1999/07/12 更新
介護保険は老後の安心を皆で支える仕組みです。
我が国では急速な高齢化とともに介護の問題が老後の最大の不安要因となっています。
介護が必要になっても、残された能力を生かして、できる限り自立し、尊厳をもって生活できるようにすることは国民共通の願いですが、現実には家族だけで介護を行うことは非常に困難になっています。
介護保険制度は、介護を社会全体で支え、利用者の希望を尊重した総合的なサービスが安心して受けられる仕組みを作ろうとするものです。
国、都道府県等は、財政面及び事務面から市町村を支援します。
要介護認定の申請の受付は、平成11年10月から始まります。
65歳以上の人(第1号被保険者)と、40歳以上65歳未満の医療保険に加入している人(第2号被保険者)が介護保険に加入します。
寝たきり、痴呆などで常に介護を必要とする状態(要介護状態)になったり、常時の介護までは必要ないが、家事や身じたく等、日常生活に支援が必要な状態(要支援状態)になったとき、介護保険からサービスを受けることができます。
高齢者の保険料は、原則として老齢年金から天引きします。
- 65歳以上の人(策1号被保険者)
- 第1号被保険者の保険料は所得に応じた額になります。
その額は市町村の介護サービスの水準に応じて高くなったり低くなったりします。
第1号被保険者で年金額が一定額以上の人は年金から天引きされます。
それ以外の第1号被保険者は個別に市町付に支払います。- 40歳以上65歳末満の人(第2号被保険者)
- 第2号被保険者の保険料は加入している医療保険によって異なります。
その額はそれぞれ加入している医療保険の算定方法により決まります。
第2号被保険者は現在、支払っている医療保険料と一括して支払います。
参考
健康保険では、
- 保険料は給料に応じて、高くなったり低くなったりします。
- 保険料は、事業主と折半になります。
- 健康保険の被扶養者は、加入している医療保険の被保険者が皆で保険料を負担することになりますので、直接の保険料の負担はありません。
国民健康保険では、
- 保険料は所得、資産等に応じて、高くなったり低くなったりします。
- 保険料と同額の国庫負担があります。
寝たきり・痴呆などで入浴、排泄、食事などの日常の生活動作について常に介護が必要な人
家事や身じたく等の日常生活に支援が必要な人 初老期痴呆、脳血管障害など、老化に伴う病気によって介護等が必要となった人
サービスを利用するときは、市町村に要介護認定を申請します。
寝たきりや痴呆などの要介護状態、または、要支援状態にあるか否か、及び介護の必要度(要介護度)を判定してもらうため、市町村に要介護認定の申請を 行う必要があります。
認定されると、申請日以降に利用したサービスについて給付が受けられます。
要介護1〜5 要支援 の6段階になります
介護を必要とする場合には、保健・医療・福祉サービスが総合的に受けられます。
在宅サービスは、介護の必要度(要介護度)に応じて給付額に限度があります。 その費用は6万円程度から35万円程度(平成10年度価格)と見込まれています。
- 在宅サービス
- 訪問介護(ホームヘルプ)
- 訪問入浴介護
- 訪問看護
- 訪問リハビリテーション
- 通所リハビリテーション(デイケア)
- 居宅療養管理指導(医師・歯科医師による訪問診療など)
- 通所介護(デイサービス)
- 短期入所生活介護(ショートステイ)
- 短期入所療養介護(ショートステイ)
- 痴呆対応型共同生活介護(痴呆性老人のグループホーム)
- 有料老人ホーム等における介護
- 福祉用具の貸与・購入費の支給
- 住宅改修費の支給(手すり、段差の解消など)
- 施設サービス
- 介護老人福祉施設
(特別養護老人ホーム)- 介護老人保健施設
(老人保健施設)- 介護療養型医療施設
- 療養型病床群
- 老人性痴呆疾患療養病棟
- 介護力強化病院(施行後3年間)
要支援者は施設入所はできません。
介護保険のサービスを利用した場合、利用者はかかった費用の1割を負担します。
また、施設入所の場合、食費は医療保険と同様の利用者負担があります。