昭和女子大での演習
2007年4月から隔週一回三時間の枠で、福祉環境学科、初等教育学科、保育学専攻科の学生を対象に精神保健の演習を行うことになりました。
独りでやるのは寂しいので、心理士、保育士、音楽療法士、市民合唱団のメンバー、小児科医と仲間を呼び入れて、何でもありで和気あいあいとやることにしました。
授業概要
福祉、医療の現場ではグループを対象として「音楽療法」を始めとするセラピーが実践されています。そこで発せられる言葉や無意識に現れる感情の動きを理屈ぬきで実感してもらいます。そして、その背景にあるダイナミクスを探っていくことを目指します。
キーワード
音楽療法 チーム医療 グループダイナミクス
授業内容
医療現場の中の保育士と聞くと、院内託児所、病後児保育や小児科の仕事をイメージする方がほとんどだと思います。
ここで取り上げるのは精神科医・看護師・心理士・保育士といった精神科チーム治療の一員として働く保育士・精神保健福祉士の場合で、実際に医療の現場でどのように関わって、それぞれ役割を果たしているのかを、演習を通してみていくことになります。
演習の実際ですが、具体例として私たちが取り組んできた音楽療法や、その拡がりとしての生活技能訓練(SST)等を現場のスタッフとボランティアの方々の協力を得て体験してもらいます。その過程で技術的側面と共に背景にある治療理念の理解も深まっていくのです。
関わる対象者はその家族も含めて各世代にまたがるので、“ライフサイクルをめぐる精神科医と小児科医の対話”を企画しました。幼児期に出会い各年代で再会することになる子守唄、童謡が、「音楽療法」の根幹となっていることをぜひ理解してもらいたいと思います。
また対象者の家族のケアも欠かせないものとしてありますが、精神科医、心理士、小児科医、音楽療法士の四者での討論も企画しています。
2008年度の前期まで担当しました。