VERSE
1993年の9月リリースのこのアルバムは、7月のカーネギー公演の印象が
強いために、どうしてもリンクしてしまう。また、ユニマットのCFが一日中流れていたので、Sincerelyのアルバムとの印象でもある。
New Yorkテイストという感じでは、想い出はひかりの中 も2011年の今聞いてもコンテンポラリーなAORという作風に仕上がっている。
グレート・ブルーや鳥たちの行方という曲も2011年の今年には意味のある曲に思えてくる。待ちきれないも真梨子さんだから歌える曲。
高橋真梨子カーネギーへの道というテレビ東京の特番がCDリリース前の日曜日16時から放映され、ラストにニューヨークの夜景が流れた。
そのMy Heart New York Cityのイントロダクションは今でも素晴らしい編曲である。
愛が恋しい
そう、2011年4月何を聞けばよいのかわからない自分にとってこのフレーズが語りかけてきた。
ふとふり向けば 愛が恋しいから
何度かブルースにあけくれた
銀河の外へ とび出してゆけたら
すさんだ 気持ちも変わる
何億年も さまよう星くずも
悲しいブルースを生きて来た
くしくも、作家伊集院静氏が読売新聞に寄せた寄稿でこんなことを述べていた。自らも被災者であり、その現実と対峙するとき、瓦礫の現実と悔しいほどに綺麗だった3/11の夜の星空の輝きの間にあって、自分はこれから何を書いていけばよいのかと。
私はもっともっと小さなレベルであるが、仮想現実の恋愛の歌を素直に聞けずに、真梨子さんを慕う自分の記述活動の再開が出来ないでいた。
少し落ち着いた今
愛が恋しい
このフレーズが、これからの真梨子さんを私が表現していく上で、
ひとつのフレーズになっていくのではないかと
今日は思っている。