MarikointheBOX 01  2001 

星空のM
for you・・・」の穏やかで優しい歌唱の中に真梨子がいた。
そう、今まで何十回と聴いたのに、今日のfor you・・・は穏やかだった。
それは、ファンのために聴かせる曲としてではなく、われわれファンと一緒にひたむきな時間を共有し永遠の愛を音楽シーンの中に描いてきた橋真梨子ならではの心の響きがあるかのようだった。
 
真梨子さんとピアノの音色の呼応関係ひとつで、「for you・・・」という楽曲の色合いは変わってくる。
小坂きよしさんのピアノは、真梨子さんの描く「激しい愛」をかろやかなメロディで、
平田文一んは、抑揚や華美な装飾を抑えて、カーネギーホールのイメージを際立たせた。しかし、今日の宮原恵太さんのピアノは、まさに真梨子さんとの呼吸を感じさせる求めてやまない愛し続ける愛のハーモニーを演じていたのである。

今日2001年6月2日
「mariko in the BOX 01」が川口リリアからスタート。
オープニングは、真梨子さんの音楽シーンを、「entremets」の映像や真梨子さんがグラスのお酒を傾けCFとともに紹介していく。
「恋ことば」が流れ始めたとき、ステージの中央には橋真梨子が立っていた。

真梨子さんはMCで、「30年はあっという間、今回はLIVE HOUSE的な演出をしてみました。」とコンサートのイメージを紹介した。
彼女の歌いたい曲を自分で選んで歌えばよい、もっとアコースティックな演出があってもよいとアンケートに書き続けた一人が私である。
・・・・・・・(中略)

このようにコンサートの基調を描き出せば、今日のコンサートは「星空のM」である。
基調は、「M」である。

まずステージの照明が、M字型のタワーになっている。
ひとつの照明のブロックに対角線が引かれている。対角線同志が結ばれて、多くのMを創っていく。
星空のライトも輝いていた。そのひとつひとつが、彼女の演じてきた愛の軌跡である。
そのMのセンターに橋真梨子が立っているのである。
わたしたちがMemoryしている高橋真梨子である。

スカーレットの照明は、ポイントごとに使われた。
「愛(I)」 「恋ことば」は赤い愛である。
「Painter」でスクリーンに映し出されたmuseeの文字は、赤い文字であった。
人の生き方は、様々な愛で綴られる。その志向的な愛、しかし冷静に自分を見つめていく愛のシーンが今日のライブには強く出でいた。

「君と生きたい」のアカペラ。真梨子さん、ヘンリーさんありがとう。
心が大きく揺さぶられ、真梨子さんを応援し聴き続けてきたことがとても嬉しい、ただそれだけです。

ヘンリーバンドプレイ。彼らの前半のパフォーマンスの中に、スタンリー・キューブリック監督の「2001年宇宙の旅」を思わずイメージしてしまった。魂の響きである。そして後半のプレイ、ここでは茶目っ気たっぷりのMさんが登場する。
もともとヘンリーバンドはバックバンドに徹していた。真梨子さんの歌唱を如何に素晴らしいにものにするかという視点で、各メンバーが没個性の演奏の中に、実は素晴らしいテクニックと個性を発揮してきた。だからこそ素晴らしい調和の取れた演奏を聞かせてくれる。
その彼らが今回のコンサートでは、主役の一人である。
「STRADUST」は絶品だった。
「My Heart NewYork City」はコンサートのラストナンバーにぴったり。思い出の曲である。

幕が下りて、真梨子さんを囲んでステージ中央にメンバー全員が手を取り合う。
ずっとお願いしてきたことがここでも実現した。
「愛を信じるなら、私に逢いに来て 真梨子」
このラストメッセージに立ち上がって賛辞を贈ろう。
真梨子さん、今日は握手できなかったけど、いつかどこかで・・・・・・・














HE BOX VICL60742〜60751
(付録のPHOTOGRAPHS&DISCOGRAPHYは 貴重なコレクションになるでしょう。)

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