河合メンタルクリニック


明日へのあゆみ

 横浜市医師会の市民広報「みんなの健康」2005年5/6月号

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「壊死性胆のう炎」で健康の大切さ知る

 河合メンタルクリニック院長  河合 眞

順風満帆の新生活
 昭和大学藤が丘病院の精神神経科に長らく勤務した後、平成12年に独立して、念願のメンタルクリニックを開院しました。
 自分の診療所で、心の病に悩む患者さんの治療にあたるかたわら、週2回は自宅から片道3時間半もかかる茨城の病院・老人ホームへ。そこで、かなり以前から始めた音楽療法を中心に、痴呆老人などの診療を続けてきました。かくして開業後のドクター人生は順風満帆。毎日が充実した日々でした。

突然の病魔
 ところが、昨年初め、私の体を病魔が襲いました。突然、激しい腹痛に見舞われたのです。ちょうど長期入院中の高齢の父が、無事退院した翌日のことでもあり、私は看護疲れによるストレス性の胃炎だろうと軽く考え、そのまま放置してしまいました。
 しかし、痛みは10日たっても消えません。さすがに嫌な予感がし、近くの内科医院を受診したところ、即刻大学病院に入院となりました。
 病名は「壊死(えし)性胆のう炎」です。内科的治療に続き、手術が行われ、術後はICU(集中治療室)を含めて手厚い治療を受けた結果、大事に至らずに済みました。これも大学病院の優秀な医療スタッフのお陰と、心から感謝しています。
 入院中は感染症を防ぐために、ハーブティーを水代わりに1日10数杯も飲んだり、音楽療法と称して、ヘッドホンでバッハの音楽を聞きながら、点滴用のスタンドを引っ張りつつ、病棟内をあちこち回遊。暗くなりがちな入院生活を、自分なりの方法で楽しむこともできました。

反省!医者の不養生
 ところで、入院中はナースの温かい言葉に、ずいぶんと励まされたものです。医療スタッフの心温まる“ひと言”が、どれだけ患者を元気づけるか。1カ月半の入院生活で、そのことを痛感し、改めて医療の原点に触れた思いでした。
 今は病気も全快。入院中の早寝早起きの習慣が身につき、健康生活を実践しています。朝は4時半に起き、7時過ぎには出勤。まだ誰もいないクリニックで、静かにバイオリンを弾いて気持ちを整え、その日の診療に備えています。
 それにしても、健康とはありがたいもの。今までは“医者の不養生”で過ごしてきましたが、今回の入院で反省しきりです。これからは私の退院を待ちながら回復を祈って下さった長年の患者さん達のためにも健康に留意し、心の病と向き合うドクターとして、より一層精進を重ねたいと思っています。

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