いままでありがとう
そして、これからも一緒に・・・
発表されたオトコゴコロの名曲は、確かに素晴らしい曲ぞろいである。
アレンジャーの表現豊かな編曲で、素晴らしいアルバムになっている。
ただ、このアルバムは、カバー曲を集めたのではなくて、真梨子さんが直感的に
選んだと言われている。その真梨子さんの感性からすれば、選ばれた各曲のフレーズにメッセージ性が強くこめられたアルバムといってよいと思っている。
たとえば、
「ワインレッドの心」では、
哀しそうな言葉に酔って泣いているより・・・・
「見上げてごらん夜の星を」では、手をつなごうボクとおいかけよう夢を二人ならくるしくなんかないさ・・・・、
「桜」では、冬の寒さに打ちひしがれないように 誰かの声でまた起き上がれるように・・・
というふうに、真梨子さんが苦しかった頃ヘンリーさんが傍で支えていた状況がなんとなく、僭越ながら垣間見えてくるのである。
35周年は、きわめてオフィシャルな大イベントであった。二人はともに歩んできた。
そして無事成功した今年のこのアルバムは、だからこそプロデューサーとしてオフィシャルでも支えてきたヘンリーさんへの感謝のアルバムなのである。
男心の優しさ、たくましさ、愛情の表現。カバー曲に形は借りているけれど
真梨子さんが選んだその直感は「感謝」であった。
だから、ビートルズではなかったのだと思う。
私は、そういうふうな感覚で聴いている。
自分は、ヘンリーさんのように、自分の妻に優しく接しているのだろうか?
歌の世界のように、簡単には出来ることではない。
2009/5/24 川口リリア
そのシンプルな舞台。まるで、映写フイルムがカタカタとまわり、エンドロールのように
名場面を映し出すその背景は、真梨子さんとヘンリーさんのコンサートの歴史である。そこには、真梨子さんが流した涙があった。
No Reason 今回のコンセプトは、「真梨子さんの涙」である。
そして「何気にありのままで・・・」
だから、オープニングはヘンリーさんが初めてプロデュースしたアルバムDEAR
から、鈴木キサブローさん作曲の「Tear」。
新曲紹介では、「君といつまでも」、なかにし礼さん訳詩の「恋心」、
そして「サヨナラCOLOR」。それを受けて、なかにしさん訳詩の「別れの朝」
ヘンリーさん作曲の「陽かげりの街」。
なんと「ジョニイへの伝言」があって「涙もろいペギー」である。
昨年の私のリクエストである。
「無伴奏」は、ほほをつたう涙。
背景のスクリーンで、涙が一粒ずつ落ちていくと、いつの間にか水滴になり、RIPPLEになる。そしていつしか貴方の元へたどり着く。それくらい女性の涙は、切なく苦しいものなのかも知れない。
「浪漫詩人」の赤の恋の情念が、モノトーンの世界で魂の浄化に通じていく。
ウイーンだといい続けてきた私のイメージ通りの演出である。
そして、「for you....」
まったく異なるシチュエーションで書かれた大津あきら氏の名曲は、
いつしか、真梨子さんとヘンリーさんの35年間のような曲になっている。
大津あきら氏作詞 鈴木キサブロー氏作曲の名曲で始まり、そして幕となる。
やはり、アルバム「DEAR」なんだなぁという感じ。
だから、5/18はなまるカフェにヘンリーさんが一緒に出演されたのだと思う。
そして、「ランナー」以外に、今回のエンディングはありえない。
浄化された魂が、愛の力で新たな輝きを増す舞台の演出が素晴らしい。
3列目の左手、真梨子さんが高音を張り上げるある歌い方のとき
真梨子さんの表情は、SwingHeartのジャケットの真梨子さんに見えた。
最後にヒロインは、必ず愛の力で救われる。
いままでずっと一緒だった。これからもずっと一緒・・・・・
そんな風に、妻に言ってもらえるだけ愛しているのだろうか
大切にしているのだろうか・・・・
夫婦愛、いたわりという言葉よりもっとPUREな愛が感じられる。
そこにストレートな高橋真梨子の愛の歌がある、そんな素敵な大人のステージである。
2001年10月号のメイプル(集英社)の写真ページを掲載してみた。
ほほえましい、うらやましいSHOTである。
6/4 追加感想投稿分
やさしい指 投稿者:MDF 投稿日:2009年 6月 4日(木)11時10分52秒 |
fiesta
を聴いていて ふと「やさしい指」が こういう曲なのかと改めて思った。 会報で、結構、真梨子さんはメカに強いということが 書かれている。携帯もPCも真梨子さんは使いこなすことは ずいぶん前から話題になっていたが、「やさしい指」に 書かれている。 「たしか 大人になる頃 私の指 細くて美しい 指だったはず ・・・・・・・ ・・・ 今は 動かす指から 文字を読んで 慣れない指先を 撫でていたいの ・・・ 人の愛の光が 煌めく道へと景色を創る 」 と真梨子さんは素朴な気持ちを歌っていた。 そして、その「人の愛の光 煌めく道」というのは 今回のNo Reason の舞台演出そのものではないかと思っている。 「闇から生まれた真心 教えてもらったもの 瞳のベールを」 まさに、浪漫詩人 から for you へ そしてランナーへの世界。 私も、またひとつ教えてもらったという感覚である。 |
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2009/5/24川口リリア