photo by MDF

おとなぴあ

2001.8月号

ぴあ株式会社

文/神館和典氏  撮影/平賀正明氏

撮影/平賀正明氏

このインタビューは、BOXを発売してのものである。しかし、かなり真梨子さんの詞に対するこだわりが感じとれ、私にも印象的なインタビュー記事になっている。

まず、東京へ来たとき歌のうまい人がたくさんいたので自信を失っていたとき、一回だけほめられたことがある、その方が、ザ・ピーナッツさんであり、あなたの声はすごく目立っていいと。当時からお二人は、大人で人をほめもしないし、けなしもしないで自分たちの道を歩んでいた方たちだったからとてもうれしかった、と。

筆者神館氏は言う。「橋真梨子の書く詞は映像的だ。」と。
ごめんねのエピソードをはさんで真梨子さんの詞に対する想いを引き出してくれた。

「私は流れるような詞があまり好きではないみたいです。曲によりますが、聴く人が引っかかるような詞、印象に残るような言葉がほしい。もしくは、聴く人が情景を思い浮かべるようなフレーズが書きたい。言葉や具体的に思い描ける情景というのは、とても大切だと思います。曲にのせると気持ちのいい言葉を選ぶのではなくて、歌いにくくても印象に残る言葉を選びたい。ですから、私の歌にはすごく言い回しのつらいフレーズが多いですね。だからといって詞を書き替えることはしません。その詞を歌えるように練習します。そういうことはしょっちゅうですね。」と。

そしてヘンリーさんの「愛」を描く真梨子さんへのコメントの後、、真梨子さんはこういうのである。
「私の詞のテーマは、常に、愛。・・・かたちはさまざまですけれど、必ず愛がテーマ。・・・本当に愛する人にめぐり合えることなんてめったにない。だから、そのひとつの貴重な出会いを大切にしたい。すごく愛したいし愛されたいんです。その思いが自然に私の詞になっているのかもしれませんね。・・・・・・失恋してもいい、そういうつらい体験は、きっとその先の幸せにつながっている。そこまで描きたい。だから私の詞は絶対に不幸なまま終わっていません。必ず主人公は救われるように書いている。私自身がそう信じているから。」と。

私MDFが、別のページでいろいろと思い浮かべているのは、真梨子さんの詞が心象風景として描写できる完成度の高いものだからである。そして、いつも愛され続けたいという、真梨子さんの内なる響きの一端を、皆さん同様にキャッチしているからであろう。
今回のホームページを作成するにあたって、情報提供ではなく、ゆっくりと真梨子さんの曲を聴きながら読んでほしいという意図があり、画面の操作性の優先順位を低くしたのはこういう理由である。

あまりにも、真梨子さんの心情がでているインタビューなので、思わず撮影現場にいってしまった。小田急線の代々木八幡から代々木上原方面に5分ほど歩いたところにある、小田急線をまたぐ陸橋がその場所である。右に写真を載せた。奥が新宿方面である。写真で確認できる通り、この陸橋は電線のかなり上を渡っている。実はここが入り口?思う場所から入り、道路から階段で60段以上ある。

真梨子さん、おつかれさまでした。







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