訪 れ
「ひとりあるき」は、真梨子さんが日本語の歌を歌いたいという思いでリリースしたアルバムである。
聴けば、長谷川きよしさんだとわかるような楽曲提供者の色の濃い作品も収録されているが、この「訪れ」は素敵な作品だとかねがね思ってきた。ちょうど、サーカスの「Mr.サマータイム」など欧米風コンテンポラリーという感じの曲が流行っていたからか、「月のダンス」に通じるようなフランス映画の匂いがする。そして、この曲のよいところは、恋の訪れである。
真梨子さんのその後の作品群においても、ストレートな静かな恋の気持ちを表現している曲は、この曲と「小さななわたし」が一番だと思う。「恋人たちの時間」と合わせてひとつのまとまりにしてみた。
当時片思いだった人に、カセットテープに入れて聞いてもらったことがある。
そしてその恋は、ただそれだけであった。
2000年1/2月のPMカレンダー。真梨子さんがこんなに淡い色のコートを着ていたのを思い出した。本当に素敵な真梨子さんである。
.
1979.3