ブルースを聞かせて

1986年9月 アルバム「FOREST」に収録されているこの曲は
映画主題歌の「黄昏人」とある意味対になって収録されている感じがする。

もう25年も前かと思うととっても不思議だし、その時間のゆったりとした流れがまさにこの曲なのかなぁと感じている。少し想像してみた。
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ヒロインは、大人の愛を求め始めている。
今付き合っている彼氏と恋愛しているのは楽しい。でももう結婚を意識する年齢だ。
きっと彼も彼女もまじめに働いている。
木曜日か週末に、お洒落なカフェバーで、グラスを傾けている。
時計を見るとあと少しで24時。
夏空を駆けて恋をした季節も終わり、終電に近い電車で部屋へ帰る。
そんなごく普通の恋をしている。

田舎の母が、見合いの話を持ってきた。
それなのに彼はまた、今度の休みに湖に遊びに行こうって誘っていた・・・・


嫌いじゃないけど、このままでいいのか。
彼と愛を育んでいけるのか。
少し、距離をおいてみようか・・・・・

ふと思えば、このお交際いは、24時を過ぎれば実生活に戻るまるでシンデレラのような恋だったのかも知れないと。
そんな恋にあこがれていたのかも知れないと・・・・・・・

「貴方は私からの電話を待っていてくれるのだろうか?」

私は、24時を過ぎても、街ではしゃがず、ひとり自分の部屋で貴方からの電話を待ちつづけているのに。

心を揺さぶる、まるでブルースのような、本当の私を見つめてくれる言葉が欲しい。
「そばに居てほしい・・・」  その一言で今は幸せになれる・・・
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もちろん、この恋は終わっている。それを彼女は知っている。

会えばもっと戸惑うだけ・・・・・
幸せという名の黄昏に
ブルースを聞かせてよ 一人静かに泣かせてよ


25はその時間帯であり、当時の適齢期といわれた25歳を暗示している。
落ち着いたバラードの中に、身がよじれるような熱い思いがこめられている。

そしてこういう曲を、ほとんど感情を出さずに唄えるシンガーが真梨子さんである。







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