DESIRE

いろいろとタイトルは考えてみた。しかしどれもしっくりと来ない。
新しいアルバムの制作で忙しいのに、私はそれ以上のことを期待しすぎたのかも
知れない。しかし、2008年のSwing Heartのコンサートを100としたら、今回の構成は
かなり厳しい採点になってしまうというのが、私の感じ方であった。
もちろん、真梨子さんのヴォーカルはよかった。
また、コンサート用に編曲されたカヴァー曲も、CDとは趣を変えて、いわゆるアレンジの妙
というものを感じさせてくれた。しかし大きな感動が無い。

それは、構成がシンプルであり、内容もわかりやすいものであったからかも知れない。
そして、感じられたコンセプトがもうひとつ自分にしっくりと来ないからだと思う。

 一部が、紺と緑のライトを中心として、かたくなまでに、高橋真梨子の冷静さを表現する。皆さんは気づかれただろうか?
スカーレットのスポットを使うのは、for you のあなたがほしいと真梨子さんが声を最高度に緊張させるところであり、そこまで使われていなかった様に感じている。
紺と緑の色が交錯して、失恋を表している。

 第二部は、ラテンの情熱を存分に表現する。
スカーレットを中心とした照明である。
ヘンリーさんとのダンスは、もしかしたらワイン片手に踊っている「月のダンス」なのかも知れないという錯覚をもった。
また、この赤のスポットは、昔の恋を引きずる私と歌いだす女性の情なのかも知れない。
それを赤い愛と表現するのでは、むしろできすぎである。


しかし、それは「虹の水」で、大きな愛、母なる慈しみの愛へ昇華される。
ある意味でコンサートの中心部分である。

アンコールで、母さんがくれた麦わら帽子、どこにいっちゃったんだろう・・・・と歌い始める
真梨子さんには、担任が驚くほど暗いと評した少女時代のまり子さんが投影されている。
そして、パートナーの支えで生きてこれたという愛のシーン、友人同朋の愛を描く
海色の風。

こんな風にまとめてみると、とってもシンプルだ。
もとより、教訓的なものは無いのだろうけど、ちょっと結論が優等生かなという感じ。
申し訳ないが、広がりすぎてしまう。
もちろん、こう感じるのも
「海色の風」より、私は「HEART」の描く世界が好きだからなのだ。

自分がそうして欲しいなら、人にそうしてあげなさい・・・・
そんな言葉を思い出した。

DESIRE 求め続ける愛

そして、大人の余裕を感じさせる「月のダンス」
全体のコンセプトがまとまっているだけに、目新しさは無い。
だから、ゆっくりと真梨子さんのヴォーカルを愉しもう。
そういうコンサートである。










2010/5/16川口リリア