I wanna be close to you

藤岡友香さんは本格的な LIVE SINGER である。

しかし、まだ新人であるがゆえに、さまざまなイベントで数曲歌ったり
決して音響のよいとはいえないレストランでのミニLIVEで精一杯活動してきた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(以下の記述は私の想像でありご本人の考えではない。)

彼女のアメリカ東海岸での音楽活動とは異なり、彼女の「癒し系ソウル」「都会派AOR」を受け入れるジャンルが、現在の日本の音楽市場にないことが、もしかしたらここ数年の彼女の葛藤になっているかも知れないと私は思っていた。

自分の存在と音楽活動についての真摯な葛藤が、彼女のblogでつづられていたりすると、早く大きなホールでLIVEを聞いてみたいと思っていた。
メジャーデビューやCDがたくさん売れることが、実力のある歌手の証明であるとは決していえない日本にあって、彼女自身、1枚のチケット・1枚のCDの重みを体感したツアーでもあったのだと思う。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「Love 」をはじめて聞いたとき、なにか物足りなさを実は感じた。
それは、丁寧に歌っているからである。
もっと声量があるのに表現されていない、同じ音でも透明に透き通っている。どうしたのだろうか。
でも、それでよいことが、今日わかった。
コンサートの後聞きなおした。耳に優しい「癒し系ソウル」である。

「コンサートの世界」と「CDでの世界」という2つの世界をセットにして楽しめたのである。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2012/3/25 かめあり リリオホール

18:35 開演
座席は、今日の「藤岡友香」まで15メートル。
客席がスロープになり始めたセンターブロックの中央。
目線が友香さんと会う位置に座った。

音響もホールの音像の定位の位置であろう。
まさにベストポジション。
舞台配置はシンプルにまとまっている。
なんといっても、エレクトーンの音の世界には
驚かされた。

とにかく素晴らしかった。正直なところ予想以上のLIVE。
プロのミュージシャンをバックに、思いっきりはじけていた。

そして、なにより当日のSET LISTが素晴らしい。

01  Incomplete
02  Don't give up 〜命ある限り〜
03  I'm in love with you
04  Promise

05 
Song in blue
06  
二人で・・・
07  Run To You ( & I Will Always Love You ) by Whitney Houston
08  
N.I.O
09  生きること
10 
I wanna be close to you
11  Girl
12  You are・・・

*  ありがとう
*  True Love
*  Something's got a hold on me by Etta James
*  大切な人


SET LIST を色分けして、曲のまとまりを感じとってみた。
ロックバージョンのIncomplete は新しい世界。まるで、New Yorkの街角にワープした感じがする。2曲めで会場の空気が落ち着きメッセージが伝わってくる。
3曲めのイントロは、ステージのバックからライトをあてて、tomokaのシルエットを映し出す。
そして大地の息吹と鼓動を感じさせるダイナミックなイントロからバラードが始まる構成。
4曲目もしっとりと聞かせる。
そして、舞台は海へと移動する。そこで表現されるのは瀬戸内海の日差し柔らかな海
そして、左ななめ上からオレンジの夕陽が照らす仁尾の浜辺である。

後半は、4オクターブのヴォーカルで会場を圧倒する。
やはり、Whitney Houstonは抜群。これは、コンサート会場でこそ聞くべき曲である。

NIOでリラックスさせてくれる.。そう仁尾の海で、Whitney Houston の曲をはさむ形になっている。それが友香さんの思い入れだと思う。

そして、いよいよコンサートのつぼの曲に入る。
求めてやまない愛の情感を表現する I wanna be close to you
赤いライトで情熱の恋を表現した Girl
それは、裏街の寂しさすら感じさせるメロディで、強い気持ちが表現されていた。

クロージングナンバーは、今生きているありのままの自分。

そしてアンコールの、True Love が、 
I wanna be close to you 
と構成上対になっている。
もちろん、難しいことはいらない。そこにいるのは 
「LIVE SINGERの藤岡友香」であった。

いつも、そばで歌っていてほしい・・・・・

その魅力を存分に体感できたコンサートであった。

いつかこのコンサートに行けたことが伝説になるかもしれないそんなことを感じている。

私は、友香さんが大きなステージで活躍されることを確信している。
そのためには、彼女の音楽スタイルにこだわればよいと思う。
それが、「藤岡友香のジャンル」を作っていくことになるからだ。

これからも私は、藤岡友香さんを応援していきます。


(2012/3/28 MDF音楽館 MDF 記)
http://www.cam.hi-ho.ne.jp/mdf-tahkun/