two for nne 

1999

1999/7/5   新宿 東京厚生年金会館 

そのステージの印象は、中欧のウイーンの森の奥深いところにある円形劇場で演じられた
歌劇であるかのようなイメージです。時間帯は、心揺れる夕陽から紫色の朝、夜明け前まで。
そこで演じられるのは、ボレロあり、リバーダンスあり、サンバあり。
構成としては、「万華鏡」の舞台照明が、ややくどいため、「虹の水」が十分にその良さが伝わってこない感じがしました。

なんといっても、吉田 匡さんのドラムスが今回のポイントです。
彼の正確なリズム、空に抜けていく感じがするのにしっかりヒットしているその音の素晴らしさ。
「恋ことば」は、コンサートでこそ聴く曲でしょう。「夢一夜」も。

逆に「向日葵」はやはりCD向きの曲ですね。
嬉しかったのは「フレンズ」、オーケストラの音源を使っているのに素朴なフレンズになっているのです。「far away」は、フェイドアウトしていく曲なのに、なぜ盛り上げる終わり方なのか・・・・


1999/5/22
アルバムリリース直後。

今聴き終わりました。
far awayのフェイドアウトする音の中にセピア色したフランス映画の字幕と映写機の回る音があたかも耳に残っているようです。
3/14武道館でこのアルバムのタイトルを知ったとき、私はこう思いました。
 
「真梨子さんとヘンリーバンドをたして9人、 twoは、真梨子さんとヘンリーさん、真梨子さんとファンひとりひとりとのふれあいの意味を示しているような気がする。」と。

タイトルのnineの「 i 」が『赤い愛』になっているところが、このアルバムのテーマだと全曲聴き終わってやっと感じ取れました。
少々気取って言えば、「何かを一方的に享受する愛ではなく、小さな存在の人間だけと゛、何かに向かって求めてやまない志向的な永遠の愛である。」といえると思います。
そしてセピア色の写真は、一つ一つのシーンを一瞬のうちに「永遠の時」に変えてしまう力がありますね。セピア色の写真の中に、日常のありふれた真梨子さんの姿が感じられ、愛に包まれているかのように思います。・・・・・・・・・・・・・・・・・(中略)
リヨンや、南スペインを旅しているかのような時間旅行のイメージ。そして、故郷に戻ってきて見た懐かしい山々。懐かしい田舎言葉。家。

自分自身のひたむきな生き方の中に常に向上したいという求めてやまない真摯さを誰でも持っている。そしてそれらの人々が、素朴に触れ合って、愛し合い、生きていく。こんな想いが『赤い愛』の中に様々に表現されているように感じました。


CD VICL60377

ct  VITL60377         

ビクターエンタテインメント株式会社


















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