河合メンタルクリニック 河合メンタルクリニック


7月

 

 今月の歌は、「村祭」。先週は成田、そして今日まで佐原の祭。この辺でも阿波崎の祭がある。《祭》があるから隣近所のつながりがいまだに保たれているように思う。このセッションの場が《祭の広場》となっているのだろうか。

 何でこんなに生き生きしているんだろうと思う。耳の遠い人、眼の見えない人、セッションの最中はポカンとしているが、最後の夕焼けこやけの曲になると大きな声で歌う。◯◯さんが、「この人、こんな元気な声、初めて聞いた」と言うほど!

 △△さんもコックリしていたが終わりの時はちゃんと歌っている。体操をして目が醒めたのかもしれない。

 

お互いに個性を認め合って

 他のお年寄の歌に対して拍手が自然に出てくる。彼らはいつも心を大きく開いて迎えてくれる。何となく一人一人が個性を出してきて、周りの人もそれを認めてきたのかなと感じる。

 車椅子の参加が多くなった。皆迎えに来るのを待っている。

 途中のぞきに来ていた子供はお年寄と手拍子したりして‥‥子供っていろんな力を持っているし、いろんな表情を持っている。

 内科病棟から看護婦が患者さんを連れてきてくれる。可能なら内科病棟こそバックグラウンドミュージックとか音楽を導入したい。モニターのピッ、ピッって音のみが響いてくる。

 

歌なら声が出る!

 ◯◯さんが歌なら声が出るって。言語障害があると指摘されてるが、歌は不思議と歌える。

 即席の「螢の光」。心がこもっていた。皆、今日の仲間が一人減るという残る側の寂しい体験を大切に! ◯◯さんの涙。家族の方の涙。スタッフの涙。

 今日は本当に珍しく◯◯さんが歌っていた。「俺、トラック運転していたからいつも演歌は流していた」って言ってた。

 ◯◯さんの場合、優しくする時には思いっきり優しく、言う時にははっきり言わないと何もしなくなってしまい、ベッドから降りるのは本当に食事とリハビリの時だけになってしまう。音楽というちょっとしたことでも良いので、ベッドから降りてきて欲しい。

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