夜のヒットスタジオも見ていたので記憶にある。
また、毎週見ていた桜木健一さん主演の「刑事くん」では「ジョニィへの伝言」をモチーフにした回があったのを覚えている。

独立後、真梨子さんの楽曲は、数多くＣＭとタイアップしていった。
ドラマの主題歌になっているものも多い。「フラワーホテルの女客」や「ジャスト・ホールド・ミー」をリアルタイムに聴いている。
そして「ハート＆ハード」や「アフロディーテ」などいまでもＣＭの映像が浮かんでくる。

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私は23歳で母を野辺送りした。その直後、私は真梨子さん、いや「髙橋真梨子」とあらためて出逢うことになる。
当時東京音楽祭は、国内大会を毎週オーディション形式で審査し放送していた。
そして「髙橋真梨子」は国内大会、そして世界大会へとステージをあげていった。

人付き合いが下手で、ちょっとモラトリアムな学生時代を過ごした私には、そのときの真梨子さんのぎこちなさが、なぜかとても刺激的なＳｉｎｇｅｒとして映ったのであった。

もっとも印象深いのは、カネボウ絹石鹸の30秒ＣＭである。
映し出された和風美女のうなじから背中にかけて、カメラがターンダウンするシーンのＢGＭで、与謝野晶子女史の短歌「柔肌の熱き血潮に触れもみで　哀しからずや道を説く君」をせつない旋律に乗せた、硬い声の「髙橋真梨子」のアカペラの歌唱が今も耳に残っている。

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私は「髙橋真梨子」というアーティストに出逢うべくして出逢ってきたと思っている。

そして、「髙橋真梨子」はいつのまにやら「真梨子さん」という存在になっていたのである。

私には真梨子さんと同年代の姉がいる。その影響で、小学生のときに、毎朝ＴＢＳの朝の音楽番組ヤング720を見ていた。ザ・ビートルズの解散の噂があるとの情報を日替わりの司会者たち（確か黒澤久雄さんや関口宏さん他）が伝えていた記憶がある。また、和田アキ子さんが、テレビ初出演で歌われたのも知っている。もちろんグループサウンズ全盛期でもあった。

中学時代は、カーペンターズの全盛期である。そして、吉田拓郎さんである。
当時のコンサートチケットといえば、東京労音であった。
吉田拓郎さんのコンサートを、新宿の東京厚生年金会館で見た。

その東京労音の機関紙にある記事が載っていた。
「ペドロ＆カプリシャスの2代目ヴォーカルに高橋まり・・・・・・・」と。