陽かげりの街

1975年10月から12月のワンクール火曜日の夜に放映された刑事モノドラマ「はぐれ刑事」(主演 平幹二朗さん / はぐれでか であって、後年テレビ朝日系列で主演藤田まことさんでシリーズ化された人気刑事ドラマ はぐれ刑事 <こちらは はぐれけいじ と読む >とは別モノである。)の主題歌である。太陽にほえろ や 石原プロ制作の 大都会 シリーズのようにな派手さはない。胸に埋め込まれた一発の銃弾という死との直面の危機を抱えながら活躍する刑事のスリリングなドラマであった。そして、ペドロ&カプリシャスのヒット曲となる。
思えば、「はがゆい唇」も刑事ドラマの主題歌である。ときおりみせる真梨子さんのSHARPでHARDな堅い声のイメージからくるものかも知れない。

真梨子さんのコンサートでは、わりと頻繁に耳にする。
85 MELLOW LIPS / 92 Lady Coast / 94 Coupleのツアーでセットアップされ、05 戯れの季節を残して では、オープニングに使われている。
リクエストコーナーでも登場したと思う。
真梨子さんが言うように、「アップテンポの曲で売れた・・・」という代表作である。ラテン・パーカッションとミュートトランペットが、独特の雰囲気をかもし出している、ヘンリー広瀬氏作曲の名曲である。

07 優美彩唱ツアーでの「教会に行く」同様、今の感覚では捉えがたい昭和40年代1970年代の後半の世相がある。チケットも、東京労音 民音(民主音楽協会) などが主流であり、そこには、工場(こうば)や工場、煙突のけむり というような歌詞で、額に汗して働き日本の土台を作ってきた多くの若者たちを応援する歌があった。

川口も、昭和30年代になるが名画「キューポラのある街」で描かれた工場の街であった。

私は、川口リリアが オープニングに使われるのも、こういうフォークソングやペドロ&カプリシャスを
応援して支えてきた世代の原点があり、どこかに郷愁があるからだと勝手に思っている。

名もない男たちの汗と
名もない女たちの夢が
なくしかけた なにかを想いださせてくれる
すてたはずの あの日の夢が
なぜかまぶしく よみがえる

ああ あなたに逢いたいけど
流れて今日も行くだろう


そして・・・ラストは

しずかに朝陽が 今昇


夢に破れ、失恋しても 人は必ず救われる。
そして、苦しいときに、自分を救ってくれるのは、力を振り絞って生きる自分自身なの
だからと。






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1975/10

L1275A

作詞 杉山政美 氏 
    麻生香太郎 氏