むかしは「鮎自慢はお国自慢」と言われたそうです。鮎は日本全国(北海道以外)の川に遡上し、自分の生まれ育ったところの川の鮎は気軽に食べる機会があったでしょう。また、山中においては川遊び(「川行き」と言った)は子供たちにとっても大人にとっても夏の楽しみのひとつでした。(きっと、どこの地方でも同じでしょ)その時に鮎を取り、川原で焼いて食べるのですから、どこの物よりもおいしいに決まってます。
川魚は特に鮮度が命ですから、当然のことですよね。
山中温泉を流れる大聖寺川でも、6月16日に鮎漁が解禁になりました。残念ながらその後の天候が悪く、まだ十分の漁はありません。これからどんどん鮎が釣れ、一刻も早く皆さんに堪能していただけるようになることを期待してます。
明月楼では代々いけすに涌き水を引き、鮎・鰻などを生かしております。
生きている鮎は本当にきれいで、スイカのような匂いがしますよ。
鮎という魚は、ご存知のように一年で一生を終えます。ですから、数ヶ月のうちに稚鮎から若鮎・落ち鮎へと成長していきます。
鮎は大きさによって料理法も食べ方も変えます。稚鮎は甘露煮、天ぷらなど頭から食べるように・・・。
もう少し大きくなればそろばんがおいしい。そろばんとは頭を落とし、内蔵やひれをを取り除き、1mm程度の厚みに骨ごとぶつ切りにし、洗いをかけたもの。活けの鮎であることが大前提ですけど・・・。十分大きくなれば刺身になります。
塩焼きは「若鮎がよい」とか「子持ちに限る」とか人によって講釈があるらしい。お好きなようにどうぞって感じですね。
短い一生の間にこのようないろいろな味を楽しませてくれる鮎って、日本人好みですね。 鮎の奥深さを感じます。
本当に地の鮎のおいしい季節になりました。鮎漁は天候などに左右されますので、ぜひ、問い合わせてご賞味くださいね。
「うるか」ってご存知ですか。鮎の内臓の塩辛です。鰹の内臓の塩辛は「酒盗」と言い、酒を盗むほどうまいといわれますが、それとは違ううまさがあります。やはり海のものと川のものの違いでしょうか。
一口に「うるか」と言ってもいくつか種類があります。一番知られているのは、白子のうるかでしょうか。割と甘味もありどなたにも食べやすくおいしいです。その他真子だけの物や白子や真子のない本当の内臓だけを塩漬けにした物があります。
明月楼でもうるかを作ってます。だいたい造りやそろばんにした物の肝を塩漬けします。当然地鮎のみです。どうしても塩焼き(子持ちの時はなおさら)が多くなるので絶対量は少ないですし、内臓がほとんどの物です。これが本来のうるかだと私は思います。鮎本来の風味やにがみが濃縮され、確かに好き嫌いははっきりすると思いますが、「これがうるかです」って感じ。 お好きな方にはこの上ない酒の肴です。