Dear 真梨子さんが真梨子さんであるアルバム

 1982年今から29年前のこのアルバムが今でも輝いている。
 1981年当時まで、真梨子さんは自分の意に反する、若干不本意なコンサートの演出で歌っていた。しかし、LOVENDOWでみるように、コンセプトアルバムを発表しだしてから、風は真梨子さんに吹き始めている。

アルバムDearは、真梨子さんが初めてアルバム作りに本格的に参画したアルバムである。どの曲を聴いても、今年2011年のアルバムに収録された新曲といってもよい輝きを放っている。まさに、そこに高橋真梨子というアーティストとしての存在の存在性がこめられている。一言で言えば、プロのシンガーとしての意地であろう。

1-3-5-7-9曲目の法則はもちろんであるが、この一枚をコンサートと考えれば、
B面の2曲目が、
「for you・・・」である。
4分35秒。
誰も文句のつけようがない位置にこの曲が流れてくる。

その後、名曲
「Tear」 わたしが繰り返しいろいろな機器で再生を試みた曲。サックスの泣く音色の響きがココロを癒してくれる

「漂流者へ」 が素晴らしいのは、「フェアウェル」と対になっているからである。
「フェアウェル」は、真梨子さんのヴォーカルの味わいがぎゅっと詰まった名曲である。


「小さなメタモルフォーゼ」
星の氷を入れたカクテルなんていうフレーズは、それまでの真梨子さんのアルバムには出てこないお洒落なフレーズ。

どの曲も、がっちりと聴いて欲しい。
携帯用の音楽プレーヤーで聴いてはこのアルバムのよさは伝わってこない。
「for you・・・」で、恋人をずっと慕い続けて欲しい。求め続けて欲しい。
そして「Tear」で一緒に泣いて欲しい。
求めてやまない思慕の恋 
「STOP MY LOVE」

ジャケットは、風にくちづけ。
少し髪を切ったセミロングの黒髪が風になびいている。

そして、この真梨子さんは、どこかの誰かによく似ている。