馬車道 2008.11.08 神奈川県民会館
晩秋の横浜を、白いコートの襟を立てて歩く人がいた。喧騒な日本大通りからほんの少し入っただけで
そこは、まるで中欧の街並みの異空間に変わる。
馬車道を歩くその人は、なぜか
ポニーテイルの髪型で、ブーツの音を響かせていた。
馬車道のひとは、どこへいくのだろう....
ふとふり向けば 愛が恋しいから
何度か ブルースに明けくれた
秘めた憂いを ふるさとに残して
長い月日すぎた今も ・・・・・・・・・・・・・
ロングヘアーで、スリムでシャープな真梨子さんを私は知っている。
真梨子さんはこれからどんな愛の歌をうたうのか心が震えていたのを覚えている。
My Heart ・・・ City.
NEW YORKは、あのマンハッタンのニューヨークではない。
その街は
ひとりひとりの心の中にある、人恋しい寂しさにつつまれた夕暮れの街 であった。
もしかしたら
ポニーテイルの彼女は、私の心の中にいたシャープな真梨子さんの
幻なのかもしれない。
馬車道のひとは、真梨子さんの曲を今日も聴いて
愛に彷徨うことなく、現実の世界をしっかりと生きていくのだろう。
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1982毎日グラフより