G. Malkin
Proteon
J. Reynolds
ISI
March 1990
Network Working Group
Request for Comments: 1150
FYI: 1

F.Y.I. on F.Y.I.
Introduction to the F.Y.I. Notes

(FYI に関する FYI — FYI ノート入門)

このメモの位置づけ

この RFC は、RFC の新たな下位シリーズである FYI (For Your Information) の最初のものである。 このメモはインターネット・コミュニティーのために情報を提供するものであり、いかなる標準をも定めない。 このメモの配布に制限はない。

1. はじめに

FYI シリーズは、インターネットの利用者に対し、インターネットに関連するあらゆる話題について情報の中心的集積所を提供するのが目的である。 FYI の話題は、「なぜこうなったのか」ということについての歴史的な覚え書きから、よく質問される運用上の疑問への回答にまで及ぶかもしれない。

FYI は幅広い読者層を対象とする。 初心者向けの FYI もあれば、より高度な話題について論ずる FYI もあるであろう。 何か提供すべきことがあり、そうする時間もあるという人なら誰でも FYI を提出してよい。

2. なぜ RFC か

FYI がより大きな RFC シリーズの一部である理由はいくつかある。 最大の理由は、RFC の配布の仕組みが実証済みであることである。 RFC を入手することのできる者であれば誰でも自動的に FYI が手に入れられる。 何より、RFC シリーズのことを知っている者であれば誰でも容易に FYI の存在に気付くことができるのである。

FYI を RFC シリーズの一部とするもうひとつの理由は、RFC の保守の仕組みがすでに整えられ資金提供を受けていることである。 同じような文書を同じような方法で保守することは理に適っている。 要するに、情報提供 RFC がすでにあるということだ。

最後の理由は、RFC という名前が価値をもつようになってきたことである。 RFC の肩書きをもつメモには信頼感がある。 FYI はその点を共有すべきである。

3. 形式の規定

FYI は RFC シリーズの一部であるため、形式については RFC 1111 (Request for Comments on Request for Comments: Instructions to RFC Authors、RFC に関する RFC — RFC 執筆者への注意) に従わなければならない。 理想的には、RFC 1111 の第 2a 節に記述されているように、ASCII 形式で提出すべきである。(1)

4. 位置づけに関する声明

RFC はそれぞれ、その RFC の意図を説明する段落を含む "Status of this Memo" (このメモの位置づけ) の章をその最初のページに置かなければならない。 この章は RFC 編集人および IAB (Internet Activities Board(2)) によって承認された位置づけを伝えるためのものである。 メモを RFC として発行する理由はいくつかある。 たとえば、ある情報に関心をもつ人々のためにそれを入手可能にするため、あるいは、興味深い着想について議論を開始または継続するため、はたまた、あるプロトコルの仕様を入手可能にするため。

例を示す。

この RFC は、RFC の新たな下位シリーズである FYI (For Your Information) の最初のものである。 このメモはインターネット・コミュニティーのために情報を提供するものであり、いかなる標準をも定めない。 このメモの配布に制限はない。

5. 配布に関する声明

それぞれの FYI は「配布に関する声明」をも含むことになる。 FYI シリーズの目的は情報を普及させることにあるため、配布に関し「無制限」以外のものとする理由はない。

典型的には、配布に関する声明は単に "Status of this Memo" の章に添えられる "Distribution of this memo is unlimited." (このメモの配布に制限はない) という文である。

6. セキュリティーに関する考慮事項

すべての FYI には、その RFC の中心的話題である手続きに関して、そのセキュリティー上の考慮事項を論ずる章が含まれなければならない。

7. 著者連絡先

それぞれの FYI には、その一番最後に、著者の連絡先を与える章がなければならない。 著者連絡先には、氏名、郵便の宛先、電話番号、インターネット電子メールのアドレスが含まれる。

8. 他の FYI との関係

FYI は、時として、以前の FYI で議論された話題に情報を付け加えたり、以前の FYI を完全に置き換えたりすることがある。 これらそれぞれの場合に用いられる用語が 2 つある。 すなわち、UPDATES (を更新) と OBSOLETES (を廃止) とである。以前の文書を廃止する文書は、独り立ちのできるものである。 以前の文書をただ更新するだけの文書は自立できず、既存の文書に追加ないし挿入されるものであり、単独ではその有用性に限界がある。

UPDATES (を更新)

単独では利用できない新たな事項 (つまり、以前の文書を補うもの) からの参照として、その以前の文書のことを言うのに用いられる。 新しく発行されたほうは、既存の文書を補ったり、それに付け加えられたりする部品である。 たとえば、補遺、すなわち元の文書に添えられるべき別立ての追加情報。

OBSOLETES (を廃止)

新しい文書から見て、それによって置き換えられる以前の文書のことを言うのに用いられる。 新しいほうの文書は、改訂された情報を含むか、さもなくば同じ情報のすべてに加えて何らかの新たな情報——ただしその新情報は広範囲に及ぶこともあれば簡素なこともある——を含む。 すなわち、新しいほうの文書は、古いほうの文書への参照なしに単独で利用できる。

OBSOLETED-BY (により廃止)

古い文書に取って代わる新しい文書を言うのに用いられる。

UPDATED-BY (により更新)

まだ有用な既存の文書に情報を追加する新しい文書を言うのに用いられる。

9. FYI 編集人

FYI はすべて査読のために、RFC 編集人への提出に先立ち、IETF のユーザー・サービス作業部会へ提出される。

提出先は次のとおり。

Joyce K. Reynolds
Chair, User Services Working Group
USC - Information Sciences Institute
4676 Admiralty Way
Marina del Rey, California 90292-6695

電話: (213) 822-1511

電子メール: JKREY@ISI.EDU

10. FYI 告知メーリング・リスト

新しい FYI は、SRI ネットワーク情報センター (NIC) によって保守されている RFC 配布リストに告知される。 このメーリング・リストに追加または削除されるには、RFC-REQUEST@NIC.DDN.MIL 宛てに SRI-NIC まで電子メール・メッセージを送ること。(3)

11. FYI の入手

FYI は NIC.DDN.MIL から FTP で入手できる。 パス名は FYI:mm.TXT または RFC:RFCnnnn.TXT である ("mm" は FYI 番号、"nnnn" は RFC 番号)。 FTP でログインする際のユーザー名は ANONYMOUS、パスワードは GUEST である。 FTP が使えないサイトのために、NIC は自動メール・サービスも提供している。 リクエストの宛先を SERVICE@NIC.DDN.MIL とし、メッセージの subject 欄を "Subject: FYI mm" または "Subject: RFC nnnn" として FYI 番号または RFC 番号を指定すること。

セキュリティーに関する考慮事項

セキュリティーの問題はこのメモでは議論しない。

著者連絡先

Gary Scott Malkin
Proteon, Inc.
2 Technology Drive
Westborough, MA 01581-5008
Phone: (508) 898-2800
EMail: gmalkin@proteon.com

Joyce K. Reynolds
USC/Information Sciences Institute
4676 Admiralty Way
Marina del Rey, CA 90292-6695
Phone: (213) 822-1511
EMail: jkrey@isi.edu

 


【訳注】

(1)  RFC 1111 の後継となる RFC 2223 が発行されている。
(2)  "Internet Activities Board" は "Internet Architecture Board" の旧称。
(3)  RFC 配布リストへの参加の申し込みは現在、RFC 編集人のサイトの rfc-dist のページで受け付けている。

 



2005年01月30日公開
2008年04月06日更新
Translated by: Mendoxi (面独斎)
mendoxi@cam.hi-ho.ne.jp