Eternally
恋する人が傍にいる「倖せ」
1988年。今から23年前のアルバムの作品が、2010年のコンサートのメインテーマになった。それだけ、真梨子さんの世界は普遍的であり、人の根源的な思いを歌う世界なのである。
マザー・テレサの慈愛の輝きに心動かされた真梨子さんの描く「虹の水」。お母様がいわゆるひな壇に座って、ほかの出演歌手と一緒に聞いていた「夜のヒットスタジオ」でお披露目となった「恋する瞳」。
おそらく、西海岸を旅行されたときのイメージで作られた「グランパ」。
もちろん、スタンディングでの応援を想定するものではない。
失恋した友人の話を聞き役に徹してなぐさめてあげた本人の切ない失恋を、たったラストの2フレーズで表現する「Ma・Mo・Ru」。
そして、当時は非公開であったヘンリー広瀬さんとの純な生活を語りながら、ジャズメンであったお父様をオーバーラップさせながら偲ぶ「窓辺のアダージョ」。すくそこに、愛する人が普通にいることの幸せ。
そして文字どおり、人がいる「倖せ」。
声を張り上げる真梨子さんの歌い方も懐かしいが、真梨子さんの世界は、いつもヒロインが救われる。
「悲しまないで」を聞いた後になぜか涙が消えていく。