SWEET JOURNEY 旅と音楽 vol.1

ちょっとこの文章は真梨子さんの世界からは離れてしまうかも知れない。
ただ、「旅行先のある風景に自然に曲が流れてくる」というのは、真梨子さんの旅Diary(おそらくこのように表現したのはMDFが初めて)ともいえるSONG FOR YOUで体感していることである。
私は、人生を旅やマラソンにたとえようとは思わない。
旅は旅である。行く先で何を感じるかは、そのときの自分の生き方が現われていることに他ならない。
それは自分が感じることだから。

幸いにも、海外に出向くことが何度かあった。
Washington.D.C、New York、Melbourne、Sydney, Vienna(Wien) , Hong Kong ・・・

この中で、あぁ旅をしているんだなぁと思ったのは1988年のことである。
Washington.D.Cの地下鉄で30分ほど、ポトマック川の対岸にアレキサンドリアという小さな港町がある。
たまたま入った雑貨店。
入ったら、キャンドルが輝いていた。ろうそくの燃えるにおいがした。今で言えばアロマなのだろうが、当時の日本にはこんなお店はなかった。
そして、流れてきた曲が、
Stevie Wonder の「Overjoyed」であった。とっても、お洒落だった。coolという感覚だった。
心が揺さぶられた。アメリカだなぁと思った。
街並みに、13の星が円形にちりばめられた国旗がかかっていた。
合衆国東部の国旗である。

New Yorkのエンパイアステートビルの展望台で見た摩天楼は、煌いていた。
古いエレベーターで、さらにその上の展望台に行くと、空気の層が違うのだろう、
光の屈折が余計に、ビルの窓からの輝きを、まるで煌く涙のようにキラキラさせていた。
ずっと遠くに、朝フェリーで訪れた女神が、ぽつんと立っていた。
耳奥に流れたのは、「想い出のSENZALA」
そして、杏里の「ALL OF YOU」のオリジナルバージョンであった。
赤いパスポートの時代である。

Carnegieのコンサートは、そんな旅の想い出を追体験させてくれた。
女神の足元に額づいた経験が、VERSEをNew York色と評価させる理由である。






.

HOME PROFILE

CONTENTS