虚空間のVENUS
2009/10/7
Zepp 東京
汐留から、ゆりかもめに乗って、小雨に煙るお台場の高層群が見えてきた。
1988年に、アムトラック鉄道でNEW YORKに向かうとき、遠くに摩天楼が見えてきたのを思い出した。
お台場パレットタウンは、
あと1年以内に多くの恋愛のseenを
記憶に残しながら消えて更地となる。
いわばこの10年は、
街全体が大きなひとつの劇場のドラマであった。
ヴィーナスフォートの噴水広場に、
ギリシャ神話のアフロディーテを模した女神像がある。
中欧風の街並みを表現したその虚空間は、
時刻によって空の色が変化して
異空間を一層演出してきた。
Zepp東京のLIVEで、真梨子さんは初めて
ロビンソンを歌われた。
♪ ルララ 宇宙の風に乗る
その数秒後、深い緑の光線(ライト)が、
舞台の左から右に流れていった。
どこかで見たことのあるモチーフである。
そういえば、まさに曲調が欧州である浪漫詩人で
真梨子さんは歌っている。
ほこりが踊るライト カーテンコールの
まぼろしを重ねてる 煙る記憶の果て
そして、
消え行くお台場の幻のLIVEハウスの中で、かりそめの恋愛も消えていったのである。
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