time of love

何時までも女性として可愛くいたいという本音を語った真梨子さんは、「枯れない花」でお母様の野辺送りのシーンを思い浮かべながら、今という平凡な暮らしのなかにある暖かさ、そういう生活が送れることのありがたさを表現した。あの意味では、この曲でお母様と様々な葛藤を詫びているかのような曲でもある。そしてこの曲のモチーフは、6年後2008年の「Swing Heartにつながっていく。


「去る者は日々に疎し
は真梨子さんにしか歌えない曲。
「Traffic〜混雑」「街角」は銀座の街角を連想させる。しかし、「人はさよならを いずれ受け止められる 徹底的な出来事につまづいて 」と文字で見ると、ずいぶんとストレートに書いている冷たい言葉が出てくる。アルバムの中に「スフィア」ではその徹底的な出来事に揺れた気持ちを素直に表現。その詞に曲をつけたのが、元恋人という大人の距離感が感じられればこの混雑が、いろいろな辛い想いの交錯と捉えられるだろう。

懐かしく空に ときめいて空に 涙して空に向かう
と歌う「ときめいて空に」

昔の彼女が23歳で結婚したと人づてに聞いたときのことを思い出した。
アコースティックなサウンドが高橋真梨子の世界である。


「夜明けのミスト」も実生活の一場面を借りて、失恋のモチーフにし、逆に今の幸せを表現している曲である。
「say my name」はAOR。この2002年当時としては異質である。
「電話」は、別掲の通り、私は自分に電話していると感じている。過去の自分へである。空へ旅立ち星となった恋人へのやまない想い。

無口な空の色 星は流れ 月は満ちる 誰の為

別れという事象があっても別れていない。
だから、カップリングに「別れの朝」が収められている。







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