーさんとの出会いに始まり、96年からの体力充電中の生活で、ヘンリーさんが献身的に支えられたことが述べられている。そのなかには、上記のような言葉と写真が1ページの大きさで掲載されていた。

ただ、この写真をよく見てほしい。
なぜ黒の衣装で、セピア色なのだろう。
そんなに暗いインタビューではなかったのだが・・・・・
当時、セピア色のフィルムがはやっていたのを覚えている。
私も、セピア色の妻の写真をたくさん持っている。
時を止め、瞬間を結晶させる色、フランス映画の色、そしてアイデンティティをもう一度見つめなおす色なのかも知れない。

だから私は、今の真梨子さんとは違う物憂げな寂しさのある真梨子さんのこの時代をそのときだけの瞬間にするために、白の壁紙台紙にしてみた。






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