8月
今月の歌は「日の丸」。思いきって単調なメロディをぶつけてきた司会者の力量に拍手を送りたい。今週の空オケ「長崎の鐘」とともに終戦記念日に向けて情感が高まっていく。
病棟全体がお盆の外泊で閑散(かんさん)としている。セッションの部屋だけが普段より人数が少ないにもかかわらず一際(ひときわ)にぎやかである。今日はお盆なので空オケは「大東京音頭」。お盆らしくなったはずです。このような機会が設けられなかったらお盆も知らず過ごす人が多かったと思う。
陰の協力者
看護婦の一人が途中から車椅子の患者さんを連れてきてくれて、「ああ少ないですね‥‥」と独り言のようにつぶやく。その後、寮母が一人連れてきてくれる。そしてまた一人、看護婦が連れてきてくれる。
亡くなったお年寄の娘さんから残暑見舞いの葉書が届く。「母のベッドの側で歌ってくれた○○さんのことが忘れられません。お元気で」という内容。
そのお年寄も、○○さんも私たちの音楽のセッション仲間だった。もう二度と会うことのないお年寄の家族からのメッセージ。ご冥福をお祈りします。
今週の空オケは「真室川音頭」。始め、テープを使ってやってみたが、やはり民謡はその場の声と節回(ふしまわ)しと合いの手でやったほうが味がでる。